#118 (2/3)の続きです。


こういったことから考えるにつけましてもね、
オオカミと犬の間には、厳然とした違いがありまして、
イタズラに、オオカミから犬が出てきた、というような
結論を出した番組はどうだろう??と思ったわけなんであります。

もし作るのなら、オオカミがいつ犬になって、
どんな機序で犬になり、その犬がどういう具合に
いつ、セントバーナードになって・・

その道筋を教えてほしいと思います。

これは、一口ではなかなか言えない
色々たくさんの問題があるのです。
それを掘り起こしてこそ、素晴らしい番組が
できるのではないかな、と言う風に思います。

個別の話になりますと私はまだまだ
言いたいことが1年かかっても言えないと思いますけれども、
それは機会を見て、またお話させていただきたいな、と
思う次第でございます。


さぁ、そろそろトルットのところに
戻りましょうね。笑

私は、一つ一つ、キツネ舎を見て回りました。
どこもきれいに掃除をしてありました。
立派に飼われているんですね。

それから感心したのは、臭いですね。
キツネは特有の臭いを持っているのです。
特に糞は非常に、キツネ特有の臭いがするんですね。

これは、どこからするのか知っていますか?
僕も分からなかったんですよ。

それで、ある晩、浜中にいたころ、車で帰っていましたら
道の脇に交通事故にあったキツネが死んでおりました。
まだ、そんなに時間もたっておらず、新鮮でした。
それを持って帰りまして、一応、身体の中を調べる、
というのが私の使命ですから、解剖してみたんですね。

腸でした。
腸が臭うんですよ。
私は胃袋からずうっと切っていき、
小腸に達した時、びっくりしました。

あの、キツネ特有の臭いがするんです。
そこで臭いが作られているんですね。
多分、臭いの元もそこから出てくる、
これは発酵臭だけではないと思いますね。

余談でした。

で、トルットのところですが・・

こんなにきれいにしておくには、
人手がたくさんいるぞ、と思いました。
パッと暗算もしました。
50匹のクリミアのキツネを、50年飼う・・
32万頭くらいにはなるなぁ・・
どうしたんだろう?

助手の女性に聞いてみました。

「増えすぎてこまりますね。
どうされているんですか?
売っているんですか?」

「はい。」

「そうですか。そうでなければ
増えすぎて、たちまち破産ですよね。」

僕が言うと、女性はニコッと笑いましてね、

「町に持って行くんですよ。
ここでよく馴れた以外のキツネの子は持っていって
ペットとして売るんです。
それ、人気があるんですよ~。」

と言いました。

そういうことで、サイドビジネスをして
お金をかせぎながら、維持しているのではないか、と
思いましたね。

現在は非常に有名になりまして
世界中から取材なんかも来ますから
そちらの方面でも潤っているかな、と
思いますが、それでも
動物をそうやって飼う、というのは
大変なことだな、と思いますね。

で、見ると、そんなに女性たちの数がいないんですよ。
ですから、馴れるか馴れないかを判別したり、
そこから選択したりするのは
とっても大変なことだろう、とも思いました。

馴れる、ということをそもそも選ぶのが
非常に私は・・いい加減というと悪いですけれども、
科学的でない要素がたくさん入ってくるわけですね。

思い込み・・恣意的って言いますけれどもね、
そんな要素もずいぶんあると思うんですね。

この続きはまた明日。

 BYムツさん 畑 正憲