「悟りの次元」が永続的になる前は自我(エゴ)が抵抗してくる

エックハルトは「大いなる存在」に入って宇宙知性につながる事を「悟りの次元に入る」と言っていますが、「悟りの次元」についてこんな事を言っています。

「悟りの次元」は私達が現実を経験する方法をすっかり変えてしまうものです。

最初のうち「悟りの次元」が私達の中で永続的なものになる前は私達はこれを生活の中に招き入れる必要があります。

それには訓練が必要です。

なぜなら私達が「悟りの次元」を招き入れようとすると自我(エゴ)が抵抗するからです。

自我(エゴ)は「今は忙しくてそんな事をする暇はない」とか「その前にあれをしなくちゃこれをしなくちゃ」とか「悟りの次元」を今に招き入れることをなんとかやめさせようとします。

すると私達は「今じゃなくていいか、今はあれをやろう」と思ってそれを言い訳にして「悟りの次元」を招き入れる事をやめてしまうのです。

「思考」の罠にはまってはいけない。

これは思考が静まり、幸福、つながり、平和を感じ始め、少しの間だけ「悟りの次元」を自分の中で感じる事ができた頃に起きます。

思考は私達にささやきかけます。

「君は問題があるんだろう。まず君の問題について考えてそれを解決すべきなんじゃないかい」

私達は悟りを開きかけの時期に起こるこの罠に気づかなければなりません。

忍び寄ってくる思考の罠に気をつけなければいけません。

自我(エゴ)は私達に言います。

「それは君の問題を解くのに役に立たないよ。今は解決しなきゃならない問題がたくさんあるんだから。そのスピリチュアルな事は問題が解決した後に考えたらどうかい?」

例えば思考はこんな事をあなたにささやくかもしれません。

「今の仕事は不安定だからまず安定した職業につかなければいけない」とか

「あれもこれもやらなきゃいけないから自分の中の問題に関わっている暇はない」とか

「多分来年休暇が取れるからその時にやってみよう」とか

「お金さえ十分にあれば平和になれる。もう働く必要がなくなるから。そうすればこの悟りに取り組める」とか

しかしこれはみんな目覚めようとしている私達を止めようとする思考(エゴ)の罠なのです。


仕事を続けようか迷っている方へ

エックハルトトールは宇宙知性とのつながりができた後の変化についてこんな事も言っています。

意識が「自我」から「大いなる存在」へ移ると今やっている仕事のやり方が変わります。

そのままその仕事を続ける人もいます。

しかし時々静寂の状態を経験するようになると今やっている仕事の他に何かやるべき事があると気づく人もいます。

でもやるべき事はいったい何なんでしょう?

その答はアイデアを思いついたり、イメージが浮かんだり、周りで起こる出来事や誰かが言った事で見つかります。

直感でこれが私がやるべき事だと気がつくんですね。

大切な事は今やっている事が何であれ、やるべき事が見つかるまでそれをやり続ける事です。

そして今やっている事を続けながらそこに宇宙からの意識を出来る限り届ける事が大切です。

深いレベルの現実化とは何か

深いレベルの現実化というのは外の世界に何かの出来事を起こす事ではありません。

もっともそれは後で実際に起きるかもしれませんが。

最初の段階の現実化としては新しい意識の状態を自分から放つ事です。

そしてそれは私達が「大いなる存在」とのつながりを持っていれば自然に起きる事なのです。

宇宙知性とつながると人との関わりが変わってくる

エックハルトトールは宇宙知性とつながる事による変化についてこんな事も言っています。

私達が宇宙知性がこの次元の世界に入ってくる媒体になったとします。

すると私達のやっている仕事に次のような変化が現れます。

例えば私達が看護師、医師、セラピスト、ホスピスワーカーなどの人を助ける仕事や幼稚園や学校などで人を教える仕事についてる場合、人との関わり方が違ってきます。

意識の度合が高くなるにつれ「意識による現実化」というのは何か新しい事をすることを意味しなくなってきます。

やっている事を変えなくてもより高い意識を現実化できるようになるのです。

変化は「何をするか」ではなく「どうやるか」に起きるからです。

「大いなる存在」に根ざして宇宙知性につながっているとエネルギー波動の交流が起こる

私達が「大いなる存在」に根ざしている時は表面的な人間関係のコミュニケーションに加えていわゆるエネルギー波動の交流が起きます。

短いコミュニケーションの場合でもそこにはエネルギーの場が生じます。

エネルギーの場は偶然に生じるわけではないのです。

エネルギーの場の形成には思考は介在しません。

本人はエネルギーの場を作ろうとは思ってないんですね。だから「私はこの人に影響を与えている」のようには思わないのです。

しかし「大いなる存在」につながっている時に私達の中にある静寂は他の人との間により深いつながりをつくります。

そしてその深いつながりが他の人に違った反応を生むのです。

その人達は自分が違った反応をしている事に気づかないかもしれません。

しかし私達の中の静寂はその人達の中の何か大切なものを引き出すのです。

それは長くは続かないものかもしれません。

でも次に出会うとまた大切なものが引き出されます。

特に他の人との関係が重要な仕事、例えば福祉、医療、教育についている人にとってはこの事は自分でも気づかないうちに素晴らしい事をしている事になります。


アインシュタインは「深く考える」事ができた

アインシュタインは特にスピリチャルの本を読んだり勉強した事はありませんでしたが心を静寂にする事ができたようです。

アインシュタインは自然に心の波長を静寂の状態に合わせる事ができたようです。

アインシュタインはする事に時間がかかったようです。

アインシュタインの思考は非常にゆったりしていてそれは彼が「深く考える」事ができる事を意味しています。

「深く考える」という事は静寂の状態になってそれから考える事を表します。

静寂の状態になる、考える、静寂の状態になる、考えるの繰り返しです。

科学の分野でも、哲学や文学や音楽の分野でも本当に創造的な発見ができたり素晴らしい作品が作れる人はみな「この静寂、考えるの繰り返し」=「深く考える」という事をしています。

「思考を止める」と宇宙知性は私達の才能を使えるようになる

「深く考える」という事は「在る状態」と「している状態」のバランスをとるということも意味しています。

「深く考える」とはしばらくの間「思考を止める」という事です。

思考が止まると思考は深く創造的になります。

思考が止まると私達は宇宙知性につながるので、宇宙知性は私達の思考を使う事ができるようになるからです。

私達にはそれぞれ違った能力、才能があって宇宙知性が使う事ができるのは私達の能力、才能に合う事だけです。

それはもうすでに開発されている才能かもしれませんし、これから開発される才能かもしれません。

短い間でも思考を止める事ができれば聡明な決断や行動が取れる可能性は高まる

エックハルトトールは自我(エゴ)からの解放について次のように言っています。

自我(エゴ)のコントロールから自由になると私達は初めてクリアーに考えられるようになります。

私達は心を静める事ができるとクリアーに考えられるようになります。

自由に思考を止める事ができるといつでも心を静める事ができるようになるのでクリアーに考えられるのです。

長い間思考を止める必要はありません。

最初はほんの少しの間思考を止められれば十分です。

思考が静まるとそこにスペースができて私達は「ただ在る」事ができるようになります。

するとそこに静寂が現れます。

対処しなければいけない問題が現れても、思考を少しでも止める事ができれば心は静まり鋭敏な状態になります。

その後30秒から5分くらいすると私達は再び考え始めます。

しかしその時は聡明な決断や行動が取れる可能性はずっと高まります。

それは私達は一度は深い次元の意識に触れているからです。

深い意識から来る知性はIQテストで測れるようなものとは違う

私達は深い意識に触れれば本当により知的になる事ができるのです。

しかしそれは知能指数テスト(IQ テスト)で測れるような知性ではありません。

知能指数テスト(IQテスト)で測れるのは知性の一面にすぎずここで言う深い知性とはもっとずっと広い意味のものだからです。

深い意識から来る知性は加工されていない原初的な知性です。

それは概念的、具体的な知性ではありません。

原初的な知性は私達の中を通ると知能指数テスト(IQテスト)で測れるような概念的な知性になることもあります。

しかし全く違った知能指数テスト(IQテスト)で測れないようなものになる事もあるのです。

だから深い意識から来る知性そのものは知能指数テスト(IQテスト)で測れるようなものではないのです。