経産省:医療ツーリズムで実証事業-診療目的の来日外国人受け入れ

 

 7月27日(ブルームバーグ):経済産業省は、診療目的で来日する外国人を医療機関が受け入れる「医療ツーリズム」の事業化を検討するための実証事業を9月をめどに開始する。日本の強みである高度な技術水準やきめ細かいサービスを生かし、国際的に競争力のある市場に育成したい考え。国内では初めての取り組みという。

  同省サービス産業課の藤本康二課長は22日、ブルームバーグ・ニュースに対し、将来的には医療ツーリズムを「病院経営の改善や医療産業の振興につなげたい」との期待を示した。

  具体的には、国立がんセンター中央病院や東京大学医学部付属病院など都内10病院と協力し、外国人患者の受け入れ医療機関となる「国際医療サービス推進コンソーシアム(仮称)」を組織。中国や台湾などのアジア各国や極東ロシアから来日する外国人を対象に、健診に観光メニューを組み込んだパッケージツアーのほか、遺伝子診断などの高度治療も含めたな医療サービスを提供する。

  一方、旅行代理店や通訳会社などに呼び掛け、「国際医療サービス支援センター(仮称)」を設置し、患者との連絡・調整や通訳、広報などを委託する。同省は対象国や参加医療機関を変えながら、1、2年ほど実証作業を継続し、事業性を見極める方針。

  三菱総合研究所の柴田俊明研究員は、医療機関は地域に及ぼす雇用効果が大きい上、医薬品など関連産業のすそ野も広いと指摘、「医療を産業としてとらえる発想は重要だ」と述べた。半面、医療ツーリズムについては産業としての規模が未知数であるほか、医療機関の体制整備といった課題をクリアする必要があるとの見方を示した。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 小坂紀彦 Norihiko Kosaka nkosaka1@bloomberg.net
更新日時 : 2009/07/27 10:09 JST