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鹿嶋神社。この左側のお稲荷さんから登る。
 
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百間岩(ひゃっけんいわ)下からの比較。左が今回。右が山火事から1年後の2012年1月。
 
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百間岩を上から望む。
 
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鷹ノ巣山あたりから、百間岩を振り返る。美しい!
 
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右下が、鹿嶋神社のチタン合金製大鳥居。正面からやや左が百間岩。この画像から、まだ右(東)へ行かなければ、鷹ノ巣山は見えない。
 
 
 2011年1月24日から25日にかけて、鷹ノ巣山から高御位山が火事になったことは、以前に述べた通りです。その後、2014年3月9日にも鷹ノ巣山が火事になりましたが、放火犯が捕まりました。一度目の火事も自然発火とは思えません。
 

 

 実は、一度目の山火事から1年後の2012年1月に、鷹ノ巣山登山ルートの百間岩(ひゃっけんいわ)を登りかけて断念したことがあります。山火事の影響と冬の気候のために、左右に見える景色が、急斜面の岩場や、ほぼ黒色に近い焦げ茶色の枯れ枝と幹ばかり。しかも相当風が強く、あのドラマやアニメの絶壁シーンでよく聞かれる「ヒュ~~」と言う音が、リアルに耳元に聞こえてきました。自分は、高所がそれほど得意な訳ではありません。
 「これ、下に転げ落ちたら止まらないな。」とか考えながら、左右を見渡すと、滑落を中途でストップするはずの樹木も、山火事のためにほとんどなく、ダークブラウンな殺風景と、不気味なほどの青空・・・まるで異世界・・・
 こう言うルートは段階を踏んで、スキルを上げてから登るものだ、と思い直し、引き返して別の山を歩きました。
 
 それから3年と4か月、紅山(小野アルプス)の南側岩場も2度登ったことだし、百間岩も大丈夫ではないか、と思い直し再チャレンジすることにしました。自分にとっての紅山スラブは、百間岩直登のための、重要なステップでした。
 
 鷹ノ巣山(たかのすやま 鷹の巣山)は、標高264.2メートルの山で、播磨アルプスの一部として、高御位山(たかみくらやま)と対で縦走される場合の多い山です。大昔は本当に、鷹が棲んでいたのでしょうか?それとも鷹ノ巣山の「タカ」と、高御位山の「タカ」が、単に対になっているだけでしょうか?この辺りの考察は、郷土史や民俗学の専門家におまかせすることとしましょう。
 以前に、「雪彦山」の定義が、あまりにも多義的で訳がわからないことについて、書いたことがあります。
 
 今回の「鷹ノ巣山」も、「雪彦山」と同じくらいややこしくて、訳がわかりません。
①「ふるさと兵庫100山(兵庫県山岳連盟・編/神戸新聞総合出版センター)」の181ページ「高御位山」を見ると「鷹ノ巣山」に「(双耳峰)」と書いてあり、二つの▲マークがある。両峰とも「馬の背」よりも西にある。
②ネット上の情報では、「鷹ノ巣山」の別名を「鹿嶋山」と書いてあり、過去には現地(四等三角点)にも名称表示があったようである(山火事前か?)。
③「BanCul(バンカル)2010年秋号(財団法人姫路市文化国際交流財団・発行/神戸新聞総合出版センター・発売)」の45ページでは、四等三角点のある264.2メートルを単独で「鷹の巣山」としている。これも「馬の背」よりも西側。
④旧版「分県登山別ガイド27 兵庫県の山(中村圭志・著/山と渓谷社)」の47ページ「高御位山」を見ると桶位山への分岐点(245メートル?・「馬の背」よりも東側)を鷹ノ巣山東峰、「馬の背」よりも西側264メートルを「鷹ノ巣山」としている。
⑤「鷹ノ巣山」とされることの多い四等三角点の名称は、「地徳」。しかし、「地徳山」は「百間岩」よりも南にある標高194メートルの山。
⑥ネット上の情報では、四等三角点を「鷹ノ巣山」、その西側(250メートルピーク?)を「鷹ノ巣山西峰」とするものがある。
⑦別のネット上の情報では、四等三角点を「点名 地徳」、それより西側(250メートルピーク)を「鷹巣山」とするものもある。
⑧もともとは、鹿島槍ヶ岳の双耳峰にあやかった名称。 
 
 まずは、鹿嶋神社の駐車場まで、自転車で向かいました。
 登山口は、鹿嶋神社の拝殿の左側のお稲荷さんのところからです。「鹿島」ではなく「鹿嶋」であるところに注目。こちらの方が、本来の漢字のようです。武術家としては、大事な神社です。そう言えば、以前登った苫編山も、苫道国主神社拝殿の左側のお稲荷さんが、登山口になっていました。構造が同じで、興味深いです。
 「百間岩」の「間」は、日本では長さの単位です。しかし、本来は建物の柱と柱の間をあらわす用語だったようで、京都の「三十三間堂」は、柱間を指しているようです。百間岩は、長さ約200メートル、高低差150メートル(情報によっては、120メートル、100メートルとも)とのことです。小野アルプスの紅山の岩場と比較した場合、グリップがきくのは紅山の方です。双曲線的にだんだん勾配がきつくなる美しさ、左右対照的な美しさとしては紅山の方が上でしょうか。しかし、距離の長さと左右を見渡したときの景観では百間岩の勝ちです。
 さて、三枚目の画像、百間岩を下りたところに青いモノが見えますが、これが展望台です。数年前までは錆びが目立ってオンボロに見えましたが、きれいな青に塗り直されたようです。
  
 自分の中では今回の登山のメインは、百間岩でしたので、鉄塔(210メートル)を越え、反射版(215メートル)を越えたあたりで、十分な満足感が得られました。タイトルの鷹ノ巣山と高御位山は、今回は主ではなく従的な印象となってしまいました。
 さて、鷹ノ巣山の北側にクレー射撃場があったようですが、現在は太陽光パネルに変わっているようです。結局、自分は一度も射撃の音を聞く機会がありませんでした。誤って射撃場方向に下山するようなことがなくてよかったです。怖いです。
 
 高御位山山頂で休息したあと、よく考えずに通称「けもの道」を通って、「高御位神宮」のある成井登山口から下山してしまいました。加古川市志方町に出てしまった訳です。結局、鹿嶋神社まで歩いて、自転車を取りに行きました。充実した一日でした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

※関連リンク先

「山歩き まとめ(改)」 
https://ameblo.jp/musyaavesta/entry-12624377490.html