この映画を観ようと思ったきっかけはこれ。
「あなたと夜と音楽と」という曲が好きで、演奏の仕事を始めた当初からよく弾いています。
バース部分(曲の冒頭)がメロディアスで頭に入りやすかったことも、この曲を弾き始めた理由のひとつです。
(バースってどの曲も雰囲気が似てて覚えにくいのです)
初めて見た楽譜のタイトルには、「『バンド・ワゴン』より」と書いてありました。
楽譜の解説にも、
'53年のMGMミュージカル映画「バンド・ワゴン」の挿入曲で、コーラスで唄われた。主演のフレッドアステアは当時54才だった。
としか書いていなかったので、長い間、その認識で演奏してきました。
そして、実際に映画を観てみてビックリ!
ミュージカルなので、他にも沢山曲が流れてくるのですが、この曲が流れるのはほんの一瞬でした。
しかも、音楽に集中できないくらいドタバタのシーン。
曲もおどろおどろしい(?)コーラス。
そしてリズムは3拍子です。
メロディーこそ同じですが、印象がかなり違いました。
よくよく調べてみると、この曲は既に1934年のミュージカル「リベンジ・ウィズ・ミュージック」の挿入歌として使われているとか。
楽譜の解説の情報が浅かった…
「バンド・ワゴン」=「あなたと夜と音楽と」ではなかったのです。
気を取り直し。
この映画の中で、私にとっていちばん印象的だったのは「バイ・マイセルフ 」
主人公の心情にピッタリ合っていて、曲の美しさを再認識しました。
後半でも流れてきますが、そちらの方がもっとピッタリです。
もう1曲は、夜の公園のダンスシーンで流れる「ダンシング・イン・ザ・ダーク」
って知っていたのがこの2曲だけなのですが。(笑)
この映画のために書き下ろされた「ザッツ・エンターテイメント」はいかにもミュージカル!
映画が伝えたいことそのものを歌っているようで、当然、印象的。
この曲については、同題の映画の回にまた触れることにします。(まだ観てませんが)
結局、「あなたと夜と音楽と」のルーツには辿りつけませんでしたが、十分収穫あり。
元は取れました。(笑)