ザッツ・エンターテインメント

 

随分前に同業の友人がビデオをダビングして持ってきてくれました。

その友人もまた同業の先輩に勧められたという、ミュージシャン必見の非常に為になる映画です。

なのに、ビデオデッキ故障のためすぐに観ることができず…

友人のビデオは1作目だけでしたが、3作まとめておさらいです。

 

普段よく演奏する曲のほとんどは、昔の映画やミュージカルの中で使われています。

古い映画についての知識が薄い頃に観ていたら、きっと娯楽というよりは仕事の教材のように思ったかも知れません。

昔の俳優さんも誰が誰だか分からず、タイトルすら知らない映画だらけ。

せっかく出演者ご本人が解説してくださっているのに、それすら全くピンときていなかったでしょう。

 

ただ、ジャズではアップテンポで演奏される曲が映画の中ではスローだったり、歌い方が想像以上にクラシカルだったり。

確認できることは沢山あるので、それだけでも観る価値のある映画だったと思います。

 

月日が流れ…

多少古い映画の楽しさを知った今、改めてⅠ、Ⅱ、Ⅲと続けて観ると、それはもう仕事の資料ではなく完全な娯楽です。

今まで観てきた映画の中の印象的なシーンの数々、役を離れた俳優さん自らが語る撮影秘話など、全てがキラキラしていてまるで宝箱。

まだ観ていない映画も早く観てみたいと思わせる、先の楽しみまでが詰まっていました。

 

特に気になったのは、3作共に大きく取り上げられているエスター・ウィリアムズという女優さん。

全くのノーマークでした。

水泳選手から女優になったという異色の経歴の持ち主とのことです。

華麗で壮大な水中レビューの撮影が1950年頃に実現していたことにも驚きました。

 

アメリカってすごい!

 

古い映画を観ていると、たまに遠い昔のアメリカに嫉妬してしまうことがあります。

だってトムとジェリーと一緒に泳いでいるなんて…

ずるい。

 

 

映画好きな友人達にエスター・ウィリアムズのことを聞いても反応がなかったので、日本での知名度はそれほどなのかもしれません。

しかし先月、テレビで放送されていた「プリティ・ウーマン」を流し見していたら、セリフの中にエスター・ウィリアムズの名前が出ていてビックリ。

何度も観ている映画なのに今回初めて気付きました。 

セリフの中に出てくるなんてアメリカでは誰もが知るスターという証拠。

彼女の作品は多くはないようですが、代表作くらいは押さえておかないといけませんね。

 

そしてこの映画のテーマ曲は、その名も「ザッツ・エンターテインメント」。 

元々はミュージカル映画「バンド・ワゴン」のための1曲です。

ストーリーをまとめるような歌詞と賑やかな曲調はしっかりと記憶に残っていました。 

その曲が今作ではタイトルもそのままに全編で繰り返し流れます。 

「バンド・ワゴン」を観ている人にとっては、既に懐かしのナンバー。 

それも嬉しい。 

古い映画を観れば観ているほど、楽しさの掛け算が止まらない映画なのでした。