イメージ 1
鉢伏山から、淡路島と明石大橋を望む。
 
イメージ 5
栂尾山から高倉台の団地を振り返る。右側に淡路島と明石大橋、左側に旗振山をはじめとする今まで登り下りした山々が。
 
イメージ 2
横尾山側から眺めた須磨アルプス。
 
イメージ 3
東山側から眺めた馬の背。画像右半分の影になっている部分が、即死トラップ。
 
イメージ 4
お気に入りの六甲おとめ塚温泉で疲れを癒して帰る。
 
 
 
 以前に、「播磨アルプス」とも呼ばれる「桶居山」「高御位山」に登り、
 
 
 
 最近、「小野アルプス」と呼ばれる「紅山」に登りました。
 

https://ameblo.jp/musyaavesta/entry-12506013286.html

 

 そして、今回は神戸の「須磨アルプス」です。標高312.1メートルの横尾山を中心に、南の栂尾山(とがのやま・標高274メートル)と東の東山(標高253メートル)の間を「須磨アルプス」と呼んでおり、その核心部が名勝「馬の背」です。
 
 前回、「六甲山最高峰」に行った訳ですが、
 

https://ameblo.jp/musyaavesta/entry-12506013338.html

 

 この須磨アルプス部分は、「六甲全山縦走路」の西端に該当します。また、横尾山は、ふるさと兵庫100山、関西百名山に選定されています。
 
 「須磨アルプス」の一番手軽なコースは、エルマガジン社の「ハイキングを楽しむ本」に掲載されている、「山陽電鉄須磨寺駅→高倉台→栂尾山→横尾山→東山→板宿八幡神社→山陽電鉄板宿駅」でしょうか。今回の私は、「山陽電鉄須磨浦公園駅→鉢伏山→旗振山→鉄拐山→おらが山→高倉台→栂尾山→横尾山→東山→板宿八幡神社→山陽電鉄板宿駅」」のコースで行きました。これは、山と渓谷社の「分県登山ガイド 兵庫県の山」の1999年8月20日初版に掲載されたコースです。神戸新聞総合出版センターの「ふるさと兵庫100山」には、「山陽電鉄須磨浦公園駅→鉢伏山→旗振山→鉄拐山→おらが山→高倉台→栂尾山→横尾山→東山→高取山→神戸電鉄鵯越駅」のコースが紹介されていますが、これは、六甲全山縦走路四分割の第一区間となります。
 
 まず最初に「須磨アルプス」のメイン、「馬の背」の評価について、述べておかなくてはなりません。標高300メートルほどの低山とは思えないほどの絶景で、まるで異郷の地のような気がしてくるほどです。「危険なコースではない。」とか、「危険だ。」とか、評価が分かれていますが、ほんの数十秒ほどの区間が、初心者には非常に危険だと思います。日本中の名山を登りまくっているクライマーにすれば、危険とも思わないかもしれません。現地の看板にある通り花崗岩が風化して、小石やら砂やらで非常に滑りやすくなっています。そして、前述の数十秒の区間が「痩せ尾根」とでも呼ぶのでしょうか、道幅が非常に狭くなり、右側も断崖、左側も断崖となります。鎖も、トラロープも、鉄柵もありません。強風のときや、降雨時は細心の注意が必要ですし、小学生や高所恐怖症の方は、やめた方がいいと思います。レトロゲーム好きの私が表現すると、ビギナー即死トラップです。雑誌等で、初心者ハイカーやファミリーに「須磨アルプス」を勧めるのは、ちょっと問題があるような気がします(ちゃんと調査していませんが、昔は鎖があったのかもしれません)。
 「須磨アルプス」の怖さは、一番最初に私が山歩きを記事にした「バランス崩したら命なし」の桶居山の怖さに似ています。対する「小野アルプス」の怖さは、「播磨アルプス」の一部である鷹ノ巣山 の「百間岩」に似ています。須磨アルプスと桶居山の最大の違いは風化の度合い=滑りやすさでしょうか。
 また、須磨アルプス以外の部分、つまり「山陽電鉄須磨浦公園駅→鉢伏山→旗振山→鉄拐山→おらが山→高倉台→栂尾山」の部分と、「東山→板宿八幡神社」の部分は非常に整備された山道となっており、初心者や子供にも向いていると感じました。
 
 御承知の方も多いと思いますが、山陽電鉄須磨浦公園駅を下りると須磨浦山上遊園まで(つまり旗振山まで)、ロープウェイ、カーレーター、リフトと乗り継いで行ける訳です。しかし今回は、それらが稼働する時間よりも朝早く、標高246メートルの鉢伏山(はちぶせやま)へと山道を登りました。そして、標高252.8メートルの旗振山に至りますが、ここまでの道は、たいていコンクリートか石の段で山道が整備されおり、非常に登りやすくなっています。腐葉土の上に積もった落ち葉の感触を味わいたい方には、興ざめでしょう。私は小学校1~2年生と6年生を姫路市、小学校3~5年生を大阪市で過ごしたので、何度か遠足で須磨浦山上公園には来ているはずで、旗振茶屋付近の風景は、何やら妙に懐かしい気分になりました。
 
 続いて、標高234メートルの鉄拐山(てっかいさん 鉄枴山とも書く)に着きましたが、前述の二つの山ほど展望は良くありませんでした。そして、おらが山を過ぎて高倉台へ着きましたが、このおらが山から高倉台のあたりは、かつては高倉山があった所のようです。ポートアイランド等の埋立用土砂のために、全て削られてしまう予定でしたが、付近の気象・風向きの変化を防ぐため、今のおらが山のかたちに残されたようです。おらが茶屋から高倉台付近では、トイレにも行ける、食べ物・飲み物も買える、お金も下ろせると、非常に快適な環境となります。
 
 そして、約400段の階段を登ることとなる標高274メートルの栂尾山(とがのやま)です。疲れますが、振り返って高倉台から旗振山まで眺めると、なかなかのものです。そして、標高312.1メートル横尾山山頂から下り、今回の山場「馬の背」へ向かいます。緊張せずには、渡れません。平日にもかかわらず、人気スポットにはたくさんの人々が訪れていました。
 
 馬の背を越えると、ほぼ安全な山道でした。標高253メートルの東山山頂で休憩し、板宿八幡神社へと下山しました。
 そこから、阪神電鉄の板宿駅へ行き、石屋川駅で下車し、お気に入りの銭湯の「六甲おとめ塚温泉」へ向かいました。ちなみに、JRでの最寄り駅は、六甲道駅となります。温泉宿でも、スーパー銭湯でもなく、「銭湯」に分類される中では、最も魅力的だと思います。源泉かけ流しで、入浴中に炭酸の泡が肌に付くレモン色のお湯です。板宿駅からは、駅にして10か所以上も離れているので、決して今回のコースから近い訳ではありませんが、ここのお湯が一番疲れが取れる気がしますし、庶民的な情緒も好きです。石けん・シャンプー・タオルは持参しましょう。汗を落とし、体の疲れを癒してから帰宅しました。良い一日でした。
 
 

 雪彦山や書写山等を登っていると、「姫路っていいな。」と思う訳ですが、今回の須磨アルプスと、前回の六甲山最高峰を歩いて、神戸には独特の魅力があることに気づきました。それは、「青い海」と「緑の山」と「快適な都市」が、かなり近い位置に凝縮されている点です。