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深く考えず、三軒屋町の路地から、尾道城へ登り始める。
 
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まずは、歴史的建築物ではない上、現在運営されていない尾道城を目指す。
 
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千光寺公園展望台からの風景。右側に尾道市立美術館、その奥に尾道城も見える。
 
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千光寺本堂からの展望。本堂には、千手観音菩薩が。
 
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千光寺境内にある「くさり山(通称石鎚山)」からの展望。最近、鎖で登れるように復元したらしい。100円。
 
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パフュームも写真を残している千光寺踏切から下山する。
 
 
 
 
 尾道市に宿泊して、「しまなみ海道」をサイクリングしたり、
 
 
 地元産柑橘系ジュースを飲みまくったりした訳ですが、
 
 
 山歩きを趣味とする者が、これで帰る訳にはいきません。約100キロサイクリングした翌日、千光寺山を歩くこととしました。ロープウェイがありますが、使う気はありません。尾道城もつながっているようですので、こちらに寄ってから千光寺方面へ行くこととしました。
 
 千光寺山は、広島県尾道市にある標高144.2メートルの低山です。山の中腹には千光寺があり、その千光寺の境内に「くさり山(通称・石鎚山)」と呼ばれる大きな奇岩があり、平成17年なって復元された鎖を使って、プチ鎖場修行を体験できます。広島県の山を登るのは、これが初めてとなります。
 
 尾道駅を出て、パッと振り返ると目立つのが千光寺山の展望台と尾道城でした。何も知らずに来ましたが、尾道城は昭和39年にできた歴史的価値のない建築物で、鉄筋コンクリート製なんですね(それを言うと、高野山の根本大塔だって、昭和12年に再建された鉄筋コンクリート製ですが)。しかも、現在は運営されておらず、城内へ入ることができません。シャチホコらしきものも、片方欠損しています。
 
 
 展望台の方は、その円形のたたずまいと昭和テイストから、姫路市手柄の回転展望台や、
 
 
 神戸市須磨区の回転展望閣を思い起こさせます(尾道の展望台は回転しません)。
 
 
 初めて尾道へ来た印象は、「階段」と「坂道」と「猫」と「イソヒヨドリ」です。先の3つは誰もが思うことでしょう。絶対に自動車が通れないほど細い坂道や階段がいたるところにあり、分岐したり、登ったり降りたりして、非常に風情がありました。そして、その細い道を歩いていると、いたるところで猫に出会います。
 「イソヒヨドリ」の話ですが、「野鳥のさえずりで好きなのは?」と聞かれると、「オオルリ」や「コマドリ」、「キビタキ」等を挙げる方が多いものです。しかし、それらの鳥の声は、山奥へ入って行かなければ、聞くことができませんし、姿を発見することはさらに困難をきわめます。「イソヒヨドリ」も、もともと高山の岩石地帯にいた鳥のはずですが、日本では磯や港が主な生息地域で、近年は都市部にも進出してきました。
 
 
 自分は、この「イソヒヨドリ」のさえずりが、美しくて複雑で、他の野鳥の声よりも大好きなのです。そして、「コマドリ」などと違い、身近に聞くことができ、電柱や住宅の屋根等で、簡単に姿を確認できます。尾道では、いたるところで「イソヒヨドリ」を見かけ、素晴らしい声も聞くことができました。尾道で暮らしていて、「イソヒヨドリ」に気付かない方がいるとすると、少々もったいない気がします。
 
 さて、尾道城から千光寺方面へ下りずに行けそうな感じであり、遭難する可能性も少ないので、深く調べず三軒屋町辺りの路地から坂道を登り始め、尾道城を目指しました。高低差を変化させながら、細い階段や坂が続き、複雑に分岐している様は、ちょっとした迷宮気分。レトロゲーム好きの自分としては、ワイルドな山道もいいですが、こんな住民の生活と風情を感じさせる細い道もゲーム内の探索気分で楽しかったです。やはり猫が登場して、少しだけ城への道案内役みたいになって、ニヤリとしてしまいました。
 
 尾道城は中へ入ることができず、近くの展望台等から眺めるだけでしたが、諸行無常を思い起こさせる廃墟で、廃墟にしてはアングラっぽさを感じさせず、寄ってよかったと思います。
 
 そして、千光寺公園の展望台へと歩きました。展望台は、前述の手柄の回転展望台や、兵庫県明石市の天文科学館等と同じく昭和テイストを感じさせる素晴らしいところでした。そして、手柄の回転展望台と同様、老朽化により今後の方針を決めなければいけない時期にさしかかっています。ロープウェイがあるので、体力に自信がなくても千光寺公園からの絶景を楽しむことができます。尾道水道や向島が美しいのですが、晴れてはいたものの前日のしまなみ海道サイクリングほどの快晴ではなかったのが残念です。
 
 その後、「文学のこみち」を通って、千光寺へと行きました。武術をやっているものとしては、「文学のこみち」に拳骨和尚・武田物外の石碑があったことが驚きでした。尾道のお寺におられた時期があったのですね(また、物外については稿を改めて述べるつもりです)。
 千光寺については、いろいろな評価があると思います。千手観音のある本堂で、音声ファイルかCDかわかりませんが、般若心経らしきお経が機械的にリピートされていました。仏道の修行を積んでいなさそうな女性が、「御利益のある御本尊です。どうぞ線香をあげてください。」のようなことを叫んでいました。「これは、観光ビジネスだな。」と思いました。高校生の頃、現代文の教師が、「ある店に入ろうとしたら、機械が『いらっしゃいませ』と音声を出す。出ようとすると『ありがとうございました』と流れる。全然うれしくない。これは感謝ではない。」と言っていたのを思い出しました。比叡山や高野山を山歩きしたときの良いイメージが残っているだけに残念でした。
 
 前述のくさり山(通称・石鎚山)へ、100円奉納して、鎖を使って登りました。鎖や大きい輪と小さい輪が組み合わさっており、大きい輪に足を引っ掛けて登れば、腕力のみで登らずに済みます。普段、山歩きで鎖場に慣れている方ならば、距離も短いですし、それほど恐れる内容ではありません。5枚目の画像の通り、展望台とは違うワイルドな俯瞰が楽しめます。
 
 その後、千光寺踏切から下山しましたが、ここはあのパフュ-ムも、写真を残しているのですね!
 
 
 帰宅してから、千光寺公園の八丈岩に四等三角点があったことに気付きました。
 
 
 山歩き好きとしては、ここを見逃したのが心残りです。
 
 
 
「千光寺山」
 
 
 
 
 
 
 
「くさり山(通称・石鎚山)」
 
 
 
 
 

※関連リンク先

「山歩き まとめ(改)」 
https://ameblo.jp/musyaavesta/entry-12624377490.html