「だいぶ、店の雰囲気が引き締まってきたな」

 

今日、あの人に言われました。

 

「これも、みんなのお蔭やな。感謝せんとな」

 

本当に、そうです。

 

「笛吹けど踊らず」という言葉があります。

 

いくら私が改革を唱えても、社長やママが反対だったらどうにもならないし、お店のスタッフや女の子達が協力してくれなければどうにもならない。

 

「それとな」

 

あの人の目が、私を真っ直ぐに見つめる。

 

「自分を誇り。ここまで来たのは、葉月ちゃんあってのことや。自分が提案して頑張らへんかったら、ここまでは来てへん。みんなに感謝せなあかんけど、自分を誇ることも忘れたらあかんで」

 

最初に、みんなに感謝せなあかんと言ったのは、あの人の優しさ。

 

最初に私を褒めると、私が驕るというような気持ちではなく、そう言うことによってお店のみんなをまず褒めてくれた。

 

気持ちが通じ合っているからこそ、言える言葉。

 

私も、まず最初に、自分のことを誇れと言われるより嬉しかった。

 

みんなが一丸となって頑張っているのを認めてくれたのです。

 

次の言葉が、それを如実に表しています。

 

「俺は、自分を信用してるし、ずっと応援していくつもりや。でもな、人って油断したら、自分が知らん間に驕ってしまうものでもある。葉月ちゃんにはそれはないと思うけど、でも常に気をつけとかんとな」

 

あの人は、今の朝活だけではなく、今月からまた別の会に入会するみたいです。その会は、月に一度だけらしいですが。

 

で、銀行系列の人とも仲良くなって、そこからのお仕事の紹介もいただいているそう。

 

今日も、一件紹介があったみたいです。

 

「今でも、来年3月くらいまでは大丈夫やけど、これが決まったら、また2・3ヶ月寿命が延びるわ」

 

そう言って、笑ってました。

 

本当に凄い。

 

自己破産寸前から、よくここまで持ち直したものです。

 

「あかんとこに気付いたら、即座に軌道修正せんとな」

 

それを言うと、そう言って、あの人は笑いました。

 

いや、還暦だよ。

 

なのに、なぜ、その柔軟性。

 

あの人がいる限り、私は驕りたかぶることはないでしょう。

 

だって、あの人に比べたら、まだまだ未熟なんですから。

 

これまで接してきた中で、あの人ほど柔軟な人を見たことがありません。

 

知り合って6年近くになるけど、年々柔軟になっていって、考えがしっかりしてきている。

 

で、弱点も克服していっている。

 

最初は人並みにありましたが、今では、愚痴や文句や人の悪口はまったく言わない。

 

人のことを言うのは、褒めることだけ。

 

私へのたしなめ方も上手。

 

敵いません。

 

あの人を見ている限り、私はまだまだ、私はもっと伸びる。

本気でそう思えます。

 

でね、お弁当、とっても美味しかったって。

 

キャッ!!

 

 

おやすみなさい