【新譜楽譜ーソロ&アンサンブル】テナー・サクソフォンソロコレクション 他 | Musicstore.JPのブログ

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仲田守氏のソロアルバム「モン・トレゾール」に収録されたオリジナル作品が、7月27日にフォスターミュージックより出版開始となりますのでご紹介いたします。

 

貴重なテナー・サクソフォンレパートリーです。ぜひご活用くださいませ。

 

またヴィーヴ!サクソフォン・クヮルテット委嘱作品、江原大介作曲の「仮想の月」も同日出版開始です。

ぜひこちらにもご注目くださいませ。

 

【テナー・サクソフォンレパートリー】

アレグロ・コン・アニマ

作曲:鹿野草平

編成:テナー・サクソフォン+ピアノ

演奏時間:5分

 

実は2021年の春に交響曲を書いてから、本作まで作曲らしい作曲ができなかったんです。
大学での様々な校務や教材研究、自作の改変、編曲の仕事などが充実し、作曲の筆までなかなか手が回りませんでした。
本作の委嘱によりようやく作曲の機会が与えられ、作品の完成に漕ぎ着けることができました。
今回はショスタコーヴィチに代表されるような疑似的な調性を意識して、かつ根が明るい音楽を目指しました。また、今まであまり着目してこなかった(避けてきた)、技巧的なドミナントの用法も活用したつもりです。
ご機会と演奏をいただいた仲田守先生、演奏と作曲上のご教示をいただいた伊藤康英先生に厚く感謝申し上げます。(鹿野草平)

 

 

 

メモリア

作曲:江原大介

編成:テナー・サクソフォン+ピアノ

演奏時間:5分

 

この曲は、仲田守氏のために2022年に作曲された作品です。タイトルのラテン語であるメモリアとは、日本語で言うと「記憶」という意味です。曲の内容としては積み重ねてきた記憶を巡るかのように、主題が様々な調を経由しながら進行していきます。そこには異なる情景があり、この作品はそれらを想う旅のようであるとも捉えられます。基本はクラシックの書法により作曲されていますが、ジャズ・コードも用いつつ、抒情的な作風となっています。
この作品は、作曲家としてデビュー時より大変お世話になり、数々の機会や知識を与えて下さった仲田守氏へ捧げる作品となります。今までの感謝の気持ちが込めながら作曲しました。
この曲を演奏して下さる方の「メモリア」となるような作品になれば幸いです。(江原大介)

 

 

 

ラ・テネレッツァ

作曲:長生淳

編成:テナー・サクソフォン+ピアノ

演奏時間:5分30秒

 

"Allegro ma molto…”というテナー・サクソフォンと吹奏楽のための協奏曲を、おかやま山陽高校さんの委嘱で、仲田守さんと同校との共演のために2015年に書きました。その仲田さんから委嘱をいただき、氏の『モン・トレゾール』というアルバム用に協奏曲の2楽章相当部分を抜き出し、若干手をいれつつピアノ伴奏版としたのがこの曲です。仲田さんの内に秘めた優しさに寄り添う、なんて言葉にするとなんとも面映いのですが、作曲時も、そして今回の編曲でもその思いを素直に音にできたように思います。(長生淳)

 

 

 

ル・モ・エモシォネル

作曲:長生淳

編成:テナー・サクソフォン+ピアノ

演奏時間:5分50秒

 

仲田守さんの七十の記念アルバム用に委嘱をいただいた書いたもので、一言でいえば、子を思う親の心を歌う曲です。
そろそろ六十という私も、子供らがいくつになるまで見届けられるかと思うことがままあったりします。五十を前に見届けられぬ未練を語った母の言葉がいまだに残っているからなのでしょう。そのような事情はなくとも、情にはとりわけ厚い仲田さんのこと、お嬢さんへの思いもきっと人一倍なはず。訥々と語りかけたり、心のうちが迸り出たり、のいろいろなル・モ・エモシォネル(感情をこめた言葉)を描いてみました。(長生淳)

 

 

 

 

【アンサンブル:サクソフォン四重奏】

仮想の月

作曲:江原大介

編成:サクソフォン四重奏 (SATB)

演奏時間:9分

 

ヴィーヴ!サクソフォン・クヮルテット委嘱作品として作曲。この作品は、異なる楽想を持つ二楽章形式から成る作品です。それぞれに第一楽章「夢想」、第二楽章「覚醒」という題が付けられています。
第一楽章では半減七の和音(減五短七の和音、ハーフ・ディミニッシュなどとも呼ぶ)により、少し宙を浮いたような形で始まります。そして、不明確な調のまま曲が進み、明確なト短調に到達するところから音楽は動き始めます。互いの音が密接に結びつき、響きの綾を描きます。夢想という言葉を採用していますが、美しさや儚さ、そして淡い記憶などを表現しています。
第二楽章では「覚醒」という言葉を採用し、軽快で激しさの伴う内容としました。爆発的なエネルギーや感情、そして調性システムの中に不安定な響きを用いながら、現実と非現実を彷徨います。タイトルは絶対的なイメージではありませんが、「月」という言葉からは「美しさの象徴」や「人を狂わせる(ルナティック)」などが連想されます。
そして、2つの異なる性質の楽章、調性と無調、それらの対比は「存在はしないが存在する」と考え「仮想」を表すものとし、「仮想の月」というタイトルとしました。(江原大介)

 

 

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