それにつけても、高市首相の危機意識の薄さには言葉を失うものであります。
アメリカとイスラエルによるイランへの軍事攻撃が開始された2月28日、高市首相はその情報を得ながらも石川県知事選における現職候補馳浩の応援演説に赴いた。
中東情勢の緊迫が日本にも深刻な事態を及ぼし得る状況であれば、一国の首相として直ちに官邸で危機対応に当たるべきでありました。
しかるに、高市首相は国家の危機対応より政権基盤強化のため、自民党の党務である地方選挙の応援を優先した。これだけでも首相失格であります。
また、中東情勢が日本経済及び国民生活に与える状況を政府は極めて軽視していると言わざるを得ません。
原油価格の高騰は日本の貿易収支を悪化させ、さらなる円安とインフレをもたらし、企業倒産の増加やスタグフレーションなど日本経済と国民生活に重くのしかかる。
取り分け、ナフサの供給不安はかつてない深刻な影響をもたらす恐れがあります。
ナフサとは原油を熱して蒸留する過程で生まれる粗製ガソリンの事であり、プラスチック・合成ゴム・合成繊維といった現代社会を支える石油化学製品の原料であります。
もしナフサがなくなれば、食品の容器や包装材が作れず、スーパーの棚から包装食品が消え、ペットボトルも製造できなくなる。
自動車や家電も作れず、工場は操業停止に追い込まれる。
建設業界では資材や塗料が底を尽けばあらゆる工事が止まる。
最も深刻なのは医療現場であり、使い捨ての注射器や点滴チューブがなくなれば患者の命にも及び、医療崩壊もあり得るのであります。
日本はこのナフサの約8割を中東からの輸入に依存しており、非中東地域からの調達も不透明な状況で、もしホルムズ海峡が封鎖され続ければ供給は大幅に減少もしくは途絶する可能性が高い。
石油は相当量の備蓄がある一方、ナフサの備蓄は極めて限られている。
もし長期間の供給減少や途絶が続けば、日本のあらゆる産業はあっという間に深刻な打撃を受けて、日本経済は戦後最大級の危機に陥り、また、凄まじい物価高と物不足が国民生活を襲う事は疑いない。
このナフサショックはすでに起こり始めている脅威でありながら、政府はナフサの供給について「日本全体として必要量は確保できている」「流通の目詰まり」などと繰り返すばかりで、実際の現場の実態とは大きな乖離があります。
米国防総省は4月21日の非公式会合で「ホルムズ海峡の機雷除去には最大6か月を要する可能性がある」事を述べており、しかもその作業は戦争が終結するまで開始されない見通しである事を伝えております。
また、世界最大級の素材化学企業のダウ社のCEOであるジム・フィッタリング氏は「仮に今日ホルムズ海峡が開放されたとしても、物流の詰まりを解消するだけで9か月、今となってはそれ以上の時間がかかるだろう」と4月23日のCLBCのインタビューで語っている。
当然戦争が長引けば、それ以上にホルムズ海峡の混乱が続く事になる。
また、ホルムズ海峡の事実上の封鎖が続けば、世界の肥料貿易の約3割が滞る恐れがある。
世界的に肥料や燃料の高騰で食糧難を招く可能性が指摘されている。
国連は最大で4,500万人が新たに飢餓状態に陥る可能性があると警告を鳴らしております。
大聖人様は
「水すくなくなれば池さはがしく、風吹けば大海おだやかならず」
と仰せでありますが、今後石油と食糧を求めての凄まじい争奪戦が世界各国の間で繰り広げられれば、その争いが一閻浮提の大闘諍につながるのであります。
日本国内においても、人々が目を血走らせて物を奪い合い、犯罪が多発するような社会となる。
こうした深刻な事態に陥る可能性が高まっている中で、高市首相はトランプ大統領への忖度からか親日国であるイランから複数回に渡って「日本関連の船舶の通行を認める用意がある」と個別交渉の打診を受けながらも「全ての国のタンカーの安全確保を求める」との原則論に終始し、イランの打診を積極的に生かそうとしてこなかった。
安倍政権を支え、エネルギー政策に精通した今井尚也内閣官房参与がアメリカのイラン攻撃の直後にテヘランへの特使派遣を進言したものの、高市首相は受け入れなかったという。
今や今井尚也との溝は修復し難いものとなり、各省庁から派遣された優秀な秘書官達も高市首相を支える気がなくなっていると報じられております。
エネルギーの90%以上を中東に依存する日本の特殊な事情を踏まえれば、トランプ大統領にべったりで対米従属一辺倒の硬直化した外交姿勢は日本にとって命取りになりかねない。
「バカな大将敵より怖い」という名言がありますが、高市首相の舵取りは極めて危ういものと言わざるを得ません。
このような状況の中にあって、高市首相の軽佻浮薄な言動はおよそ理解に苦しむものであります。
マクロン大統領との首脳会談後の報道記者会見の場で、人気アニメの必殺技「かめはめ波」のポーズをとった。
また、高市首相が長年のファンを公言しているイギリスのハードロックバンド「ディープ・パープル」のメンバー5人を官邸に招き、中でも憧れのドラマーに「あなたは私の神です」と興奮気味に伝えた。
周囲の者に「もうこれでいつ総理をやめてもいい」と漏らしたというが「ならば早く辞めろ」と言いたい(大爆笑)。
さらに、自民党大会ではミュージシャンの世良公則がサプライズゲストとして登場し、自身のヒット曲のサビの部分を「早苗」に変えて熱唱、高市首相はニコニコしながら手を上げて喜んでいた。
また、高市首相の肉声が流れるアクリルスタンドやボールペンなどの早苗グッズを抽選品として用意し、等身大のフォトパネルを複数箇所に設置してはファンサービスのような事を行った。
この勘違いを見ては、見ている方が痛々しい気持ちになってまいります。
国民が物価高や供給不安に苦悩している最中に浮世離れしたパフォーマンスに興ずる姿はまともな政治家ではない。「酔えるが如く、狂えるが如し」の亡国の政治家であります。
高市首相は国民の生活など眼中に置かず、スパイ防止法の制定を急ぎ、国民監視につながる恐れがある国家情報会議設置法案を可決させ、さらには、防衛装備移転三原則を見直して殺傷能力のある武器の輸出を容認する改定を閣議決定で決めてしまった。
衆議院での圧倒的議席を背景に、国会での十分な議論や国民への説明を軽視したまま、アメリカの国家安全保障戦略に則り、第一列島線で一時的に責任を持つ前線国家として戦えるよう突き進んでおります。
方や、日本会議・神社本庁と心を合わせて日本を神の国にしようとしている。これらは愚かの極みであります。