今回は中国の病院事情について述べたいと思います。私事ですが、医療経営コンサルタントが本職で、その中でも専門は病院の経営改善と海外医療です。


もう8年も前になりますが、中国(北京)に留学していた経験があります。当時は学生で、まさか医療経営コンサルになるとは思ってはいなかったのですが、当時の中国病院事情はとても印象に残っています。


当時、中国の大学にも外国人留学生が増えてきた時期で、大学側も外国人の対応に四苦八苦していた時期でした。留学生が病気になった時は、もちろん病院に行くのですが、外国の民間医療保険が使える病院は少なく通院するのに苦労したことを覚えています。


特に印象に残っているのは、病院設備の豪華さです。日本の病院より「綺麗だなぁ」って感じたのを覚えています。もうひとつ印象に残っているのが、病院間の格差です。たまたま、通院した病院の近くに現地の人が通う病院があったので覗いてみたのですが、こちらは人がごった返し、施設も老朽化しており、外国人が通う病院とは随分サービスが違うことにカルチャーショックを受けました。


さて、思い出はこの辺にして、現在の中国は成長率7%程度を確保し、GDPは日本に次ぎ世界第3位の大国に成長しました。では、医療制度はどうかというと、やっと改革に手をつけたという感じです。中国の医療保険加入者は全国平均で60%程度ですが、都市部・農村部に格差があり、省・県などの地域によるバラツキも大きいようです。


また、現制度の医療保険では基本的に被保険者が加入した地域の医療機関のみの利用に限られており、経済成長で国内の人口移動が活発になっている中国では大きなも問題となっています。


では、中国の病院サービスはどうなのか。職業柄、中国の病院経営者に病院サービスについて相談を持ちかけられることがあるのですが、中国の病院経営者が一応に気にすることは、人材育成や病院運営などソフト面より、病院の外観と内装などのハード面についてです。


現在の中国病院事情は日本の20~30年前の病院事情によく似ていると思います。当時は診療報酬が手厚く、病院経営も安定的でした。今のように病院が倒産したいう話は聞かなかったと思います。また、病床も病院の思いのまま増床することができ、病院乱立と巨大化が目立ちました。


中国でも、病院の絶対数の少なさから需要と供給のバランスで、ある程度のレベルの病院を建てれば患者が押し寄せてくるという状態です(特に地方都市!)。そう考えると、中国の病院経営者が時間がかかるソフト面の充実より、資金さえあれば解決するハード面に関心があるのは当然だと思います。


しかし、いまのような状態が続くはずがありません。中国もいずれは日本が辿ってきたようにソフト面の充実に力を入れる時がくると思います。1年くらい前に中国は外資による病院経営を奨励し、合弁の場合は、外資が70%の株を保有することを認めました。中国国内における病院の充実もありますが、ソフト面のノウハウを吸収しようとする意気込みも感じられます。


ここに日本の医療法人も海外に進出し、外貨を獲得するチャンスがあると思います。


今回はこの辺で~。病院の海外進出については、随時、記載していきたいと思います。

お楽しみに~

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参考: 「アジアの医療保障制度」東京大学出版会