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二日間とも、六甲山上からの展望は良くなかった。
 
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ロープウェイから、有馬側を望む。左上の山頂が妙見寺。
 
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六甲山最高峰。標高931.25メートル。山上に遊びに来るカップルやライダーは多いが、ここまで足を運ぶ者は、それほど多くない。
 
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この三角点によると、阪神淡路大震災による隆起で、標高931.13メートルから931.25メートルになったようだ。
 
 
 
  六甲山は、ふるさと兵庫100山、関西百名山、日本三百名山に選定されており、近代登山発祥の地でもあります。
 振り返ってみると、1997年頃と1999年の2回、自分はアイスロードと呼ばれる登山道から、六甲山上まで山歩きをしています。うち1999年のときは、屋久島へトレッキングに行く準備として、現在履いているボロボロの登山靴を購入後、六甲山で試し履きしたことを記憶しています。約10年間、ほとんど山歩きはしていなかったのですが、この登山靴、非常に長い間活躍してくれました。そろそろ寿命です。そう言えば、あの頃は、「自然体感展望台・六甲枝垂れ」は「回る十国展望台」でしたし、ロープウェイは六甲山頂と有馬温泉を結ぶ裏六甲線だけでなく、六甲ケーブル山上駅から六甲山頂を結ぶ表六甲線があったものです。
 
 
 ところが思い返してみると、ケーブルカーの「六甲ケーブル下駅」までは、二回ともバスを利用しており、JR六甲道駅から登った訳ではありません。また、子供の頃から何度も六甲山には訪れていますが、「六甲山最高峰」には、足を運んでいないことに気づきました。一般に「六甲山頂」「六甲山上」と呼ばれている所と、「六甲山最高峰」は、位置が違います。姫路で言うならば、書写山圓教寺が書写山山頂にはなく、広嶺山廣峯神社が広嶺山241Mピークにはなく、増位山随願寺が増位山山頂にないことと似ています。前回の「小野アルプス(紅山)」に続き、今回もインスピレーションで「六甲山を登ろう!」と行動してしまった訳ですが、今回の目標は・・・
 
●六甲道駅から山上まで歩いてみたい。
●六甲山最高峰に至りたい。
●有馬温泉の御所坊の湯を体験したい。
 
 この三点でした。ところが、前回小野アルプスと同様、思いつきで動いたため、軽い失敗をしでかします。生命にかかわるような失敗ではありません。思い出のアイスロードを15年ぶりに同じ靴で登ろうと、標高22メートルのJR六甲道駅から歩き始め、標高244.2メートルの六甲ケーブル下駅を左上に登っていきました。愚かなことに、今年の夏の台風による土砂崩れで六甲・有馬方面の道路がいくつも通行止めになっていることを知りながら、登山道のアイスロードが通行不能(通行禁止)になっていることまで想像できず、このまま自動車用道路を登っても、自動車専用道路となり歩行者は登れないことに気づきました。ちゃんと事前調査をしなかったために、情けないことに六甲ケーブル下駅まで戻ることとなり、約1時間のロスが発生しました。
 
 
 結局、高羽道から油コブシと言う標高626メートルの山を経由して、ケーブル山上駅へと向かうことにしました。さらに、神戸ゴルフ倶楽部内を経て、六甲ガーデンテラスへ出ました。このあと、十二分な昼休憩を取れば、気合いで六甲山最高峰まで行けたかもしれません。しかし、自分には有馬温泉の御所坊に入りたいと言う、もうひとつの願望がありました。御承知の通り、有馬の名宿で一泊すると、かなりの高額となります。しかし、日帰り入浴を昼時間だけ実施している施設もあり、それならば千数百円で名湯を体験できる訳です。名湯を体験したいがために六甲山最高峰は翌日の課題とし、ロープウェイを利用して有馬温泉へ向かいました。
 
 自分は、2000年に鹿児島県屋久島の平内海中温泉と尾之間温泉、2009年6月に山口県長門市の湯本温泉「恩湯」、昨年8月に岡山県真庭市の真賀温泉「幕湯」を体験していますが、
 
 
 御所坊は、それらを上回るほどの満足度でした。バスタオルなし、フェイスタオル付きで1575円でした。塩素臭のない、金気臭と濃厚さ加減には素晴らしいものがあります。東京の黒湯をイカ墨かコカ・コーラに例えるならば、有馬の赤湯(金泉)は、赤だし味噌汁ですね。この名湯は有馬随一と言っても、過言ではありません。
 
 
 
 結局、有馬の銀湯がある某宿泊施設に泊まることにし、かなり疲れた体を癒すこととしました。宿ではハードカバー版『ソフィーの世界』を読んでいました。これで一日目は終了です。
 
 
 二日目、宿をチェックアウトして、ロープウェイで有馬温泉駅から六甲山上駅へと向かいました。そして、ウォーキングで六甲山最高峰へ。ドライブウェイを何度も左右に交差するように山道(六甲山縦走路)が通っていました。六甲山画像のところで書いた通り、阪神淡路大震災による隆起のため、標高が931.13メートルから931.25メートルに変化したとのことです。しかし、快晴の青空でなかったことが残念でした。
 
 アウトドア志向と快適志向は、相反するものです。「携帯電話の電波が届くようなところは、アウトドアじゃない。」と思う人もいるでしょうし、「山上に電線と鉄塔があるだけで興ざめだ。」と思う人もいるでしょう。六甲山には、一般に「山頂」と呼ばれているところまで太い自動車用道路が設けられており、電線も張り巡らされています。もちろん裏六甲等無数の山道もありますので、全てに当てはまる訳ではありませんが、六甲山が他の山よりも快適なメリットは、
 
●無数の自動販売機があり、背中に2リットル近い水分を背負う必要がない。
●同様に、無理に食事を背負わなくても、山上に外食できるところがある。
●トイレが無数にあり、心配する必要がない。
●携帯電話の電波が届く地域が多い。
●仮に捻挫や骨折をしても、道路に近ければ、マイカー・タクシー・救急車を呼べる。熱中症に関しても同様。
●有馬側へ回れば、温泉で汗を流して着替えることができる。
●地図や看板、標識が豊富。
●下山のみ、ロープウェイ・山上バス・ケーブルカー・市営バスを利用する等、体力と所要時間に合わせた選択が可能。
 
 これらをアウトドア志向から考えると、デメリットになるのかもしれません。体力のある者しか踏み入ることのできない地ではありません。しかし、油断は禁物で、「焼き肉のタレ事件」等の遭難も起こりうる山であり、積雪時の転倒・滑落も多い山です。
 
 
 
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「山歩き まとめ(改)」 
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