よっ!

 

ほんに、久し振りだっぺ

 

最近、オラはわき役に回って、あんんまり出番がなかったからよ

 

今日は、娘っ子に一服仕込んで、オラが出てきてやっただ

 

「おとっつあん、それは犯罪よ」

 

おっ! もう目が覚めただか?

おめえの身体は人間じゃねえな

 

「なに言ってるの。こんなことだろうと思って、おとっつあんがあ淹れてくれたお茶は飲まなかったわ。飲んだ振りをして、全部吐き出していたのよ」

 

おめえ、親を信用できねえなんて、それでもどういう人間に育っちまっただ

 

「あら、自分の出番が欲しいために、一服盛った人がそんなことを言う?ほんと、どんな親なんだろう。情けない、本当に私は情けない」

 

オラの決め台詞を盗るでねえ

 

「ま、それはさておいて、私に一服盛ってまで、今日はなにを言いたかったの、おとっつあん?」

 

そんなこと、忘れちまっただよ

おめえのせいでな

 

「そんなことを言って、なにも考えてなかったんでしょう。ただ出たいだけで」

 

………

 

ま、おめえら、明日は天気が悪そうだけど、頑張るんだぞ

 

「あ! 誤魔化した」

 

じゃあ、いい夢見るだぞ