
シアトルの夏は短い

六月まで続く雨期が終った後
空が晴れ渡り雲が少なくなる期間は
二ヶ月と無いかも知れない

シアトルの中心部には
雨や曇りのグレイ色によく似合う
古い煉瓦の建物が
肩を寄せ合っている

その落ち着いた煉瓦色を飾る
文化の現れ

古いアパートの地下の
テレビを観ている住人の笑い声は
歩道に面して開いた小窓から漏れて
黄昏の空気の中に消えていく
その少し向こうには

様々な文化を産んできた世界を
凝縮した場面がある
文化の交差点でもあるシアトル

この街は今
静かに
ゆっくりと一日が短くなっていくのを
傍観している

この過ぎた週末は
夏にお別れを言うための
週末になったかも
知れない
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