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吉野川と大山(おおやま、奥のアンテナの見えるところ)。アンテナより右に茶色い展望台があるが、この写真では、見えにくい。
 
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これが、登山口の目印、廃屋となった喫茶店跡。
 
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この茶畑の上に、三角点あり。茶畑と言うことは、私有地?!
 
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三等三角点「大山(おおやま)」。茶畑の中なので、冬の方が見つけやすい。明治25年のもの!
 
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大山展望台から。一番奥が那岐山(中国山地)。中央が吉野川。左下が湯郷温泉街。
 
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吉野川と散水による虹。ちなみに、正面の山は大山ではない。右岸が湯郷温泉方面。
 
 
 以前に鳥取県の大山(だいせん)に登りましたが、
 
 
 今回は、岡山県美作市の大山(おおやま)に、登りました。大山は、湯郷温泉街の南側にある、標高342.54メートルの低山です。「岡山県百名山」に選定されていますが、何と「みまさかの山30選」からは漏れています。兵庫県外の山歩きは、前述の伯耆大山、今回歩いた山の北方にある那岐山、津山市の神南備山に続いて、4つ目となります。
 
 今回資料にしたのは、1996年8月10日初版第一刷の旧版『分県登山ガイド 岡山県の山』。バス停「樫村」へ至る前のちょうど国道374号線と吉野川隣接する付近から廃屋となった喫茶店跡を目印に東へ曲がり、登り始めます。20年前はJR林野駅あたりから、往復14本のバスが出ていたと書いてあります。しかし、今回調べてみると1日3本しかありません!時代の流れを感じざるをえません。その中にタイミングの良いバスはありませんでした。帰りは湯郷温泉近くに下山する予定ですので、バスを利用する必要がありません。そこで、林野駅からほぼアップダウンのない吉野川沿いを、登山口まで歩くこととしましたが、早歩きで1時間以上かかりました。と言うことは、5キロ以上の距離ではないでしょうか。バスの件もあって、次に心配になってきたのは、「20年以上前に廃屋になった喫茶店が、まだ存在するのか?」です。心配になって、途中のガソリンスタンドの方に確認しましたが、喫茶店跡はまだあるようです。ただし、「自分も、子どもの頃は登っていたが、今は道があるかどうか・・・」。私がマイカーで来て、マイカーで登ろうとしているのと勘違いされたかもしれませんが、土砂崩れと言う意味ではなく、誰も歩かなくなっため藪に戻っている可能性があると言うのです。 ちょっとした冒険になるかもしれません。そう、津山市の神南備山の三角点探しのように・・・
 
 津山市の神南備山と、美作市の大山を比較すると、妙に共通点があることに、このたび歩いていて気付きました。
 
●神南備山の標高は、356.2メートル、大山の標高は342.54メートルとほぼ同じ。
●自動車用道路があり、歩かなくても自動車で山上まで行ける。
●展望台、三角点、電波塔がある。
●展望台と三角点の距離は離れており、三角点は見つけにくい。
●神南備山と吉井川、大山と吉野川の関係が似ている。
●ウォーキングを日課としている地元の方に、ほぼ出会わない。
 
 さて、喫茶店跡からの道は、アスファルトやコンクリートで舗装されていましたが、ここ20年ほど道の整備はなかったようなたたずまいで、長い時間をかけて、落ち葉や雨水で流れた泥が腐葉土となり、舗装の上に積もって、その上に苔が生えた状態で、荒れた山道ほど歩きにくくもなく、新しい自動車道路ほど興醒めでもない状態でした。ぎりぎり自動車は通れないくらいの幅の道で、徒歩で行くにはゆったりした幅で、横に小さな谷川があり、せせらぎの音が心地よいです。登山口付近から、ヘビイチゴと、大量の蝶が、自分を迎えてくれました。蝶が嫌いな方ならば、卒倒するくらいの数でした。あまり昆虫には詳しくないので、帰宅してから取った写真とネット上の情報を確認すると、テングチョウだったようです。ちょうど、成虫の発生する季節のようです。
 
 
 テーマパークのアトラクション等では、歩くたびに次から次へと目の前を蝶が行き交うときに感じる高揚感と言うのは、なかなか味わうことはできないでしょう。
 
 これも20年前の本の情報ですが、この道は小学生の通学路になっていると書いてあり、驚きました。現在も山頂の民家に小学生がいるのかどうかや、新しくできた太い道路を利用するようになったかどうかは知りませんが、兵庫県で言うならば、西宮市の甲山や、姫路市の書写山の山頂に民家があって、その山頂から毎日小学校低学年が下りては登りを繰り返している(もしくは、過去は繰り返していた)と言うのが、信じられません。自分も小学校を何度か転校しており、片道2キロを徒歩で登下校をしていたときがありましたが、これほどの勾配は皆無でした。昔の山間部の子どもは、体力あったんだろうな、家の仕事も手伝っていたのかな、とか考えてしまいました。今回自分は、喫茶店跡から大山神社まで、38分かかっています。心配していた藪漕ぎも、ありませんでした。
 
 この大山、昔は山上仏教のさかんなところで、多くの建造物があったようですが、1579年に焼き討ちに会い、現在は山門が残っている程度です。その小さな山門の隣りに大山神社がありました。神社を通り過ぎて左回りに上がっていくと、茶畑がありました。姫路市内の山歩きで、茶畑と遭遇することは、あまりないので、その濃い緑の生命力に癒されました。この茶畑を上がって行ったところに三等三角点「大山(おおやま)」があるはずなのですが、生い茂る茶の葉で、最初はどこにあるのか全くわからず、苦戦しました。しかも、茶畑の中とすれば、ここは私有地ではないでしょうか。それを思うと、探すのも遠慮がちになり、余計に発見が遅れました。最終的には見つかりましたが、例えば葉のない冬季に訪れていれば、こんなに手こずることはなかったと思います。後で調べてみると、三角点の埋標は、明治25年5月20日。姫路市の書写山の三等三角点も、明治24年の埋標でしたから、石って(おそらく花崗岩)スゴいな、と思います。
 
 次に、展望台を目指しましたが、大山神社までの登山道と同様、平日のため独占でした。ゆっくりと景色を堪能し、お昼ご飯を食べました。前述の神南備山展望台と、類似点の多い展望でした。
 さて、下山ですが、誤って新しくできた太い自動車道路を別方向へ下りて行きそうになり、引き返しました。山上に民家のある方が、親切に道を教えてくださり、湯郷温泉方面の道を二種類教えてもらいました。自分は、舗装はされているが、より古そうなグニャグニャ道で下りましたが、途中から新しい道と合流しました。古い道の間は、自動車も全く通らず、歩く人も全くおらず、いい気分でした。この古い道の途中で、青緑に輝く美しい蝶が水を飲むところに出会いました。これも帰宅してから調べましたが、カラスアゲハのメスだったようです。
 
 今回は、湯郷温泉方面には寄らず帰宅しましたが、着替えを持って行き、湯郷鷺温泉館等でひと風呂浴びて帰宅するのがベターだと思います。また、下山後の吉野川沿い、美作市役所方面で、全体的に青黒く、腹がオレンジ色の、シロハラぐらいの大きさの鳥とご対面しました。帰宅後に調べてみると、イソヒヨドリでした。自然の豊かな海や清流にしかいないのかな?と思っていたら、2日後に姫路市内の住宅地で見かけました(笑)。一度見分けられるようになると、野鳥も蝶も、次回からはすぐ判別できるようになり、面白いです。
 
 
 
 
 
 
 
 
※余談ですが、平日の姫新線、本竜野駅から佐用駅の区間、某高校生の登下校とバッティングする時間に乗ったら、ダメですわぁ。
 
 

※関連リンク先

「山歩き まとめ(改)」 
https://ameblo.jp/musyaavesta/entry-12624377490.html