『オペラ座の怪人』日本上演33周年を迎えました。


おめでとうございます。


残念なのは、劇場でお祝いできないことですが、これは仕方ないことですタラー


進化を続ける『オペラ座の怪人』は、まだまだ、変わりそうですね。


ぼくは、初演からご縁のあるミュージカルで、何度も楽しませてもらいました。



ファントムについて、長くなりますが、思い出などを書いてみます。

ぼくの感想なので、異なる意見の方も多いかもしれません。

ご容赦ください。



市村正親さんのファントムは、一言で言えば、「切なさ」がありました。

ファントムがかわいそうになりました。

あの足元のおぼつかない様子など上手いなぁと思ったことを覚えています。

ラストで、クリスティーヌを抱き寄せようとする手の震えなど印象的でした。



山口祐一郎さんは、強いファントムの印象が残っています。

背が高いですからね。(案外重要だと思います)



沢木順さんは、荒々しいファントムでした。

沢木さんは、ユダやタガーを歌わせたら右に出る者がいないくらい上手いと思います。

ロック調の曲は、本当にうまかったです。

ただ、ファントムの曲は、沢木さんの良さが出にくいのかもと思っていました。



村俊英さんあたりから、歌のうまさが目立ち始めました。

村さんは、背が低いファントム(すいません)で、いい声しているなあ〜というのが感想。



今井清隆さんもいました。

パワフルな印象でした。


ここまでは、やはり、市村さんのあの切ないファントムがマイベストでした。

若い時は資金力も乏しいので、観劇回数も多くありませんでした。


それが、2005年の海から変わりました。

高井治さんのファントムに衝撃でした。

村さんの声もいいのですが、高井さんは別格

浅利慶太さんが、「ファントムを見つけた」と豪語しただけのことはありました。


ここで、マイベストが変わりました。

歌は、歴代1位だと思います。

派手さはまったくなく、歌で見事に喜怒哀楽を表現してきました。

オペラで鍛えたのでしょうね。

高い音も何の問題もなく出していました。


高井さんは、省エネ運転の時もあり(土曜日のマチネなど)、1幕に調子悪いのかなぁと思っていると、2幕から、いきなりトップギアに入ったりしていました。

本当に調子のいい時は、鳥肌の時間が長かったものです。



ちょうど、クリスティーヌ に苫田亜沙子さんがデビューしたので、2005年以降、観劇回数がそれこそ指数関数的に増えていました。



4月のオフステージトーク(動画配信)の中で、佐野正幸さんがファントムデビューの時のことを話していましたが、2006年8月8日の海でのことです。


初めて佐野ファントムを見た時の印象は、「なぜ、ラウルがファントムなの?」でした。

佐野さん、ラウルが長かったです。(10年くらい?)



2011年〜2013年の海は、通いました。

高井さん、苫田さん見たさに。


橋元聖地さんのファントムは、感情が激しかったですね。



2014年の札幌で、高井さんが声帯にトラブルが起き、しばらく、歌えなかったようです。



2015年の名古屋で芝清道さんがファントムに。

芝さんが演じるとファントムでなく、芝さんの色が強すぎて…

なんとなく、沢木さんに似ているかなぁと。


そして、2016年に名古屋で高井さんが復活。

この日を待っていましたとばかり、名古屋に行きました。

まだ、高音が出にくいなぁという状況でしたね、


ちなみに、今まで、芝さんがファントムを演じることができなかったのは、浅利慶太さんのOKが出なかったと言われています。しかし、浅利慶太さんが劇団を去り、ようやく、名古屋で、芝ファントムが実現したということです。

しかし、その後、芝さんがファントムを演じることはないので、やはり、浅利慶太さんの眼力はすごかったのだろうと思います。

浅利慶太さんは、芝さんのことを重宝していたのですが、ファントムには向いていないと見抜いていたのでしょうね。

それだけ、ファントムという役は難しいのだと思います。



2017年の横浜は、今までで一番通いました。

ここから、演出が変わり始めて、佐野さんとかとても苦労したようです。

高井さんは大復活を遂げたのですが、途中で、再び高音が出なくなりました。

そんなこんなで、出演予定のなかった村さんが出演するくらいファントム役の方々にアクシデントが発生した公演でした。



そして、新しい秋劇場で、さらに進化した『オペラ座の怪人』がスタートし、岩城雄太さんと飯田洋輔さんがファントムにキャスティングされました。

がんばってください!



書き足りないくらいですが、またの機会に書きます。

あと、クリスティーヌ編を書くと、もっと長くなりそうです。


『オペラ座の怪人』に出会えて、良かったなぁと心から思っています。


繰り返しになりますが、33周年、おめでとうございます。