歌詞は、その書き手によって書き方がまるで違いますよね。
一応、王道の書き方はありますが最終的には、その王道を越えてオリジナリティあふれる作品にしたいものです。
よく生徒さんの書いてきた歌詞を読んで添削をしようとすると「先生、この歌詞の意味ってわかります?」って質問されたりします。
ようするに、自分が伝えたい気持ちが、ちゃんと伝わっているか、ということですね。
実はこの「ちゃんと思いを伝えなきゃ!」と思い過ぎると、逆に伝わりにくくなる事がありますよ。
つまり「説明しすぎてしまう」のです。
そういう歌詞は、聞き手の創造力を押さえ込んでしまいます。
よく「行間をよむ」といいますが、歌の歌詞はまさにそれが必要です。聞き手が歌の世界観をイメージ出来て、まるで自分がその風景の中にいると感じる。そこにメッセージがのって、感動につながります。
そうなればいいですね。
ではその「行間をよむ」ってどういう事でしょう。
例えば今からでたらめに言葉を並べてみます。
「買ったばかりの白いくつ」
「理不尽な上司」
「黄色いとうもろこし」
「借金相談」
「銀座から徒歩5分」
「ミッキーマウスの携帯ストラップ」
「延長戦はもうない」
さて、これは本当に適当に言葉を並べてみました。
でもこれらが「ある一つの物語なんです」と言われたら、どう感じますか?
もしもそこで「どんな物語なんだろう?」と自分なりに、これらの言葉の関連性を考えて、適当に物語を空想したとします。
それが「行間をよむ」という作業なんです。
つまり、いくつかのスナップ写真をみて、一つのストーリーを想像するのと同じですね。
こうやって、聞き手に行間を読ませてあげるような書き方をすると、聞き手は勝手にその歌詞の意味を解釈し、自分なりに歌詞の世界を空想して、感動しやすい状況になってくれます。
あれこれ説明しすぎるより、伝わりやすくなったりするんですねぇ。
また、聞き手には不思議な心理が働くもので、歌詞の中で理解できない部分が出てくると「これは理解出来ない自分が悪い」と判断することが多いようです。
だから、作詞家が全然つじつまが合わない言葉をいれても、それらしくつじつまを合わせて読んでくれますよ。
だから、私も時々あえて全然つじつまの合わない、あるいは関係ない言葉を「ノイズ」としていれることがあります。
でもあとでまとめて読んでみると意外にしっくりはまってたりするから面白いです。
ですから、あんまり「伝えなきゃ」と過剰に考えなくても大丈夫です。
むしろ、全体にはあいまいな表現でも「この一言!」というところは、はっきり書きたいですね。それをぼかしてしまうと、本当に「伝わらない」歌になってしまいますから。
参考になれば幸いです。