>危険運転致死傷罪の適用拡大へ試案(NHKニュースより)

>法務省は、飲酒運転など悪質な違反に対する罰則を強化するために設けた危険運転致死傷の罪について、適用できないケースが相次いでいることを踏まえ、適用範囲を拡大する試案を取りまとめました。

>刑の上限が20年の危険運転致死傷の罪は、飲酒運転など悪質な違反に対する罰則を強化することを目的に12年前に制定されましたが、去年4月に京都府亀岡市で無免許運転の車が登校中の小学生の列に突っ込み10人が死傷した事故などでは適用されず、遺族らが適用範囲の拡大を求めています。


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130111/t10014730011000.html


 危険運転致死傷罪については、悪質な交通事故にもかかわらず適用できない事例が相次いでいるため問題になっています。

 

 危険運転致死傷罪の適用が難しいのは、「正常な運転が困難」とか「進行を制御することが困難」といった曖昧な要件を定めてしまったため、立証が難しくなってしまったからだと思われます(危険運転致死傷罪の適用が難しい理由 に詳しく書いています)。


 例えば「法定速度より○○km以上超過した場合」とか「無免許の場合」といった客観的な要件が規定されていれば、適用が非常に楽になったはずです。

 

 「正常な運転が困難」といった基準ですと、事故毎に基準が異なってくるうえに、判断する人によっても基準が変わってくることになります。

 検察官が立件する場合も、有罪にできるのか予測がつかないため、慎重にならざるを得ません。


 >道路を逆走したり、歩行者天国など通行が禁止されている道路を危険な速度で走行したりして、人身事故を起こした場合は、すべて危険運転致死傷の罪を適用するとしています。

 法務省は、逆走や「通行禁止な道路の走行」等といった客観的基準を盛り込むとのことですが、「危険な速度」といった曖昧な基準を温存しておくと、また適用の予測が困難な事態が続くことになりかねません。


 裁判になれば「危険な速度」か危険でないかという議論が繰り返されることになります。


 人によって判断が変わる基準ではなく、客観的な基準で悪質な事例に対処する方向で検討した方が良いと思います。