一体、いつ頃のゲーム以前を「レトロゲーム」と呼んでいいのか、ますますわからなくなってきた。10年以上前のニンテンドーDSソフトは、まだ「レトロゲーム」と呼べないのか?
『DS文学大全集』は、2007年10月18日に任天堂から発売されたソフトで、監修は中経出版。日本文学に照準が定められており、100冊が収録されている。
『図書館DS』は、2007年8月2日にドラスから発売されたソフト。日本文学だけでなく、世界名作(著作権の問題か、訳し方が古っぽい感じ)や、エンターテイメント性の高い推理小説と怪談も読むことができる。120作品が収録されている。類似ソフトとして、2008年7月3日に同じくドラスからPSPで発売された『みんなで読書 名作&推理&怪談&文学』が存在する。
おそらく、著作権の問題と、一度テキスト化されたものをDSソフト化するのは開発が楽なせいと思われるが(青空文庫所収作品が関係している?)、両ソフトの日本文学作品には、重複がある(もちろん、岡本綺堂の『玉藻の前』は『DS日本文学大全集』にしか収録されておらず、夏目漱石の『夢十夜』は『図書館DS』にしか収録されていないように、重複していない作品も多い)。重複作品について、ちょっと調べてみた。
●夏目漱石
『行人』
『こころ』
『三四郎』
『坊ちゃん』
『吾輩は猫である』
『草枕』
『門』
●宮沢賢治
『風の又三郎』
『銀河鉄道の夜』
『セロ弾きのゴーシュ』
『注文の多い料理店』
『オツベルと象』
『よだかの星』
●芥川龍之介
『河童』
『藪の中』
『羅生門』
『トロッコ』
『杜子春』
●太宰治
『斜陽』
『人間失格』
『走れメロス』
●泉鏡花
『夜叉ヶ池』
●小泉八雲
『耳無芳一の話』
●海野十三
『東京要塞』
●黒岩涙香
『無惨』
※個人的には、『図書館DS』の方に、アーサー・コナン・ドイルの『空き家の冒険』『黄色な顔』『グロリア・スコット号』『入院患者』、エドガー・アラン・ポーの『アッシャー家の崩壊』『ウィリアム・ウィルスン』『黒猫』『盗まれた手紙』『モルグ街の殺人事件』『早すぎる埋葬』、モーリス・ルブランの『探偵小説アルセーヌ・ルパン』が収録されていて、楽しめそう。ところで、チャールズ・ディケンズの『クリスマス・カロル』が、「推理小説」に分類されているが、本当にそれで良いのか?
※1980年代の8インチフロッピーディスク等を知っている僕からすると、こんな切手ぐらいの大きさに、文学の名作が100本以上入って、どこにでも持って歩ける時代に既に10年以上前に突入しているんだなと、科学技術の進歩に驚きと感謝を覚える。
※参考 『DS文学大全集』収録作品リスト
※参考 『図書館DS』収録作品リスト
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