12月になると、いろいろとあわただしいですね。
甲府市で、直進車と右折車が衝突する事故があり、衝突のはずみで右折車が近くの焼き鳥店に突っ込み、7人の方が怪我をされるという事故がありました。
>甲府 店に車突っ込み7人けが(NHKニュースより)
>19日午後7時50分ごろ、甲府市丸の内の県道の交差点で、ワゴン車と乗用車が衝突し、このはずみでワゴン車が焼き鳥店に突っ込みました。
>警察によりますと、この事故で、店の客6人とワゴン車を運転していた1人の、いずれも男性の合わせて7人が、手や足に軽いけがをしました。
>警察によりますと、交差点を右折をしようとしたワゴン車の左側に直進してきた乗用車が衝突し、ワゴン車が交差点の角にある店に突っ込んだということです。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121219/t10014307651000.html
幸い怪我は軽傷だとのことですが、このような二台の車が絡む事故の場合、被害者への賠償はどのように処理されるのでしょうか。
店を壊された店の損害や、怪我をされた方にしてみれば、できるだけ早く賠償してほしいですよね。
そもそも、直進車と右折車のどちらに責任があるのでしょうか?
信号の有無や詳しい事故状況がわかりませんが、信号のない交差点や双方青信号の場合、直進車2割、右折車8割の過失割合になります。
ところが、右折車が青信号で進入後、赤信号で右折し、直進車が赤信号で進入してきた場合は、直進車9割、右折車1割となり、直進車の過失の方が大きくなります。
事故の状況によって、過失が変わってきますので、詳しい情報がないとどちらが悪いか断定できません。
すると、直進車と右折車の運転手の言い分が食い違っていた場合、詳しい情報が無いと、どちらの方が悪いかすぐに決められないということになります(今回の甲府市の事故で、運転手の言い分が食い違っているという訳ではありませんので、念のため)。
それでは、どちらが悪いか確定できないと被害者は救済されないのでしょうか?
このような事態に備えて、共同不法行為という制度が設けられています。共同して過失で損害を与えた加害者は連帯して被害者に賠償する責任を負うことになっています。
直進車と右折車の双方に過失がある場合には、直進車と右折車の双方が連帯して賠償義務を負うことになります。詳しいことは共同不法行為 ~複数の人が関与して発生した事故の場合~ をご覧ください。
加害者同士が連帯責任を負うということは、被害者は直進車側と右折車側のどちらか一方に、損害の全額を請求することができるということです。
したがって、過失の多い方の加害者が任意保険に入っていない場合は、過失の少ない方の加害者に全額を請求しても構わないということになります。
また、過失が2割しかない加害者(例えば青青の場合の直進車)に対しても損害の全額(10割)を請求できることになります。この場合、過失が2割の加害者は、被害者に全額(10割)を賠償した後で、相手の過失の8割分を過失が8割の加害者(右折車)に求償することになります。
もし、過失が8割の加害者が任意保険に入っておらず、資力が無い場合、回収できない可能性がありますが、回収できない危険は過失が2割の加害者が負担することになります。
このように、共同不法行為を行った加害者に連帯責任を負わせることで、被害者の保護を図っているという訳です。
実務的には、過失が大きいと思われる方の保険会社が治療費の内払いや示談の対応等をして、後日にもう一方の加害者側の保険会社と共同不法行為者間で調整するのが一般的になっています。
加害者側から見ると、共同不法行為というのは、わずかな過失で大きな責任を負わされることになり、かなり厳しい制度であるといえます。
年末の繁忙期に店を壊された店側の損害はかなりのものになると思います。
例え過失が1~2割しかなくても、加害者は相当な責任を負わされる危険性がありますので、対物もしっかりとカバーできる保険に加入しておくことをお勧めします。