今から2年ほど前の冬から鼻の奥に焦げたような匂いを感じるようになりました。

昔は冬になると市内の建物にはビルごとの薪ストーブのセントラルヒーティングがあり、何となく昔の焚き火のような匂いがして懐かしく思いました。

また秋から冬にかけては街角で焼き芋と、焼き栗の屋台が出て薪、熾で焼く私にとっては良い匂いと感じる空気を感知します。

ただその頃寝ていて夜中にそのような匂いをよく感じるようになり何かおかしいのではと感じるようになりました。

ただその匂いは何かの焦げたような匂いですが臭いとは感じませんがどこか違和感があります。

昔から何故か嗅覚は敏感で特に脳が臭いと感じる場合は我慢ができずに昔の日本の公衆トイレ、今のヨーロッパの公衆トイレなどは強い消臭剤の匂いで入った瞬間に吐き気がするのでほぼ利用出来ません。

また強い香水の匂いも苦手でヨーロッパでは特に年配の女性に多い強い匂いの香水をつけている人の横を通るときは意識的に呼吸を止めるのが習慣化しています。

そんな事である日寝ているときに焦げた匂いを感じたことを女房に話し、まだこの辺で薪の集中暖房を使うビルがあるか尋ねましたが知らないとの事、若しかしたらテラスバーベキューの匂いかとも思いましたがその場合は焼いた食品の匂いが混ざるので不思議に思っていましたが、ある夕方テラスでその匂いを嗅いだので早速その場で女房に確かめた所そんな匂いはしないのでどうも私の幻覚ではないかと疑いました。

またその頃ビルの1階にある私の仕事場にいる間もずっとその匂いがしていたのでどうも存在しない匂いをニオイと感知している事に気がつきました。

そんな事でその症状をネットで調べるとありとあらゆる可能性が表示され重いものは脳腫瘍、アルツハイマーなどもありましたがちょうどその頃頸椎椎間板ヘルニアの手術をする事が決まっていて脳のCTも撮りましたが脳の異常は発見されませんでした。

そのほかストレス説もありましたが仕事を辞めた後なのでどうも自分には当てはまらないような気がしました。

ただ時々その匂いがする以外は普通の匂いも、味覚も認知できるのでそのままになっていますが昨日大変な事態が起きました。

朝起きてテラスに出た瞬間に何と下水の匂いがしてきて驚いてその場所を突き止めようと努力しましたが見つからずただぼんやりとした下水臭が空間に漂っている感じでした。

家の中に入るとその匂いは止んだので家の中でも感じた焦げるニオイとは違い現実に存在するニオイではないかとも思いましたが家には私しかいなかったので答え合わせが出来ません。

そして最近血圧低下の目的で日課として行っているウオーキングに出掛けようとビルから一歩出た瞬間にこの下水臭に捕まりました。

日曜日の遅めの朝という事もありたくさんの木が植えられ、歩行者天国に変わった我が家の前の通りは人で溢れ路上のテラスではお茶を楽しむ人たちが沢山いて異臭を感じて顔が強張っている人は私以外見つかりませんでした。

そんな事で住宅街からなるべく離れ公園の方に向かえば異臭から逃れられるのではと思いましたがどこまで進んでもわたあめのように下水臭に包まれていてもしかしたら私の今まで感じていた存在しない焦げ臭が下水臭に変化したのではという恐怖を持ちました。

そんな事で恐れながら家に帰り先に帰っていた女房にその話をしたところ街の中は至る所で下水臭がしてこの匂いは現実に存在する臭いである事がわかり少しホッとしました。

そうでなければこれからずっと存在しない下水臭に一日中悩まされる事になるからです。

そんな事で少しホッとして原因の究明にあたる事にしました。

街の場所によってはいつも下水臭のする地域はありましたが私の住む地域ではありません。

その辺りの下水の流れ、量などもわかりませんが多分水量が少ないせいだと思われます。

また下水溝は基本車道の両サイドに設置されており数十メートルおきにグレーチングがあります。

このグレーチングのお陰で急な雨も溢れずにすみますが逆に雨が降らず水量も少ないときに気圧が低いと空気が循環せず地上高さあたりにどんよりとした空気とともに下水臭が混ざり合いそこに止まるようです。

また今まではこのグレーチングが車道にあり直接その上を人は通りませんでしたが全てが歩道になった今では歩道のすぐ下が下水溝のためより匂いの発生源との距離が近くなったためだろうと推測されます。

またもう一つ考えられるのは市内緑化化推進のため緑は多くなりましたがそのための水源が今まで下水にそのまま流し込んでいた雨水の何割かをこれらの散水に利用する必要があり今までの下水の水量が減ってしまい十分な下水道の洗浄が出来ていないのではと推測します。

今日は朝からの雷雨ですが気圧は昨日より高いのか知りませんが雨量が少ないにも関わらず下水の匂いがせずに快適です。

強い雨ではないけれども普通にすでに4時間ほど降り続いているので下水も少しは綺麗にになったものと思われます。

水の少ない国は無闇に緑を増やすのではなく降雨量とのバランスを考え樹木の種類も考える必要があります。

下水をほとんど無駄にしないイスラエルなどはどのような下水処理を行なっているのか知りませんがあのイスラエル産の美味しいデイツは全て下水ベースで育成されていると思うと少し微妙です。

また観光国スペインは天気予報の他にも臭度予報も出してくれるとありがたいです。

例えば臭度 1  不快感

      2  軽い頭痛、吐き気  

      3 観光不可

      4  死亡レベル

何せ映像のみでは匂いは検知出来ません。

しかし昨日のあの臭いの中で平気で談笑しながら食事ができるということは皆相当な耐性があるものと思われます。

ただ昨日の匂いの元は私の想像の産物ではなく現実世界である事が判明し少しホッとしながらこれを書いています。