つい最近日本のニュースで中国産うなぎを国産と偽っていた業者が摘発されましたがその前には松茸、アサリ、ハマグリ、鳴門わかめなどありとあらゆる分野での産地偽造が行われています。

国産と謳うだけで商品価値が上がるのであれば製造価格がこれだけ抑えられている現在、原価上昇分を産地偽装で抑え、それで相殺できれば何とかビジネスが成り立つのではという弱小店舗の最後の足掻きに見えます。

国産品と謳う事によりそれだけで付加価値がつく事自体は日本人が日本の商品、それを扱う日本人に信頼を寄せているという事で悪い事ではありませんがそれを悪用するビジネスが出てきた事が問題です。

こうなると誰も信用出来ません。

信用できるのは自分の味覚のみです。

ただこれらの偽装品が摘発されたのは味覚によるものではありません。

ほとんど誰もが味による違いを見分けた訳ではありません。

そうであるならばなぜ国産品が高いのかの理由が説明できませんが考えられるのは国産品は安全だと思う盲信しかありません。

という事で安全検査を実施すれば良いのですがその検査自体が信用されない現実では何もせずに国産と謳うのが一番コストパフォーマンスが良くなりこの産地偽装が横行しているものと思われます。

今から30年ほど前バルセロナのサグラダファミリア教会が有名になり始めすぐ隣の角にあるバルに観光客が大勢訪れ始めました。

今まで地元の地域住民が利用するバルが観光客で溢れるようになるとスペイン名物の生ハムを出すときに客によりハムの種類を変え始めました。

安いハムを出し高いハムの料金を請求していました。

いわゆる観光地でよく起きるぼったくり商売です。

ある日、日本企業の人を案内してそのバルに入りましたが我々が日本人と見てイベリコハムを頼んだにもかかわらず一番安いハムが出てきました。

私はすでにその頃20年程スペインに住んでおりハムに関しては知り尽くしており、その頃大阪に初めて生ハムを輸出しました。

そんな事もあり出てきたハムを見た瞬間に頼んだものではない事がわかり、ボーイさんに説明を求めましたがゴニョゴニョ言うばかりで説明になりませんがその頃私が外人がほとんど話さないスペイン語を話すことに驚き観念したようで最後までオーナーは出てきませんでしたがどうもオーナーは外国人を見たら安いハムを出せと言う指令を出していたようです。

その後我々には本物のイベリコ豚のハムが出てきましたが会計の時には安いハムの値段でした。

ハムは鰻と違い、見た目、触感、匂い、味でスペインに4箇所ほどあるイベリコハムの産地までわかります。

そんなことを考えているうちにこれは日本の超低価格の飲食業会に問題があるのではと言う結論に至りました。

とにかく日本の食は安すぎます。

明日からその販売価格を2倍にするべきです。

色々な国を見ても日本の値段で今のレベルの食品を提供できる国は地球上に存在しません。

明日からは料金を2倍にしましょう。

それが嫌ならばみんなで自炊をしましょう。

どこかで慣習を断ち切らなければ新生日本は生まれません。

外食がリーズナブルな本来あるべき値段に戻った時にやっと食品偽装は消滅するのではないかと思われます。