今回は、美しい飛行機のお話。
世界一美しい飛行機って? ってなんとなく思ったんですが、これが難しい(笑)。
もちろん、結局は人によって違うんですけど、オレの場合はコレ。

ジャイロフルーク SC-01 スピードカナード。
ドイツ製の2人乗り小型飛行機です。日本では(たぶん唯一)桂文珍さんが持ってて有名だから、ご存知の方もいるでしょうか。
これ、先尾翼っていって、普通のセスナみたいな飛行機の尾翼が前にあるタイプの飛行機です。まずほとんどプロペラが後ろにあって、まあ前後逆のスタイルを持ってます。
戦闘機に詳しい人ならすぐ思い浮かべるのが旧日本軍の戦闘機・震電(試作試験中に終戦)でしょう。

これはこれで実にカッコイイ奴です(^^)。他にも第二次大戦中にはXP-55、リベルラ、MIG-8など試作はされたんですけど、ほとんど実用化はしてません。

先尾翼というと、有名人がいます。バート・ルータンって航空機デザイナーで、バリ・ビゲン、バリ・イージー、ロング・イージー(上)って先尾翼小型機を次々作ってます。だからスピードカナードもルータンがデザインした、と誤解される場合もあるようです。バリ・イージーあたりの影響はバリバリあるでしょうが(笑)。
ルータンはのちに10人乗りビジネス機、ビーチクラフト・スターシップ(の試作型)を作ってて、これは超有名。世界一美しい飛行機でスターシップを上げる人も多いかも。

前翼が後退角ついてたりしてカッコイイ!でも、いまいち胴体がぼてっと感があって…(笑)。
そもそも、このサイズの先尾翼機ってみんなそっくり(笑)。他にもベルクトとかヴェロシティとかあって、実用考えたサイズならヴェロシティXL(左右複座+α)あたりなのかなぁ、って。
でも、このタイプの飛行機はもともと少ないんです。なぜかといえば、やっぱ難しい構造だからでしょう。運動性が高い反面、安定性を保つ設計が難しいし、プロペラ機なのに後ろにあると、離着陸速度が高くなっちゃうし…とイロイロあるわけです。で、結局みんな似てしまう(笑)。
ある意味、スポーツカーのミッドシップ(エンジンが座席と後輪の間にある形式)と似ています。前にエンジンがないからきびきび動ける、けど問題いっぱい(※)、ってなるわけです(笑)。
先尾翼機も、機能・実用では微妙な部分がいっぱいある飛行機だから、少数派になって、だから結局あまりデザインも多様性が生まれない、という事情になってくるわけですね。
でもカッコイイ。なぜって、前がつるんとしてるから(笑)。やっぱ「顔」は大事(^^)。
じゃあジェット機でいいじゃん、って話もあるけど、ジェットだといろいろ考えると結局戦闘機になっちゃう。速いけど大きいからいろいろ積めて…レーダーがどうの、武装がどうの、って話の中での機能美になってしまうわけです(※)。
視点を変えると、最も美しい飛行機のジャンルに、グライダーがあります。人1~2人が飛ぶ究極の機能美。これも前がつるんとしてて(笑)美しい。でも、空を飛ぶためにはどーしても翼が馬鹿でかくなるし後ろも長い…しかも自分で離陸できない…。翼が小さめで、最小限のボディを追求した形が理想なんだけどなぁ……って。
で、見た瞬間これだ、って思ったのがこのスピードカナード。オレが思う美しい飛行機のデザインど真ん中なんです。この機体、実はグライダーのボディがベースなんですよね。翼もそこそこの大きさだし、ボディは超コンパクト。ムダがなくて理に叶ったデザインが素敵です。
ロング・イージーとか、1から設計してるからどうしてもデザイン的な未熟さを感じてしまうわけです。F1みたいっつーか、マグマ大使みたいっつーか(笑)。
ついでになぜか、主翼が微妙に下反角(下さがり)がついてるのもオシャレ(笑)。航空力学的には、より運動性が高い=不安定なんだけど(^^;。
ただ、世界で数十機…。文珍さん、いいなぁ(笑)。
PS:
※1
スーパーカー世代には有名なランボルギーニ・ミウラやフェラーリBB、実はどっちも力技の設計なんですよね(笑)。ミウラはエンジン横置きだしBBはミッションの上にエンジンがある。要はエンジン、ミッション、デフなんかの収めどころがなくて苦悩したわけで、実際そのデメリットはでちゃう。(横置きだとドライブシャフトの不等長とか、ミッションとエンジン二階建てだと重心が高くて運動性悪いとか)
カウンタックなんて座席を犠牲にしすぎ(笑)。でも、その欠点も含めて素敵、ってなる世界なんです。(カウンタックの場合、後ろが見えないからドア開けて「上」に乗り出してバックするカウンタック・リバースなんて技さえあります(笑))
※2
とことん小さいジェット機BD-5ってのもあります。これも007とかに出たりして有名でカッコイイけど、安定性はかなりやばそう(笑)。まあこれもグライダーっぽいボディなのはスピードカナードに近いんです。
