2023年7月30日日曜日 12時からの千穐楽公演を観劇しました。日本青年館ホールにて。



こういう画像はNGな舞台は多いのですが、シュレックは休憩時間と、カーテンコールの画像撮影OK&SNSアップ推奨でした!!




最高気温36℃か37℃か、とにかく猛暑日でした。連続6日目だったか。だいぶ猛暑にも慣れた?!いや慣れません。ビームのような熱い紫外線が怖い!!

そんな中、日傘をさして、バッグには塩タブレット、水筒に麦茶を詰めて。腕カバーして、銀座線外苑前から劇場まで、日陰を探しつつ歩きました。

こんな暑い昼間に出掛けるなんてと、家族は呆れていますが、いやいやいや舞台に出てる人がいるんだから。

モフモフの衣装や、頭からすっぽり被り物して、歌って踊ってる人たちがいるんだから!!


バッチリメイクに、手袋まではめて。または全身黒タイツで、ドラゴンの大きな頭や羽を高く掲げて動くという、ものすごい四身一体の渾身パフォーマンスもあるし。


ただの着ぐるみショーではない、本格的ミュージカル。かわいいけど、絶対に暖かそうな衣装を身につけたキャストの皆さん。涼しげなおかつ弾ける笑顔で、全力で歌って踊って。


私は観るだけなのに、暑いから行かれないなんて。あり得ない!楽しむと言うか、応援に行かなくちゃ!!

そんな気持ちを正直に言わずに、駅まで送ってくれた夫に、

「そうだよねー!こんなに暑くなるなんてね、本当にすみません。気をつけて行ってきますね」

ありがとうありがとうと感謝を伝え、低姿勢で家を後にしました。夫は、帰りも駅まで迎えに来てくれました。感謝。



趣味活なので基本自力だろうと思い、私から送迎頼むことは遠慮するのですが、夫に、結構心配掛けているようです。


暑さに負けないように、開演前に会場のカフェでしっかり腹ごしらえ。


スタジアム・カフェさん。ご馳走様でした!!




日本青年館に入ったら正面にあります。見える範囲だと、座席が少ないように思いましたが、奥に、少し階段で降りていく席もありました。


隣にはファミマ。至れり尽くせりのホール!ホテルもついているからか。いつか泊まりがけで、昼夜2回観たい。


中に入ると自販機もない劇場もあるので、警戒して途中で買って行きましたが、持ち帰ることになりました。


ギリギリで、モーニングの時間間に合いました。目玉焼きは2個。すごいボリューミーで美味しかった🍳




やっと本題へ!この日は配信もありましたが、権利的にアーカイブがなく。配信は、やはり別物なので両方観たかったです。



昨年、トライアル公演では初日配信で千穐楽観劇したので、同じパターンかと思いきや!残念でした。



昨年あまり感じなかった、今回のフルバージョン公演観劇後にジワジワと感動が続きました。トライアル公演はただただ楽しかったのですが。


自分用に、トライアウト公演の観劇記録を貼りましたダウン





まず、シュレックを観て思い出した、数々の名作が脳内をグルグル。


『おしん』


オープニング、7歳になった幼いシュレックは、両親に、「夢は持つな」「友達なんかできない」

と教えられて、しきたりに乗っ取り森に置き去りにされ、いきなり泣けてしまうのですが。


トライアル公演では、シュレックの両親の悲しみを感じましたが、今回はあまり感じなかった。それは何故だろうと自問していました。


オーガである両親も、きっと敵から身を隠しながらの子育てに、疲れ切っていたのではないかと思いました。


思い出したのは、泉ピン子さん(が演じるおしんの母、役名失念しました)。


かわいい娘おしんを、奉公に出さないと生活ができない極貧で、抗う事はできない。でも、辛い。


ピン子さん演じるおしんの母は、無理とわかっていても、小舟に乗り売られていくまだ幼い娘を追って、冷たい川に思わず飛び込みましたが。


連れ戻す!とはきっと思っていない。名場面を思い出しながら、今になって思うのです。涙なくしては見れない、悲しいシーン。


トライアル公演では、親の辛さメインに感じたけど、本公演では諦めと肩の荷が降りたような、ほっとした感覚の方が強く感じられました。


若い方には伝わりにくい?NHK、おしん で検索していただけたら!


ここまで育てたら、あとはどうなってもあの子の人生、仕方ない。


自分たちも、ものすごく苦労をしてきたのだから。そして、自分たちも生きるのに必死なのだから。


シュレック両親の、そんな思いを感じました。


フィオナ姫との不幸対決は、シュレックの圧倒的な勝利と思います。悲しい勝利です。


『グレイテスト・ショーマン』


フリークスたちがショーを成功させる物語、大好きなミュージカルです!


先日、ラジオでアライブ、サバイブの違いを解説された方がいらっしゃいました。


ハンディキャップがある方でも楽しめるスポーツを作り出すという話題から。澤田智洋さんのトークより。

https://twitter.com/sawadayuru?s=21&t=FzfRauKIGuJkaG1lVLvLOw



ただ生きる、死んでいないという状態を表すsurviveに対して、生き生きと活動して生きる状態を表す、alive。


Come Alive が大好きです!!



閉じ込められていたフリークスたちが、綺麗な衣装を纏って初めてステージに立った。その時に流れる楽曲です。


好奇の視線が、次第に笑顔と称賛に変わり、フリークスたちの心からの笑顔と、恐らく初めてのアライブ体験に歓喜した。


1番興奮して泣いたシーンでした。


おとぎの国のキャラクターたちは、人間とは違う。でも生きている。違いを認めて生かし合う。大人でも難しい、この人生のテーマを、子供向けミュージカルに折り込んだ。


とても素敵な事だと思います!!


グレショーは、子供向けではないから。子供たちは、これからシュレックで楽しく学んでもらえる!何だかとても嬉しくなりました。


『アルプスの少女ハイジ』


こちらも、観劇後脳内に浮かんできました。カルピ○こども名作劇場。ご存知でしょうか?


野生児ハイジのため、お爺さん手作りの、大きな木の枝にロープで結んで作った、オープニングで現れるブランコ。憧れました!


自然の中で遊んで、山羊を追いかけて乳搾りをして、チーズを作って焚き火でトロリと溶かし、パンに乗せて。お爺さんと舌鼓を打っているシーン。


硬い黒パンでも、ハイジにとっては最高に美味しいのです。


お爺さん手作りの、藁のベッドが超お気に入りのハイジ。フカフカなベッドより、藁の香りのするベッドが好き。


50年くらい経っていても、名場面が鮮やかに蘇ります。


そんなハイジが可愛くて仕方ないお爺さんが、将来のためと、ハイジが都会に連れて行かれる事を了承しますが。


コンクリートに囲まれた個室で、綺麗な服を与えられ、マナーを徹底的に叩き込まれて、教育を受けさせられて。ハイジはとうとう病気になる。


お爺さんのアルプスの山小屋に送り返され、ハイジはまた元気になるのですが。



シュレックに、清潔な家を与えて、花を飾った食卓で、豪華な食事を並べても喜ばないし具合悪くなりそうと思いました。綺麗なものが嫌いなんだから。


「綺麗なものが美しいとは限らない」


とシュレックは歌っていました。


フィオナ姫も、知識として綺麗汚いと知っていても、自分の本当の好みを知ろうとしなかった。


臭い沼で、シュレックの泥入りスープを食べたら気づくのかな?何だかそれがとても微笑ましい!


両極端な話ですが、子供なりにも、幸せって人それぞれなんだと伝わったのでは。


シュレックと同じ耳と団子鼻、全身緑になり、その姿を醜いと思い込んでいたフィオナ姫でしたが、シュレックにはむしろとても美しく輝いて見えた。


誰が何と言っても、好きな人がありのままの自分を認めて好きだと言ってくれたら、こんな幸せはありません!



私は、ハイジで色々学んだんだなと気づいたという話でした。また、お若い方には伝わりにくいと思います。


アルプスの少女ハイジ🔍よろしくお願いします。


この対極で、城や権力資産そして、高身長で力強く、美しい姫と結婚することが、最高の幸せと、心から信じているのがファークアード卿でした。


ファークアード卿の小人症は遺伝だとわかる、やはり小さな身体の彼の父親は、妻子を養うため、きっと苦労の連続。


でも、妻や子のためと、ダイヤモンド炭鉱でハイホーハイホーと日々叫びながら、真っ黒になるまで働いてきた、お父さんの気持ちはいつわかるのか???


妻を大切にするあまり、失った。恐らく小さく生まれて心配するあまり、ファークアード卿をうんと甘やかして育ってしまった。


そのせいで、ワガママに育った息子を妻なきあとも養いながら、頑張ってきたお父さん。


身体の7割の筋肉は足にあると言われています。足が育たないハンディキャップは、自重を支えて生きるだけでも大変なはず。


それを、毎日炭鉱で働き妻子を養っていたお父さんに、リスペクトです。ハンディキャップがあまり関係ない、手っ取り早く儲かる仕事だったのでしょう。それにしたって、すごい事だと思います。


ネットで調べたら、スレイグさんが幼い頃あたりの1900年代の初めは、ダイヤモンド炭鉱で資産を築くユダヤ移民が、ニューヨークに多くいらしたとか。


人種差別の上ハンディキャップ。どんなに辛かっただろうと思うのです。


さらに、その肉体を酷使してダイヤモンドを掘って掘って、掘りまくっていたお父さん(すごい妄想スピンオフ作成中)。そんな夫を支えていた奥様も、並大抵の精神力ではありません。



27歳のファークアード卿の、そんな親の苦労も知らず、自らは何も生み出さず、なのに実家で傍若無人な振る舞いをしていて、寡黙な炭鉱夫のお父さんも、とうとう切れたのでしょう。


親だって人間。命を掛けて子を守るという無償の愛情も、限界もあるし個人差もあります。親だからわかります。


パパは、限界まで頑張ったはず。十分です、なのに結婚式に駆けつける。泣けました😂


あの2人の公式スピンオフないですか?!個人的に、とても気になる親子です!!



こんな事を考えながら、今まで過ごしておりました。そして、原作者のウィリアム・スタイグさんのことも気になりwiki見ました。





主演spiさんは本名から、幼い頃ウィリアムくんと呼ばれていたらしく、その事にまず感動。運命も感じました!!


1907-2003の人生の中、映画『シュレック』の原作となった、『みにくいシュレック』を完成させたのは、何と1990年で、スタイグさん83歳の頃。


「シュレック」という、緑の怪物の名前の意味は、ドイツ語で「怯え・恐怖」だそうです。


ドイツのホロコーストや、世界中に存在するえげつない人種差別、そして先の大戦や世界大恐慌などなど全てを体験されているスタイグさんが、書かれたお話。


深いわけです。


ポーランド系ユダヤ人移民の両親の子として、ニューヨークで生まれたスタイグさんは、両親から芸術を学べと言われ続けた。


一般的なアメリカ人として就職して、普通に生きる事が困難だからでしょうか。身を助けるためにという、子を思う気持ちからと思いました。とにかく、スタイグさんは漫画や小説が上手になり、プロとして活躍されます。


幼い頃からきっと沢山の本を読まれて、中でもピノキオがお気に入りだったとか。納得!!


白雪姫の中に7人の小人が登場しますが、小人たちはやはりダイヤモンド炭鉱夫なんですね!ファークアード卿のお父さんのルーツだと思います。




今回の、シュレック・ザ・ミュージカルは、トライアウト公演と同じく、4歳以上18歳以下のお子さんが、既定人数毎回無料で観劇できる事も話題となりました。


泣いたり叫んだり、笑ったりするお子さんの声を聴きながら、24歳22歳の子供たちが幼い頃にやってほしかったなあと思い、羨ましかった笑


観劇叶ったお子さんは、笑いながら、友達ってどういう人か、好きな人ができたらどうするのか、幸せってみんな笑って楽しいってことなのかな、とか。


友達っていいな。仲間って最高だな。いつか、本当に好きな人と出会ったら結婚したいな。


なんて。何を、どんなふうに感じてくれたでしょうか?個人的に、ドラゴンとドンキーのカップルも大好き!!


人生って、大変だけどなかなか尊いのです。


親に、友達はできないよとか、夢なんか見るなって言われても大丈夫、関係ない!


シュレックが、おとぎ話の仲間たちが、身を持ってそれを教えてくれた。



そして、この素敵なステージが、毎年どこかで上演されたらいいですね!アニーやピーターパンと肩を並べて、全国ツアーとかもやれたら良いです。やはり、お子さんには生のシュレックを体験してほしいから。


これを観たお子さんが、ミュージカルに出てみたいと、シュレックやドンキー、フィオナ姫やピノキオになりたいなあとか、思うんじゃないでしょうか?!


いつかドンキーやりたい!とパンフレットにキャストさんのコメント書いてありましたね^ ^


観に行きますから。アンサンブルさんも、他の舞台で独唱されるほどの、すごい実力ある皆様大集合でした。


ご活躍が楽しみ!長生きします!!


未来のミュージカルスターが、シュレックがきっかけで沢山生まれたら嬉しいです。


ミュージカルスターにならなくても、観客の子供たちが、幼い孫を持つ年齢となっても、


「あなたくらいの年に、親が素敵なミュージカルの舞台に連れて行ってくれたよ」


と、50年くらい経っても鮮やかに蘇る、良き思い出となる事は間違いありません!!




子供にも大人気の、シュレックの相棒の喋るロバ。数あるキャラクターの中でも突出してウザいかつ声がいい、国立音大声楽科ご卒業の、ドンキー役吉田純也さんの素晴らしさ!!


音楽担当の方に同級生が沢山いらしたという事で、バンドの方をSNSでご紹介くださって、


1人で沢山の楽器を担当し、あのすごい世界観を音楽で表現するプロの技を生て聴けた贅沢味わいました。


盲目ネズミとフィオナ姫のタップシーン、大興奮でした!お気に入りです。


美しくて、歌がお上手なだけではなく、コメディセンス抜群で、タップシーンはカッコよくて鳥肌モノでした。大阪出身、福田えりさん!また福田さんのフィオナ姫に絶対会いたい!!


振り付けの、20代からご縁のある本間憲一さん。『スター誕生2』では感動ありがとうございました!!


今回裏方さんでしたが、本間さんの華やかさとサービス精神を感じました。またご縁あり、嬉しかったです。



フルバージョン公演は、細かい心理描写が加わり、トライアウト公演に比べて笑うより泣けるシーンが多くなりました。もちろん笑うシーンはパワーアップしていますが!


1幕終わり、号泣で。ドンキーに心開くシュレックの魂こもった歌と、生のギターはじめ数々の楽器の音色。ドンキーの優しい眼差し。


そこに、フィオナ姫の声が重なっていく。


泣かせにかかってる???もうボロボロでした。


spiさんの声と歌は、ぐっと心に刺さってくるのです。シュレックの心情と、開幕までのご苦労や暑い中よくここまで頑張り抜き完走が目の前だという感動とか、2部が終わったらお別れなんだとか、


色々な思いがどっときました。



そして、舞台美術や衣装もすごかった。デュロックのテーマパークを作ってほしいくらい!地上からなくなってほしくない!!





せめて、1年に1度くらいお邪魔させていただきたく。


最後になりましたが、spi さん座長とともに感動くださった沢山のキャストスタッフの皆様。そして、この作品の舞台化に向けて、数々の困難を乗り越えて奔走され作り上げた主催様。


感動ありがとうございました!心より感謝申し上げます。またきっとお会いできますように。再演を、希望しております💚


何より、トライアウト公演からの悲願、カンパニー全員揃っての完走達成!心よりおめでとうございます!


そして、本当にお疲れ様でした🌻真夏の観劇は、私にとりかなりの冒険でしたが、最高の1日になりました。


また、皆さんにお会いできる日まで、元気に生きようと思います!!