久しぶりの御書講義であります。
御書というのは有難いものですね。大聖人様が「このように信心していきなさい」と直接私達に信心の御指南を下された。御在世の弟子檀那を代表といたしまして一切衆生に御指導下された。
ですから、御本仏直々の御指導でありまするから、その一文一句を我が身に当てはめて『有難い』とのこの一念でもって命に染めて下さい。
ことに、今広宣流布前夜に御遺命成就に戦う顕正会員は「御在世は今にあり」とのこの気持ちでもって御書を心肝に染めてほしいと思っております。
本日は、池上兄弟に下された御書であります。
池上兄弟に下された御書は数多くありますけれども、この『兄弟抄』はその代表的な御書ですね。非常に大事な事が説かれております。
まず、池上兄弟とその父の名前でありまするが、池上兄弟の兄を右衛門大夫宗仲と申します。
御大会式の時に私は必ず「弘安5年10月13日武州池上宗仲の館において」と申しまするが、その池上宗仲の館がお兄さんのお家だったという事であります。
そして、弟は兵衛志宗長、父親を左衛門大夫康光と申します。
で大聖人様の立宗は建長5年でしょう。それから3年後の建長8年に池上兄弟のお兄さんが入信したんです。
という事は、大聖人門下の長老と言われる六老僧の一人の日昭という人がいました。
その日昭という人が池上兄弟の叔父さんに当たるんですね。その縁でもって大聖人様の信心に入ったという事であります。
ですから、この池上兄弟というのは大聖人の御門下の多くの弟子の中で最古参ですね。四条金吾殿と並ぶほどの最古参であります。
池上兄弟のお兄さんは恐らく入信の時に20代(今の男子部と同じような年代でありまするが)、そして、そのお兄さんの勧めでもって弟の宗長殿も入信したと思われる。
で兄弟二人でもって入信以来一度も退転なく一筋に大聖人様を信じまいらせたという事であります。
でこの一族の住んでいる所が(東京都の大田区に洗足池という所がありまするが、今は非常に小さくなりましたが昔は広大な池だったんですね)その洗足池の北の上に住んでおったから「池上」という。
現在もその「池上」という地名が残っておりまするが、その地名を取って「池上殿」と呼ばれてきたわけであります。
でこの池上家は藤原家の流れをくむなかなかの名門でしてね、お父さんは幕府の作事奉行(建設関係の責任者)をやっておった。
この「作事奉行」とは今でいえば建設大臣みたいなもので、相当な重職にあった人、名門であります。
ところが、この父親が日蓮大聖人を深く怨嫉するあの良観房に深く帰依しておったという事なのです。
そして、池上兄弟が建長8年に入信して以来、何と20年後にお兄さんが父親から勘当されてしまったんですね。
「信心を止めなければ勘当する」という事を言った。
その当時の勘当というのはどういう事かといえば、池上宗仲殿にとって妻子眷属があるんですから勘当されるという事は自分の生活の道を絶たれる事、命に及ぶ事だった。
「信心を止めなければ勘当する」という事は大変な事でありまするが、この裏に、良観の策謀があったという事なのであります。
この勘当の時に大聖人様が大慈大悲の御指導を下された。
この大聖人様の強き御指導によって池上兄弟はその難を乗り越えたわけでありまするが、その時下された御書が『兄弟抄』であります。
平成17年 3月4日 『兄弟抄』御書講義
- 説明
- 池上兄弟が父親から受けた勘当
- 門下に起きてきた様々な大難
- 法華経は三大秘法を含む経
- 魔の働きは変幻自在
- 宿業はかり難し
- 魔障を乗り越えた所に宿命転換がある
- 強き信心に立ち宿命転換を遂げよ
- 日本国が受けた大罰の姿
- 肚を決めきった信心に立て
- 隠士と烈士の故事
- 行解既に勤めぬれば、三障四魔紛然として競い起こる
- 逆縁の壁は必ず乗り越えられる


