この公演を見ることができて感無量です。
役者魂というのでしょうか。
松本白鸚さん、足元がフラフラしたり、常にサンチョ(駒田一さん)が支えているのですが、最後まで、やりきりました👏
本日の松本白鸚さんの『見果てぬ夢』を聞けたことは一生の思い出かもしれません。
曲が始まると、それだけで、涙が出ました。
白鸚さんが歌い始めると、涙が止まりませんでした。
白鸚さんも、一生懸命歌っているのですが、途中から万感の思いなのでしょうか、すすり声となり、最後、涙声で歌っていました。
いろいろな想いが詰まった『見果てぬ夢』だったと思います。
『見果てぬ夢』は、ラストにセルバンテスが連れて行かれる時に、全員で歌うのですが、歌い始めがアルドンザ(松たか子さん)で、その歌が心に響き、沁みました。
今回、とてもとてもついているのですが、最前列で、しかも、舞台下に降りる下手階段の目の前だったのです。
つまり、目の前で、松たか子さんが、歌っているのです。
とてもよく響く声です。
もう、涙腺崩壊でした。
松本白鸚さんのラマンチャの男を、なんとか、最後、舞台に立ちたいという本人の強い意志と何とか舞台に立たせたいという周りの温かいサポートを感じる舞台でした。
それが、役者魂として、伝わってきたように思います。
上條恒彦さんは、松本白鸚さんより、ご高齢ですが、舞台に立ってくれました。昔と変わらないぶっきらぼうな牢名主を演じていました。
駒田さんは、役でもご主人様、そして、役以外でも、献身的なサポート。
ますます好きな俳優さんになりました。
松たか子さんは、娘なので、もちろん、観客が見えないところでも支えていたのだと思います。
アルドンザを演じるには、ちょっと年齢がいっていると思うのですが、お父さんのために、がんばったのだと思います。お父さんのことを気にかけながらの舞台は大変だったと思います。
若い頃のアルドンザ以来の舞台でしたが、とても色気のある俳優さんで、声がキレイでした。
途中、休憩があったり、階段でなく、緩やかなスロープだったりと松本白鸚さんに合わせた演出に変わっていましたが、横須賀でのラスト10公演を演じる切るための工夫であって、全員のサポートを感じました。
帝劇や日生劇場でなく、横須賀芸術劇場というのも、サポートを感じますね。
初めて行きましたが、良い劇場です。
KAATに似ています。
カーテンコールは、たぶん、何回も応えたかったのだと思いますが、体力を考えますと、1回が限界ですよね。あいさつでは、やり終えたことや様々な思いで、なかなかうまく言葉が出ませんでしたが、十分に伝わりましたよ。
カテコで、もう一度『見果てぬ夢』を歌っていただきましたが、松たか子さんから始まり、石鍋さんと続きました。
ごいっしょにとのことでしたので、心の中で、口ずさんでいました。
夢は稔り難く 敵は数多なりとも
胸に悲しみを秘めて 我は勇みて行かん
道は極め難く 腕は疲れ果つとも
遠き星をめざして 我は歩み続けん
冒頭の部分ですが、見事なまでの韻を踏んだ歌詞(訳詞)です。
名曲だと思います。
ミュージカルの技量(歌やダンス)だと四季の俳優さんの方が、(はるかに)上だと思います。
が、何ですかね〜
松本白鸚さんの出すセルバンテスとしてのオーラでしょうか。人を惹きつける何かでしょうか。
54年間の重みでしょうか。
(ぼくは、歌舞伎は見たことがありません)
ご縁があって、2002年から(ちょうど松たか子さんがアルドンザ役になった時)見ています。
そういう思い入れもあるのだと思います。
そして、そもそもですが、『ラマンチャの男』というミュージカルが良い作品だと思います。
作品主義で育ったので(劇団四季を見てミュージカルファンになったので)、良い作品だからこそ、長い時間見て、そして、出演する俳優さんにも気持ちが入ったのかなぁと思います。
そうは言っても、作品主義なので、ぜひ、東宝さんにキャスト一新で再公演をお願いしたいです。
本日の席は、友人にお願いして、抽選で取っていただいた席(当たった席)です。ぼくは、抽選で外れました。
とても感謝しています。
松本白鸚さん、カンパニーの皆様にも感謝です。
とても良いものを見せていただきました。
ありがとうございました。
https://hochi.news/articles/20230424-OHT1T51170.html?page=1
東宝さんの写真です。