少し前に、日本では「刀」も「剣」も「日本刀」を指すようになってしまい、「刀(トウ)」「剣(ケン)」「刀(かたな)」「剣(つるぎ)」と言った言葉の使い方が混乱していることについて述べたところである。

 

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 実は、「甲冑(かっちゅう)」の「甲」と「冑」についても、日本では混同が生じていて、興味深い。本来は、「冑」の方が頭にかぶる「かぶと」で、「鎧」の方が体につける「よろい」を表す。「甲」は、「かぶと」と「よろい」の両方を表す。中国において「冑」の字に「よろい」の意味はなく、日本では混同してしまっているのだ。

 

 手元の『第二版 角川最新 漢和辞典』で、確認してみよう。

 

「冑」…「音読み チュウ 訓読み かぶと よろい ①かぶと ②国訓 よろい」

    「『冑』を『よろい』と読むのは、日本で誤って、甲と冑の意味を逆にとったもの」

 

「甲」…「音読み コウ カン 訓読み きのえ かぶと ①物の外側をおおう、かたいから。こうら、よろい、かぶとなど。」

 

「兜」…「音読み トウ ト 訓読み かぶと ①かぶと。頭や首を守るための、金属製または革製の武具。」

 

「鎧」…「音読み ガイ 訓読み よろい ①よろい。金属製のよろい。よろう。よろいを着る。」

 

 

※「甲虫」を音読みすると「コウチュウ」、訓読みすると「カブトムシ」なのも面白い。現代では、「甲虫類(こうちゅうるい)」の中の一部が「カブトムシ」とされているのだが。

 

※姫路市内には、「冑山(かぶとやま)」と「甲山(かぶとやま)」の両方が存在する。

 

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甲山(姫路市豊富町)、山歩き。 | 武術とレトロゲーム (ameblo.jp)