自分は、楽譜も読めなければ、楽器も弾けない。毎日、クラシックを聞き続けている訳でもない。最初に断っておく。
 
 TM NETWORK(≒小室哲哉)が一時期、「ロックとクラシックの融合」を目論んでいたことは、TMファンの間では周知の事実となっている。これは、小室哲哉が3歳から東京芸術大学教授の元でヴァイオリンのレッスンを始めており、その音楽のベースにクラシックがあることと無関係ではないだろう。
 
 一番有名なところでは、『Human System』のイントロとエンディングにモーツァルトのピアノソナタ第11番(いわゆるトルコ行進曲)が使用されている。Youtubeのコメント欄によれば、歌詞カードに『「The introductory and ending parts of composition taken from Sonata for Piano No.11 K.331 by Wolfgang Amadeus Mozart」(イントロとエンディングのパートはモーツァルトのケッヘル番号331から引用した)』とある。
 
以下、『Human System』
 
 
 
以下、モーツァルトの『トルコ行進曲』
 
 
 それから、あまり指摘されていないかもしれないが、同じ『Human System』の「出会えない ふたりのrelation 街角で今 すれ違ってゆく」の部分、ドヴォルザークの『ユーモレスク』変ト長調第7曲の、急に曲の雰囲気が変わる部分以降にインスパイアを受けたのでないかと思う。
 
以下、『ユーモレスク』変ト長調第7曲(1分35秒くらいから?)。
 
 
 また、『YOUR SONG (“D”Mix)』の間奏では、ベートーヴェンの交響曲第9番のサビの部分を聞くことができる。
 
 それから、小室哲哉が渡辺美里に提供した曲に、『Teenage Walk』と言う曲がある。『My Revolution』の次に発表された曲だが、自分は当時から歌詞もメロディーラインも、『Teenage Walk』の方が、『My Revolution』より上と評価していた。その『Teenage Walk』、イントロがなく「Woo Woo Woo」から始まる訳だが、「自分だけの翼で」の後、実質イントロに該当しそうな間奏が始まる。この間奏と同じメロディラインは、1番と2番の間奏、そしてエンディングでも繰り返される。
 このメロディライン、大好きなのだが、ムソルグスキーの『展覧会の絵』のプロムナードからインスパイアを受けたのではなかろうか?
 
以下、『Teenage Walk』。
 
 
 
以下、ムソルグスキーの『展覧会の絵』、プロムナード
 
 
 
 
 ちなみに、『Teenage Walk』の「些細な」+「いつまで」の部分のメロディは、『My Revolution』の「My Tears My Dreams」の部分のメロディと呼応してますね。
 
 
 
※この稿をアップしたのちに、あの『相対性理論』のアインシュタインが、バイオリンが上手でドヴォルザークの『ユーモレスク』を好んで演奏したことが判明した。奇しくもTMネットワークには、『Rainbow Rainbow』と言う「アインシュタイン」の語句が登場する初期の曲があり、その辺りを以下リンク先にまとめ直してみた。