キアラ・パンカルディ
(CHIARA PANCALDI)
☆アルバム
ホワット・イズ・ゼア・トゥ・セイ
(What Is There To Say)
好きなアルバム その-36で
デビュー・アルバムを紹介した
キアラ・パンカルディが
2017年10月発表した
3作目のアルバム
このアルバム発売を知ったのは
近所のクリニックで
待合室のBGMは
自動演奏のアップライトピアノ
ジャズの雑誌も何冊か置いてあり
その雑誌に載っていて知りました
何件かの店へ行きましたが
店に在庫が無くレジで聞いたところ
『発売元が大手では無いので
少ない枚数しか入らず
すぐ売れてしまい
発売元に在庫確認をして
入荷次第お送りいたしますが
いかかでしょうか』
とのことで注文したアルバムです
アルバムのアーティストは
★ヴォーカル
キアラ・パンカルディ
イタリアのボローニャ生まれで
大学では人文学を専攻で
在学中に歌う様になり
卒業後に専念したジャズ・シンガーで
何処かで読んだ気がするのですが
30歳と遅いアルバム・デビューと
記憶しています(記憶違いだったらゴメン)
セカンド・アルバムは
1967年創刊『ジャズ批評』の
『ジャズ・オーディオ・ディスク大賞2015』で
ヴォーカル部門金賞を受賞していて
声は細く迫力は感じないのですが
素直に丁寧に歌っています
★ピアノ
カーク・ライトシー
(Kirk Lightsey=1937-)
アメリカ出身でパリ在住
ライヴではフルートも演奏するそうで
アート・ブレーキー&ジャズメッセンジャーズや
チェット・ベーカーのバンドに参加
2017年3月のレコーディング当時
79才の大ベテランで
ノリノリの声も入っています
★ベース
ダリル・ホール
(Darryl Hall=1963)
1955年ロン・カーターも審査員の
セロニアス・モンク・インスティテュート・
オブ・ジャズ・インターナショナル・コンベンションに
ベースで優勝していて
キアラ・パンカルディの
4作目のアルバムも参加
その-64でアップした
ジェーン・モンハイトは
1998年にヴォーカルで
準優勝しています
★トランペット
ジェレミー・ペルト
(Jeremy Pelt=1976-)
バークリー音楽大学出身で
20作品を超える
リーダー・アルバムが有ります
★ハーモニカ
ローレン・モーア
(Laurent Maur=1970)
パリ生まれの
クロマチック・ハーモニカ奏者で
ハーモニカの街ドイツのトロシンゲンで開催の
国際ハーモニカ・コンクールの優勝者です
収録曲は10曲で
ピアノとベースのみのバックで8曲
ゲストにトランペットを迎えた1曲
同じくゲストにハーモニカを迎えた1曲と
シンプルな音作り
レコーディングはパリの
スタンウェイ (Steinway & SonsD274)
ファツィオリ (Fazioliコンサート280)
ホフマン (W .Hoffmann120)と
ピアノの名機を揃えた
スタジオ・ド・ムードン
(Studio de Meudon)で
1回のみ(ワン・テイク)とのこと
あまり馴染みのない曲も有りますが
『こんな良い曲が有るのよ
是非聴いてみて』と
キアラ・パンカルディ
言われている様に感じます
01-エブリシング・アイ・ラヴ
(Everything I Love)
優しい歌い出しのテンポが良い曲で
間奏のベースが心地良い曲で
コール・ポーター
(Cole Porter=1891-1964)が
音楽と歌詞を担当した
1841年のミュージカル・コメディー
レッツ・フェイス・イット
(Let’s Face It)で
(Danny Kaye=1911-1987)と
メアリー・ジェーン・ウォルシュ
(Mary Jane Walsh=1914-1993)が
歌ったと曲の様です
▼アルバムから♪エブリシング・アイ・ラヴ
CHIARA PANCALDI - Everything I Love
02-彼女の黒髪
(Black is the Color Of My True Love’s Hair)
暗い前奏で始まる曲ですが
一世紀以上歌い継がれている
伝統的民族音楽
(Traditional Folk Song)の
バラード曲です
曲の終わり近くの
弓で弾くベースが好きです
▼アルバムから♪彼女の黒髪
CHIARA PANCALDI - Black is the Color Of My True Love’s Hair
失恋の歌なのですが
結構前向きな歌詞で
メル・トーメ
(Mel Torme=1925-1999)が
21歳で作曲し
ロバート・ウェルズ
(Robert Wells=1922-1998)は
24歳で詩を書いて
1946年発表したバラード曲
▼アルバムから♪ボーン・トゥ・ビー・ブルー
CHIARA PANCALDI - Born To Be Blue
04-ホワット・イズ・ゼア・トゥ・セイ
(What Is There To Say)
アルバムのタイトル曲で
静かなピアノで始まる
しっとりとした曲で
ジェレミー・ベルトのトランペットが
ゲスト参加しています
1934年に発表された曲で
作詞は「虹の彼方に」を作詞した
エドガー・イプセル・“イップ”・ハーバーグ
(Edgar Yipsel “Yip” Harburg=1896-1981)と
アイラ・ガーシュインが詩を書いた
『言い出しかねて』
(I Can’t Get Started)を作曲した
ロシア出身の
ヴァーノン・デューク
(Vernon Duke=1903-1969)が
曲を書いています
▼アルバムから♪ホワット・イズ・ゼア・トゥ・セイ
CHIARA PANCALDI - What Is There To Say
05-アイ・ドント・マインド
間奏のベースもピアノも
ノリが良い曲で
デューク・エリントン
(Duke. Ellington=1899-1974)と
デューク・エリントン・オーケストラの
ピアニストで作詞・作曲もアレンジもする
ビリー・ストレイホーン
(Billy Strayhorm=1915-1967)が
共作して1944年に発表した曲
ビリー・ストレイホーンは
『A列車で行こう』
(Take the ‘A’ Train)の作曲者です
▼アルバムから♪ホワット・イズ・ゼア・トゥ・セイ
CHIARA PANCALDI – I Don’t Mind
06-ア・タイムレス・プレイス
ゲスト参加のローレン・モーアの
ハーモニカが物悲しく
シャンソンの様な静かな曲で
オリジナルは
ジミー・ロウズ
(Jimmy Rowles=1918-1996)の曲に
ヴォーカリーズ(Vocalese)が有名な
イギリス出身のノーマ・ウィンストン
(Norma Winstone=1941-)が
詩を書き加えているようです
▼アルバムから♪ア・タイムレス・プレイス
CHIARA PANCALDI – A Timeless Place
07-リヴァース・ザ・チャージス
(Reverse the Charges)
間奏と終盤にピアノが入りますが
前奏も含めてベースのみのバックが殆どで
明るい感じです
エタ・ジョーンズ
(Etta Jones=1928-2001)が
1992年に発表のアルバム・タイトル曲として
レコーディングしたのでは
と思います
ライターは
ピアニストで
デューク・エリントンや
ベニー・グッドマンの
作曲やアレンジをした
メアリー・ルー・ウィリアムス
(Mary Lou Williams=1910-1981)と
作詞家のポール・フランシス・ウェブスター
(Paul Fransis Webster=1907-1984)
▼アルバムから♪リヴァース・ザ・チャージス
CHIARA PANCALDI – Reverse the Charges
08-メドレー きみ微笑めば~明るい表通りで
– On the Sunny Side of the Street)
お馴染みの曲をメドレーにしています
アカペラで始まり短い1曲目
『きみ微笑めば』は
ジャズ・ピアニストで歌手の
シーガー・エリス
(Seger Ellis=1904-1995)が
1928年に歌った曲で
ルイ・アームストロングは
1929年から合計3回
レコーディングをしています
ライターは共作で
マーク・フィシャー
(Mark Fisher=1895-1948)
ジョー・グッドウィン
(Joe Goodwin=1889-1943)
ラリー・ジェイ
(Larry Shay=1897-1988)
2曲目の
『明るい表通りで』は
その-74テレサ・ブライトや
他にもアップした記事で
YouTubeを貼っていますが
日本でも良く知られたスタンダート曲で
作曲はジミー・マクヒュー
(James Francis “Jimmy” McHugh=1894-1969)
作詞は女性のドロシー・フィールズ
(Dorothy Fields=1904-1974)で
1930年ブロードウェイ・ミュージカル
ルー・レスリーのインターナショナル・レビュー
(Lew Lesli’s International Revue)で
発表された曲です
▼アルバムから♪きみ微笑めば~明るい表通りで
CHIARA PANCALDI – Medley – When You’re Smiling
– On the Sunny Side of the Street
09-ラヴ・ケイム
(Love Came)
しっとりとした歌い出しと
静かで綺麗なメロディーの曲
ライターは
5曲目のドント・マインドと同じ
ビリー・ストレイホーン
(Billy Strayhorm=1915-1967)ですが
曲の詳細情報が見つかりません
▼アルバムから♪ラヴ・ケイム
Chiara Pancaldi - Love Came
(Since I Fell For You)
ブルースを感じる曲で
間奏のピアノが楽し気で
のりのりの声も入っています
ライターは
ピアニストでバンド・リーダーの
バディ・ジョンスン
(Buddy Johnson=1915-1977)が
1945年に書いた曲で
彼のオーケストラをバックに
ジャズやR&Bシンガーの
妹のエラ・ジョクソン
(Ella Johnson=1919-204)が
歌ったそうです
▼アルバムから♪シンス・アイ・フェル・フォー・ユー
Chiara Pancaldi - Since I Fell For You
追記-01
今回のアルバム収録曲も
沢山のアーティストが
レパートリーにしていますが
時間が取れず別冊のアップは
出来ませんでした
追記-01
アルバム・レコーディング風景の
YouTubeを見ると
ピアノはスタジオ・ド・ムードンで使用している
ファツィオリの様で
1981年創業の新しい
グランド・ピアノ専門メーカーですが
2010年からショパン国際ピアノコンクール
公式ピアノとして採用されています
おまけ
レコーディング風景
Chiara Pancaldi - What is there to say - Challenge Records
お礼
毎回の事ですが
長々と御付き合い頂き
心より感謝と御礼を申し上げます
早い桜の便りも耳にしますが
寒暖差の激しい様ですので
風邪に気を付けて
春を楽しんで下さい