謹賀新年
旧年中は沢山の方々に御訪問頂き
心より感謝申し上げます
本年も月イチの更新予定ですが
宜しくお願い申し上げます
今回のアップは
新年に因んだアルバムを
と思っておりましたが
なかなか見当たらず
ニューヨーク・ジャズ・カルテットとしては
初めてのレコーディングで
ロン・カーターは初めてプロデュース
CTI所属アーティストは
何組か来日していますが
日本で初めてライヴ・レコーディングと
3つの初めてが重なり
初物に無理矢理こじつけたアップで
文字制限のため
タイトル文字の一部を省略しました
☆アーティスト
(THE NEW YORK JAZZ QUARTET)
☆アルバム
イン・コンサート イン・ジャパン
1975年発表のライヴ・アルバム
ニューヨーク・ジャズ・カルテット
(以降NYJQの略称を使います)は
1972年頃にピアニストの
ローランド・ハナが中心となって
結成したグループですが
メンバーの所属レコード会社が異なり
レコーディングの機会が無く
今回アップのアルバムは
NYJQとしては初めての
レコーディングだそうで
1975年4月2日
東京港区芝公園の
郵便貯金会館ホール
(現メルパルク東京)の
ライヴ・レコーディングを
発表したアルバム
日本ではキング・レコードから
発売されています
発表までに紆余曲折が有り
NYJQの来日直前に
メンバーのベーシスト
ロン・カーターのみが
専属契約をしていたCTIレコードは
グループとして専属契約を締結
その旨キング・レコードへ
テレックスが有り
日本でのライヴを
アルバムとして発表したく
日本での制作責任者を
ロン・カーター
録音はキング・レコードの
技術陣に委託
マスター・テープを
ヴァン・ゲルダー・スタジオ
(Van Gelder Studio)創設者
ヴァン・ゲルダーが
アメリカでリミックスとの内容で
ライヴ・レコーディングに至り
CTIの創設者
クリード・テイラー以外が
プロデュースをした作品の
CTI社内レーベル
サルベーション
(SALVATION)から発表され
ライヴ当日は他に
ギターのケニー・バレル
(Kenny Burrell=1931-)と
ヴォーカルで
ベティー・カーター
(Betty Carter=1929-1998)も
参加していたそうですが
契約に差し障りが有り
レコーディングは
されていないそうです
NYJQは当初
ローランド・ハナの他に
その-31 ミルト・ジャクソン
「グッバイ」のアルバムに参加した
フルートのヒューバート・ロウズ
(Hubert Laws=199-)
ドラムスのビリー・コブハム
(Billy Cobham=1944-)
のメンバーでスタート
ベースがジョージ・ムラーツ
(George Mraz=1944-2021)
フルートとサックスがフランク・ウェス
ドラムスがベン・ライリーと
途中でメンバーの入れ替えも有りますが
今回のメンバーは
★ピアノ
ローランド・ハナ
(Roland Hanna=1932-2002)
デトロイトで生れ
10代からクラッシックを学び
短期のイーストマン音楽学校を経て
1955年ジュリアード音楽院に入学
卒業後にトリオを結成したり
ビッグ・バンドのメンバーに参加
50作品以上のリーダー・アルバムを発表し
NYJQでは6作品のアルバムを残していて
複数の音楽学校で教壇に立っています
★ベース
ロン・カーター
(Ron Carter=1937~)
ミシガン州で生れ
イーストマン音楽学校
マンハッタン音楽学校で
クラッシックのチェロや
コントラバスを学びましたが
人種差別でオーケストラでは雇ってもらえず
ジャズ・ベーシストとして活躍
バークリー音楽大学の名誉教授になっています
70作品に近いリーダー・アルバムを発表
親日家で2021年秋の叙勲では
音楽文化発展の旭日小授章を
授章しています
★フルート&ソプラノ・サックス
フランク・ウェス
(Frank Wess=1922-2013)
カンザス・シティ生まれ
父親は校長で母親は教師
クラッシックを学び
ワシントンD.C.へ引っ越した後は
ジャズに転向
ビリー・エクスタイン
(Billy Eckstine=1914-1993)や
カウント・ベイシー
(Count Basie=1904-1984)の
バンドに参加し
20作品を超えるリーダー・アルバムを
発表しています
★ドラムス
ベン・ライリー
(Ben Rily=1933-2017)
ジョージア州サバンナ生まれ
ニューヨークへ引っ越した後は
高校でバンドに参加したり
陸軍軍楽隊でも演奏
除隊後はニューヨークへ戻り
ソニー・ロリンズ
(Sonny Rollins=1930-)や
スタン・ゲッツ
(Stan Getz=1927-1991)と
共演した後に
セロニアス・スフィア・モンク
(Thelonious Sphere Monk =1917-1982)の
サイド・マンとして4年を過し
ツアーやレコーディングに参加後
ロン・カーター・トリオに移籍
3作品のリーター・アルバを発表
セロニアス・モンクの
出生名からミドル・ネームを付けた
トリビュート・グループ
スフィア(Sphere)では
ピアニストのケニー・バロン
(Kenny Barron=1943-)
ベーシストのバスター・ウィリアムス
(Buster Williams=1942-)
テナー・サックスのチャーリー・ラウズ
(Charlie Rouse=1924-1988)の
カルテットでは
7作品のアルバムを発表しています
収録曲は
4曲と少ないのですが
総ての曲が10分超です
01- リトル・ワルツ
(LITTLE WALTS)
ロン・カーターの作曲
静かにピアノからフルートが加わり
ロン・カーターが愛用する
ブラック・ナイロン弦独特の
柔らかく余韻の残る音が
心地よい曲ですが
この曲のみの単独の
YouTubeが無く
アルバム全曲が有り
1曲目に収録され
全曲を聴けます
イン・コンサート イン・ジャパン
The New York Jazz Quartet In Concert In Japan
2曲目以降は
個々の曲もYouTubeをアップしましたので
気が向いたらチェックしてください
02-ウェル・ユー・ニードント
(WELL YOU NEEDN’T)
セロニアス・モンクの作曲
ウキウキする様なフルートで
中盤からピアノとベースが
聴きごたえ有ります
▼アルバムから♪ウェル・ユー・ニードント
New York Jazz Quartet - Well You Needn't
Side-2
01-イントロスペクション
(INTROSPECTION)
全編ピアノ・ソロで
シットリとした曲で
引き込まれる様に聴いてしまいます
▼アルバムから♪イントロスペクション
Introspection – Roland Hanna
(MEDITERRANEAN SEASCAPE)
ローランド・ハナの作曲
フルートのフランク・ウェスが
ソプラノ・サックスに持ち替え
オリエンタルな感じで始まり
他の曲では控えめだった
ドラムスが前へ出ています
▼アルバムから♪メディタラニアン・シースケイプ
Mediterranean Seascape - New York Jazz Quartet
追記-01
CTIレコードは
1967年A&M・レコードの
社内レーベルとして
プロデューサー
(Creed Taylor=1929-2022)の名前に
Issue (イシュー=出版)を付け加え
Creed Taylo Issueの頭文字を付けた
ジャズ・レコード・レーベルがスタートで
1970年の独立を機に
Creed Taylor Incorporated又は
Creed Taylor Internationalの
略称とされています
先に触れましたが
クリード・テイラーが
プロデュースしなかったアルバムは
CTI社内レーベルの
サルヴェイション・レコード
(Salvation Records)から
発表しています
ヴァン・ゲルダーは
(Rudy Van Gelder=1924-2016)
レコーディング・エンジニアで
1959年にニュー・ジャージー州の実家で
レコーディング・スタジオをスタート
ブルー・ノート・レコード
(Blue Note Records)や
インパルス!レコード
(Impulse! Records)の
著名なジャズ・アーティストの
レコーディングを手掛け
CTIレコードのレコ―ディンクも
多数手がけています
過去にアップした
31 ミルト・ジャクソン
“グットバイ”(CTI)
69マッコイ・ターナー
“バラードとブルースの夜”(インパルス)は
ヴァン・ゲルダー・スタジオの
レコーディングです
追記-03
ジャケット・デザインは
表は真っ赤なリンゴに剃刀が刺さり
裏は波をイメージした白砂に
切り分けたリンゴで
ニューヨークのニックネーム
ビッグ・アップルや
刀と石庭で日本を表現したのかなと
思いますが
レコーディング・スタッフの
剃刀の様な緊張感も表現したのでは
そんな気持ちを抱きながら
私はアルバムを聴いています
追記-04
アルバムのには
Special Thanks to Takao Ishizuka,
All Art Promotion. Inc と有り
故 石塚孝夫 氏が
1963年設立した
海外ジャズ・ミュージシャンの
日本コンサート企画会社
株式会社オール・アート・プロモーションの
名前が出ていて
コンサート実績を探すと
今回アップのアルバムは
NEW YORK JAZZ QUARTET with
KENNY BURRELL – BETTY CARTER の
ライヴ・レコーディングと思われます
お礼
昨年は沢山の方々の
コメントやイイネ!を頂き
心より感謝申し上げます
ダラダラと長い記事ですが
本年も宜しくお願い申し上げます