高次脳機能障害を扱うドラマ、「アンメット」が話題になっています。あなたはご覧になっていますか?
昨夜の「アンメット」は半側空間無視がテーマでしたね。実は私も半側空間無視がありました。
脳出血発症初期の頃は脳が鬱血しているので尚更で、特に左麻痺の人に多いと聞いています。
私の場合は
★トレーの食事、左側の器に入っているおかずを認識せず、「ごちそうさまでした。」と食事を終わらせてしまう。
★左側に置いてあるものを見落とす。
★車椅子自走で、どんどん左にカーブして、柱や物にぶつかる。
などの行動から 症状が顕著でした。
そして、テストも 全滅。
それが何故できないのか、急性期病院では理解できませんでした。
回復期病院で、自分のその症状を丁寧に説明されてから、訓練のためにスケッチを始めました。
その頃の一枚をご覧ください。
デイサービス利用者さんを描きました。
左側が空白なのがお分かりでしょう。
見えているんです。
でも、脳がそれを認識していない。
これが半側空間無視です。
よくあるテスト、お花や時計、人の絵を描きます。
半側空間無視の人の絵は左半分が空白なのです。
ドラマの中でもそのテストの様子が描かれていて、まさに自分の時と同じだと 感慨深く見ました。
その後、病室でいろんなものを描きまくりました。
窓から見える風景も どうしても左側が描けない。
テーブルの上にあるもの
「見えているのに何故?」
不思議で不思議でたまりませんでした。
それでも描いて描いて、描きまくり、謎のまま退院。自宅でもセラピストさんに言われたとおりに注意して生活しながら、毎日何かしらを描き、デイサービスでのリハビリ、様々な訓練、テスト・・・と繰り返して、今は車の運転が出来るようになりました。(左手不自由なのでハンドルスピナーをつけています。)
もちろん左側にあるおかずを見落とすことも、左は左へと寄っていく傾向も無くなりました。食べすぎで太りました。
訓練に根気よくお付き合いくださったセラピストさん、見守ってくださった先生に感謝しています。
人それぞれ、症状は十人十色ですから、お話しした私の例はほんの一例です。
同じ訓練をすれば全員が同じように回復するものではありません。
ただ、「こういう例もあるんだね。」ぐらいにお読みいただけると幸いです。
来週のドラマ「アンメット」も楽しみです。