「冷やし○○」が頭に付く料理は元々温かい料理を夏向きに冷たく作り替えたもの。
冷やし中華、冷やしたぬき・・・
などで、元々冷たいざるそばは、わざわざ冷やしざるそばとは言わない。
つまり、温かい料理を冷たくすると、頭に「冷やし」の称号を付けていいとも言える。
「冷しゃぶ」はすでに一般家庭にも普及しているし、「冷やしカレー」も最近人気のようだ。
他にもある。
例えば「かつ丼」
「えっ!? かつ丼・・・」
「冷たいかつ丼なんてある訳ないでしょう!」
それが大方の世間の常識だろう。
しかし大胆にもそれを作っちゃった店がある。
とんかつの「かつ吉」さん。
創業は昭和37年で、三島由紀夫や川端康成も常連客だったという。
お店は地下。
日替わりランチを始めとんかつメニューが並ぶ。
広い店内は民芸調の内装で、数千種類の蕎麦猪口のコレクションも圧巻。
「今年もこの季節がやってきました。」
やっぱり夏はこれで決まり。
ロースとヒレが選べるのでロースで注文。
冷たいグリーンティー。
3種類の漬物とキャベツは食べ放題。
●冷やしかつ丼(1,600円)
普通のかつ丼は湯気を上げて登場してくるが、湯気の代わりに氷が浮かんでいる。
「こんなの美味いの?、ただの思い付きですぐに飽きられちゃうよ!」
そんな感想を抱く人が大多数だろうけど、すでに誕生してから16年。
今ではすっかり夏の人気メニューになっている。
揚げたての国産銘柄豚ロースかつを、みょうが、きゅうり、青しそ、オクラなどの夏野菜、仕上げはとろろや梅の冷やしカツ丼だ。
それではいただきます
揚げたてのロースカツ。
ころもはサクサク、お肉は柔らかくてジューシー。
氷を張った冷たいだし汁はレンゲでサラサラ食べるお茶漬け風。
たっぷりのとろろと梅肉は相性よしこさん。
わさびで一層爽快感が増す。
みょうが、きゅうり、青しそ、オクラなどの夏野菜で食べても味の変化が楽しい。
きれいに整列した野菜たち。
見た目以上にボリュームもあるので食後はお腹もパンパン。
店主のチャレンジは今も続き、「冷やし海老かつ丼」、「冷やしカレーかつ丼」、「冷やし味噌かつ丼」などもすでに完成している。
老舗の看板に胡坐をかくことなく常に挑戦し続けるお店って好きだな~。
美味しい食事に感謝を込めて、
「ごちそうさま!」
【お店】
・かつ吉
・東京都文京区本郷1-4-1 B1F
・http://www.bodaijyu.co.jp/