「欲しいものを考えればそれが現実化する」というものではない

エックハルトトールのコースはConscious Manifestationというのですが、このManifestationという言葉がわかりにくいのでエックハルトトールはまずその意味を説明しています。


エックハルトトールは「意識や思考の状態と現実に起きる事には強い関連性があり、意識や思考を変える事によって現実に起きる事を変える事ができる」と言っています。


この現実に変化を生む事をManifestationと言っているようです


「思考は現実化する」とナポレオンヒルが書いた自己啓発本がありますがこの「現実化」という言葉がエックハルトトールの言っているManifestationの訳として一番ピッタリしているように思います。

このように書くと「まるで自分の欲しいものを考えていればそれが現実化する」と誤解してしまう人がいますがエックハルトトールはそんなに単純な物ではないと言っています。

では意識の状態はどのように現実に変化をもたらすのでしょうか?


意識状態が現実に変化をもたらす仕組み


エックハルトトールはその仕組みを以下のように説明しています。


まず私達は外界で起きた事を見たり聞いたりして認識しますがその時私達の意識状態は心のフィルターのように働きます。


それは心の意識状態という色メガネをかけて世の中を見ているといってもいいかもしれません。


そして色メガネを通して得た情報を元に、私達は外の世界を評価したりレッテルを貼ったり判断を下したりします。


その評価やレッテルや判断を元に私達は外の世界に反応し、行動を起こすわけです。


外の世界は私達のやった行動に反応していろいろ変化するので結果として現実が変わるというわけです。


意識状態が現実を引き起こしている事に気づかないと同じ悪いパターンを繰り返してしまう


エックハルトトールは「実際に何が起きたかという事」より「起きた事に私達がどう反応するかという事」の方が人生に大きな影響を与えると言います。


自分の外側で起きた事に無意識で似たような反応をしているとそれに応じて似たような事(大抵は悪い事が多い)がまた起きます。


例としてエックハルトトールはいつも似たような暴力を振るうパートナーを選んでしまうパターンを挙げています。


周りから見れば同じパターンを繰り返しているのがわかるのに、本人は自分では気がつかない。


無意識のうちに意識状態が現実化してしまっているわけです。


上は極端な例ですが実は誰もが多かれ少なかれ無意識のうちに外界で起きた事に同じようなパターンで反応してしまっていてそれが現実化して同じような事が繰り返し起きてしまっているとエックハルトトールは言っています。


私達の周りで起きている事は私達の意識状態が作り出しているのだという事に私達はなかなか気がつきません。