この数日、朝晩は気温が一桁で

肌寒い日が続いていますが

そんな中でも野の生命力はたくましく

日ごとに春の空気が満ちてきています。

 

ムツさんが愛した母屋前のリンゴにも

若葉が芽吹いてきました。

ツヤツヤした明るい若草色を見るだけで

嬉しくなります。

 

 

キッチンの窓から見えるすぐそこ!の

桜の木も無事花をつけてくれました。

 

小鳥がどこかから種を運んで落としてくれて育った

山桜ですが、毎年少しずつつける花の数が

多くなっています。

(初めての年は一個でした)

 

 

まだ背丈も小さく、幹も細いので周囲の木々に

負けないでね、とキッチンで料理をしながら

目にすると思わず応援してしまいます。

 

朝起きた時は咲いていなかった花が

お昼には開いていたり、

雨上がりの日の光で、草がぐんと伸びていたり

命の力を感じるこの季節が大好きで

地上の生きものとしての自分にも大きなパワーをもらっている気がします。

 

さて。

 

母の日の今日、何をしようかと考えて

母が一番好きなレモンパイを焼くことにしました。

 

昨年から、色々心も落ち着かず

お菓子を焼くこともほとんどしていなかったのですが

ようやく少しそんな気持ちが

持てるようになってきた感じです。

 

「九州からお父さん(ムツさん)を追いかけて

一人で出てきて、ケーキ屋さんのケースに入っていた

レモンパイを初めてみたとき、こんな

夢のようなお菓子があるの?って目を丸くしたのよ。

思い切って一個だけ買って帰って

お父さんと半分個して食べて、またその

おいしさにびっくりしたの。」

と、何度も話してくれた母の思い出の

お菓子でもあります。

 

 

「レモンパイを焼いてきたよ~」と

母に届けると

「あらー、久しぶりね、おいしそう!」と

ニッコリ笑ってくれました。

 

母の状態をご心配くださるお声もいただいております。

ありがとうございます。

 

実は、やはり長年人生を供にした

ムツさんという存在を失い、

この1年で急激に年波が押し寄せてきた感じが

あります。

 

身体の方は、今のところ幸い大きな病気もなく

穏やかにすごしておりますが

日常の様々なことが困難になりつつあります。

 

長い時間、自分を後回しにして

ムツさんを思い、沢山の仲間を支え、

動物たちのことを思い

先頭に立ち、どんな強風にも負けず

歩きつづけてきた母なので

今、神様がもういいよ、ゆっくりしなさいよ、と

言ってくださっているのかもしれません。

 

たった一人の娘として、日々考えることは

多いのですが、少しでも母に笑ってほしいし

おいしいものも食べてほしいなーと思います。

 

大好きな相撲が始まり

夕方はちょっと嬉しそうです。

絶対、ムツさんもすぐ側で

いっしょに見てくれているとおもいます。

 

母とプースケニコ

 

ムツさんとの日常 二人とも若いほっこり

 

明日美