次に『立正りっしょう安国論あんこくろん』のげん的中てきちゅうの事。
 だい聖人しょうにんさまは当時ほんこくに打ち続く天変地夭・だいきん大疫病だいやくびょうを御覧になって「これ国侵逼こくしんぴつの予兆なり。前相なり」とこう判じ給い、もしなおも邪法に執着して三大秘法を立てなければ、必ず国侵逼こくしんぴつの大難を受けることを厳然と予言され、国主こくしゅを諌暁し給うたのであります。
 だが、にっぽんは四方を海で囲まれている。一体どの国が海を渡って攻めてくるものか。
 そのようなおもいからこのげんを信ずる者は当時のほんで一人もいなかった。
 ところが、その14年後にユーラシア大陸を征服しただいもうこくがその圧倒的あっとうてき兵力へいりょくをもって海を渡って二度もおそってきたのです。
 凡夫の誰人にこのげんましょうか。
 だい聖人しょうにんさまげんは海外情報などを集めての推測ではないですね。
 実に、仏法ぶっぽうの大道理にもとづくもの、そして、仏法ぶっぽうを守護する諸天しょてんに申し付ける絶大ぜつだいとくをもってのげんであるからたがことがないんですね。だい聖人しょうにんさまの申し付けによって諸天しょてんが動く。
 ゆえに、そのげん絶対ぜったいに外れることがないんです。
 このことは、条殿じょうどのくだされた次のもんを拝すればよーく分かります。

 「法華ほけきょうかたきとなりしひとをば、ぼんてんたいしゃくにちがつてんばったまいて、皆人みなひと見懲みこりさせたまへともうしつけてそうろう
 日蓮にちれん法華ほけきょうぎょうじゃにてあるなしはれにてらんあるべし。
 ない、あへてにくみてはもうさず、だいだいちからげんごくだいこんじょうさしめんとなり」

おおせであります。こういうことでしょう。
 法華経のかたきとなっている者、すなわち、だい聖人しょうにんさま敵対てきたいする人々をぼんてんたいしゃくにちがつてん等の諸天しょてんは罰せよとだい聖人しょうにんさまが申し付けておられるんです。
 「だい聖人しょうにんさまに背き、本尊ほんぞんを誹謗するということがどういう罪障になるか」これをりさせるために大罰を諸天しょてんに申し付けられたんです。その大罰が国侵逼こくしんぴつであります。
 さらに「このことは憎んで言うのではない。人々にかいの心を起こさせて、死後のげんごくだいを今生のうちに消滅しょうめつさせるだいだいなのである」とおおせられる。
 死後のだいは凡夫では分からないけれども、そのだいに比べたらば、今生において蒙古襲来の罰を眼前にして、もしかいして後生のだいを逃れたらこんな有難ありがたことはないでしょう。
 だい聖人しょうにんさまの徹底した大慈悲がこの中に含まれているのであります。
 まさに『立正りっしょう安国論あんこくろん』の予言的中てきちゅうこそだい聖人しょうにんさま諸天しょてんに申し付ける絶大ぜつだいとくと、ほんこくの一切衆生の後生のだいを救い給うだいだいなのであります。
 この絶大ぜつだいとくだいだい日蓮にちれんだい聖人しょうにんこそまさしく末法下種の本仏ほんぶつであられる。


令和4年 5月24日 5月度 総幹部会 浅井先生指導

令和4年 5月26日 5月度 男子部班長会 浅井総男子部長指導