昨年退職されてしまいましたが、熊本中央病院 院長をしていた岩永先生という方がいらっしゃいます。私がお会いした院長の中で、一番強烈に印象に残っていて、かつ病院経営の哲学を確立している方でした。


先日、先生の経営哲学が詰まった本、「志なき医療者は去れ!」 が出版されました。岩永語録も記載されています。興味のある方はどうぞ!


さて、何度が岩永先生とお会いして、お話をする機会がありました。そのときに心に残ったいくつかのフレーズを紹介します。


「病院はオフェンスの診療科とディフェンスの診療科で成り立っている」

⇒稼ぎ頭の診療科でも、それをサポートするような採算性の低い診療科がなければ成り立たない。病院は診療科ごとに経営を見るのではなく、組織全体で経営を判断する必要がある。


「病院は経営ではない、運営だ」

⇒経営者の責任の一つである「値決め」は、病院経営者に対して存在しない。診療報酬上で画一的に決められているからである。だから病院経営は一般の経営よりリスクが低い。


「患者様なんて絶対言うな」

⇒サービス業では、お客様は神様というが、医療では医師と患者が対等に病気に立ち向かう必要がある。患者様の関係はおかしい。


こんな感じのフレーズがひっきりなしに出てきます。すぐに納得するものもあれば、納得できないこともあります。例えば、確かに診療報酬上で値段は決まっていますが、今後は経営者が値段を判断しなければならないことも多くなると思います。自由診療で海外からの患者も来るでしょうし、個室希望者が増え室料差額の適正な値段も決める判断が必要になるからです。


ただ、最良の医療サービスを提供し続ける経営哲学は感嘆します。医者としての経営(運営)を考えつくし、その考えを貫いた人なんだと思います。