今日のニュースでスペインではここ10年の間にニニの数が23%から13%に減ったというニュースを見ました。

という事でまずニニとは何かの説明を簡単にしたいと思います。

NIとは接続詞で否定語です。

これが二つ続くとNI+勉強、NI+仕事ということは若者(14歳から25歳まで)が勉強も仕事もしないという状態です。

これをスペインではニニと呼んでいます。

この状態の若者がスペインでは全体の約23%にも達し社会的危機を迎えていました。

それがここ10年ほどの間に半分に減りましした。

この事自体は非常に喜ばしい事ですがこれら全てが労働環境の好転とは言い切れませんが仕事が全くないよりは労働環境が悪くとも何かあった方がマシであるという感じです。

殆どの場合観光産業の盛んなスペインではコロナ以降に客足が戻りまた元の様な平和な生活に戻り始めていますが、この数年の停滞期にこのままではいけないと考える人たちも増え、今までそしてこれからを模索する人が増え始めました。

その中で一つだけこれはと思うものがあったので紹介したいと思います。

それは昔ながらの家内制手工業の継続に自分の将来を賭ける若者の台頭です。

今回話題になったのはバルセロナにあるスペインでただ一つの機械式時計の仕組み、その修理などを学習する学校です。

ここで多くの若者が学びそのうちの学生の一人は自分の曾祖父さんの家業を継ぎたいということを言っていましたがこれは物作り国家日本がこれからも最も重要視しなければいけない課題ではないかと思われます。

私が思うには日本の過去も現在もそして将来もものづくりにあると断言出来ます。

侍の時代から物流、投資で財を成した商人たちは案外たくさんいますが殆どの日本人はこれらが苦手です。

士農工商のように商いというのは日本人の精神構造から見れば一番下に分類されます。

現実には商人が侍を操ってはいましたが人の褌で相撲を取るという行為は日本人精神には受け入れられず現在でもその考え方は脈々と続いており投資家などに対してはやっかみ以外にも蔑む気持ちがあります。

アメリカのように超有名な投資家を神と崇める風潮は日本では生まれることはありません。

その代わりもの作りに関しては尊敬の念を抱くのが日本人です。

そのため全ての分野において究極を目指し世界的に認められた日本の技術が数多く存在します。

ただ残念なことにいくつかのこれらの技術が後継者不足で消滅の危機に瀕しているのが現実です。

今現在の経済的価値観のみで物事を判断するばかりでは今まで培われて来た技術が消滅するのは必然です。

スペインにおけるニニも日本のニニも本質は同じです。

仕事として感動できる対象がないからです。

今回のスペインの時計技術の継承のようにものづくりの国日本にはもっと沢山の消えゆく技術があるのではないかと心配しています。

取り返しがつかなくなる前に日本政府はなんらかのアクションを起こす必要があるのではないかと思いこれを書きました。