「わが子がダウン症と告知された81人の『声』」。
これが全国に確実に広がっているようです。
改めてじっくりと読んでみると、わかることがあります。
それは、医療関係者がダウン症に関して『無知』であるということ。
厳密には『知識』としては知っていても、
『医療』という一面からでしか捉えていない。
そういう人が多いのではないかと思いました。
そして、私もそうでしたが、当事者になって初めて知ったことも多いのではないでしょうか。
じゃあ、今まで障害者と接点がなかったのか?と言えば、
それは違うと思います。
私の場合、中学校に障害者学級がありました。
それは3学年まとめて1クラスという感じでしたが、
その中にはダウン症の人も恐らくいたと思います。
しかし、当時の私にはまだピンとはきませんでした。
単純に「障害者」という枠組みでしか捉えていませんでした。
加えて、クラブ活動(いわゆる「部活」とは違い、
授業の中で行う活動)に、
一人その障害者学級から参加していた子がいたのですが、
見た目的にも普通で、言葉も多少どもることはあっても、
コミュニケーションが取れないという事はありませんでした。
恐らく、今でいう所の発達障害の一つだったのではないかと思います。
「知らない」という事がどんな意味を持つのか、
今ならしっかりわかりますが、
当時は幼いせいもあり、理解はできませんでした。
私は長男以外で親族に障害を持った人がいますが、
その人は比較的軽い小児麻痺なので、
コミュニケーションは普通に取ることはできます。
会社の中にも一級の障害者手帳を持ってる人はいますが、
心臓にペースメーカーを埋め込んでるので、
ダウン症のような知的障害ではありません。
改めてこの本を読んでいると、
医療関係者にダウン症の知識がない人があまりにも多いことに、
正直愕然としてしまいます。
そして、その対応がとても冷淡なケースが多いという事も。
私がこの本で書いたのですが、
医療関係者全てがダウン症の専門家になってほしいとは思いません。
もちろん、それぞれの医師は専門分野があります。
内科、外科、耳鼻咽喉科、皮膚科…。
私の高校時代の同級生には、スポーツ外科に関する点で、
日本でもトップレベルに達した人がいて、
昨年のリオデジャネイロ・オリンピックにも、日本選手団の専属ドクターとして同行した人もいます。
私も、オリンピック選手団の正式な赤と紺のブレザーを、
去年の高校の同期会で着せてもらったりしました。
(ブレザーには『高島屋』のロゴがありました(笑))
彼は自分の高校時代の担任の足の手術も担当したくらいのスポーツ医学では実力者です。
そんな彼でさえ、ダウン症については、
恐らく必要最低限の知識しかないと思います。
当たり前です、彼にとっては「ダウン症」は専門外なのですから。
医療関係者で、ダウン症が専門と言う人は殆どいないでしょう。
そういった人達が言えるのは、あくまでも『医学』としての範囲内。
これはしょうがないといえばそうなのかもしれません。
でも、大事なことは「患者、当事者の気持ちに寄り添う」という事。
これが今の医療関係者には、決定的に欠けている気がします。
確かに医療関係の仕事は激務です。
四六時中緊張感のある中にいますし、
場合によっては人を死なせてしまうこともある。
物凄い損な役回りだと思いますね。
その分、給料もいいのですが。
でも、患者やその家族の気持ちをしっかり受け止めることは、
出来るはずなんですよね。そんな状況下でも。
今の日本の医療の現場ではそれが行われていないと感じます。
少なくとも、他の方の書かれた物を読んでいると。
この本は、とにかくたくさんの人に読んでもらいたい。
もし売り切れてしまったら、コピーとかでもいいから、
一人でも多くの、特に医療関係者、
いや、それ以上にこれから医者を目指そうとする人達に読んでほしい。
そして、聞いてみたいです。
『あなた方は、患者や家族の人達がどんな気持ちでいるか、
そしてそれを受け止めて、寄り添える覚悟がありますか?』と。
病院だけでなく、療育センターとかにもこの本は必要です。
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