話は変わります。
本年2月の衆院選で戦後初めて自民党単独で三分の二以上の議席を獲得して圧勝した高市一強政権も、高市陣営がかかわったとされる中傷動画とサナエトークンの疑惑が相次いで噴出し、ここにきて足元が揺らぎ始めてきております。
本年4月29日に週刊文春が高市陣営による中傷動画疑惑をスクープし、その後、毎週に渡って続報を掲載、共同通信も後追いを始め、今や各メディアが一斉に報じ、国会でも野党の追及が続けられております。その概要はこうです。
高市陣営は、昨年10月の自民党総裁選と本年2月の衆院選において対立候補を誹謗中傷する動画を作成し、SNS上で拡散していた疑いがあるという。
総裁選で苦戦していた高市陣営はSNS対策の専門家松井健という人物に接触した。
その窓口となったのは高市首相の公設第一秘書であり、奈良の高市早苗事務所の所長木下剛志であります。
「力を貸してほしい」と要請した秘書の木下に対し松井は「対立候補のネガティブ動画を流せば苦戦を逆転させられる」として小泉進次郎と林芳正の中傷動画、そして高市のポジティブ動画を作る事を持ち掛け、それを一気に拡散させたという。
結果として、高市は総裁選に逆転勝利した。
総裁選後、秘書の木下は「今までいろんなところにネット対策を頼んできたけど、松井さんがダントツですわ。また次もよろしく頼みます」と深い謝意を述べたといいます。
そして、本年2月の衆院選でも秘書の木下に依頼された松井は旧立憲民主党所属の大物議員らをターゲットとしたネガティブキャンペーン工作に及んだといいます。
かくして、自民党は先の衆院選で圧勝するに至ったのでした。
この時秘書の木下は松井に対し「この度も大変お世話になり心より感謝申し上げます。自民党過去最高の議席数を賜わり、旧立憲民主党の害獣をたくさん駆除する事ができました」と耳を疑うようなメッセージを送っているのです。
実際、衆院選後の日経新聞の調査でも高市陣営寄りの候補には好意的な動画が、一方、対立陣営の候補には批判的な動画ばかりが集中して拡散していた事が明らかになっております。
この客観的な調査データを見ても、中傷動画によるネガティブキャンペーンが衆院選の結果にゆがみをもたらした事が強くうかがわれます。
もし高市陣営の中傷動画疑惑が事実であれば、不正な世論誘導によって権力をつかんだともいえ、高市政権の正統性に大いなる疑問符がつく重大問題であります。
現在開かれている国会において、野党はこれらの中傷動画疑惑を追及しておりますが、それに対する高市首相の答弁はあまりにひどく、国民をなめきったものであります。
当初高市首相は「他の候補のネガティブ動画作成は一切していない」「私も秘書も松井という人とは面識がない」「週刊誌ではなく秘書を信じる」などと自信満々に全面否定してみせました。
https://youtu.be/odx6e1Eu5mQ?si=11HG3ZKloJNc8A07
あるいは色をなして「私は秘書に『疑うんですか』と怒られたんですよ」とまで言ってのけた。
ところが、週刊文春によって秘書の木下と松井が裏でつながっていたオンライン会議の音声データが公開されたとたん高市首相の態度は一変しました。
野党から音声の確認を求められると「徹夜で答弁準備をしていて時間がなかった」「有料会員になる方法がわからない」などと中学生の言い訳のような屁理屈を並べて頑なに音声を聞く事から逃げ続けたのです。
https://youtu.be/djexsgX9CJs?si=xH6WSvk_1kIShPsV
いよいよ逃げられなくなって音声を聞かざるを得なくなると今度は「かなり高い声でハキハキ喋っていたので違和感がある」「本人かどうかの判断は困難だ」と国民のだれもがあきれるようなごまかしを弄し、秘書の木下が松井とのつながりを認めた週刊現代の報道は「事実と違う」とまで言い切ったのです。
https://youtu.be/EdgXZz9Umlo?si=OTrVb5VUhY-Nxbya
しかし、実はかねてよりサナエトークンの疑惑を追っていた週刊現代に対し、秘書の木下は松井とのつながりを自ら認める回答書を送っていたのであります。
週刊現代によってこの動かぬ物的証拠が公開されると、ついに高市首相は「改めて確認したところ、事務所から回答した内容だった」として自身の国会答弁の訂正に追い込まれました。
さらに、声紋鑑定で「秘書本人と推定される」という結果が出てもなお「可能性は否定しないが『男性松井については記憶はなく、面識がない人』という認識だと報告を受けている」と詭弁に満ちた言い訳を続けたのです。
この往生際の悪さ、質問者を小ばかにしたような答弁は全国民を愚弄しているとしか言いようがない。
不誠実でその場しのぎの虚言を弄する高市首相の人間性がここに浮き彫りになっております。

