「靖国神社への参拝について」 | 武藤貴也オフィシャルブログ「私には、守りたい日本がある。」Powered by Ameba

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国家主権、国家の尊厳と誇りを取り戻す挑戦!品格と優しさ、初志貫徹の気概を持って(滋賀四区衆議院議員武藤貴也のブログ)

 8月15日、私は靖国神社への参拝を行った。日本の政治家として、我が国に対して尊い命を捧げた方々に追悼の誠を捧げることは当然だと考えているからだ。しかし今回、安倍総理は参拝を見送り、自民党総裁として私費で玉串料を奉納した。私個人としては非常に残念に思ったが、冷静に、このことについて少し私見を述べてみたい。

 安倍総理は以前、第1次安倍内閣の時靖国参拝を見送ったことについて「痛恨の極みだ」と述べていた。このことからすると安倍総理は靖国参拝を行いたかったに違いない。ではなぜ靖国参拝を行わなかったのか、理由は三つに集約されるように思われる。

 一つは、もちろん中国・韓国に対する配慮である。以前小泉政権下において、総理が靖国参拝を行ったところ、中韓はそれを理由に日本を責め、日本と中韓の関係は冷え切った。その後、政権をを引き継いだ第一次安倍内閣が参拝を見送ったのも、この関係を改善するためだった。

 二つ目は、アメリカに対する配慮である。尖閣諸島などをめぐり関係が悪化している日中の関係がこれ以上悪化して欲しくないと考えるのは、おそらくアメリカであろう。仮に両国が局地的にでも武力衝突でも起こせば、アメリカは沖縄の米軍も含め関わらざるを得ない。大国化する中国と同盟関係を結ぶ日本にはさまれ面倒な選択を避けるために、安倍内閣に参拝を見送るようメッセージを送ったであろうことは容易に想像がつく。

 そして三つ目は、保守政治を取り戻すための政権基盤の強化である。現在、保守派の「現実主義者」の中では、経済が回復するまでは中韓やマスコミからの批判をなるべく避けるべきだとする考えがある。というのも国民の最も大きな関心事は景気の回復であり、景気さえ回復し、個人の生活が豊かになれば、靖国参拝を行おうと、憲法を改正しようと支持率が下がることは無いだろうという考えがあるからだ。

 安倍政権を支えているのは、靖国参拝を求める保守勢力である。安倍総理もそうした支持者の思いは十分に分かっているに違い無い。確かに無理をして今だけ靖国参拝をすれば良いというものではないし、憲法も今だけ変えれば良いというものではない。未来永劫堂々と靖国参拝できる環境を整えることこそ重要である。憲法も、政権が変わるたびにころころ変えるのではなく、納得した上でしっかりと未来永劫続く憲法を制定することが必要だ。

 安倍総理が今回靖国参拝を行ってマスコミに批判されようと、もちろん私は安倍総理を支持しようと考えていたが、先に述べた理由で、今回は「参拝しない」という選択肢をとっても支持しようと思う。現段階で安倍総理が参拝しなかったことを批判して安倍政権が倒れてしまっては、それこそ大きな目的を果たせなくなってしまうことになりかねないからである。

 ただその分、今後安倍政権に寄せられる保守派からの期待は更に大きいものとなろう。