さいに、そのようなくにじゅう反対はんたいする中において、西山殿にしやまどのが、いかなる宿しゅくえんだいしょうにんさまを心から信じまいらせ、健気けなげにお守り申し上げてる。ようをしてるこの信心しんじんごころたたえられたもんさいにあります。
 それが、只今ただいま拝読はいどくした一節いっせつであります。

 「すり須梨はむどく槃特さんねんじゅうよんそらにせざりしかどもほとけになりぬ」と。

 須梨すり槃特はんどくというのは物覚ものおぼえのわる代名だいめいのようにわれておりまするが、しゃくそん弟子でしの中でもって一番あたまわるかったんですね。
 で、しゃくそんはそれをびんに思われて「むずかしいことは覚えんでもいい。あたまわるいなら。これだけ一つ覚えなさい」とって14文字もじ一節いっせつおしえた。
 ところが、その14文字もじであってもかえかえし覚えようとするんだけれども初めを覚えると後をわすれちゃう。後を覚えると前をわすれちゃう。結局全部わすれちゃうわけだ(笑)。
 そして、3年間やってもそらんずることができなかったっていうんですね。
 しかし、信心しんじんだけはまことにじゅんすいで心がきれいであった。
 ついに、きょう説法せっぽうの座にいたってしゃくそん須梨すり槃特はんどくは未来においてみょう如来にょらいという名前の仏となることができるんだ」というじょうぶつべつ(すなわちしょう)をあたえたということなのであります。


平成22年 2月14日 浅井先生指導