BEST SONGS 2024年上半期篇

 

 今年も半年が過ぎ去ろうとしている。今年は筆者が思うベストソングを紹介していこうと思う。

 なるべく今年リリースされた楽曲を紹介するが、印象に残った歌唱を紹介することもある。また、到底1曲を厳選することも難しく、紅白のように男女に分け、更に、ポップス、演歌・歌謡曲、グループの楽曲と分けて書いていく。沢山紹介したいがために、色々と分けているだけでこれと言って、深い意味はない。

 今回はとても長いブログ記事となる。早速始めよう。

 

ポップスベストソング

◆生田絵梨花|Laundry(詞:Erika Ikuta/Junji Ishiwatari 曲:Erika Ikuta 編曲:MANABOON

 昨年の紅白での「ビートDEトーヒ」からの「ウィッシュ~この願い~」を歌唱し、バラエティソングからミュージカルソングまで様々な楽曲を歌いこなせることを世に知らしめた。そんな生田絵梨花が今年、シンガーソングライターとしてデビューした。様々な音楽番組で歌唱した楽曲が「Laundry」だ。最も注目すべき点はピアノ弾き語りで裏打ちのリズムを軽々しく歌唱している部分だろう。

 今後の活動への期待も高い歌手だ。

 

 この他にも、家入レオ「ワルツ(詞・曲:Leo Ieiri 編曲:Naoki Itai)」や伊藤蘭「Shibuya Sta. Drivin’ Night(詞・曲・編曲:安部純)」なども印象的な楽曲だった。

 

◆三浦大知・清塚信也|燦燦(詞:三浦大知 曲:UTA/三浦大知)

 この楽曲は「SONGS(NHK)」のパフォーマンスで魅了された。この番組は収録番組ではあるが、二人の緊張感と息の合ったパフォーマンスは生放送さながらであった。このコラボは昨年筆者が行った「紅白出場歌手予想」でもファンの方が挙げていた。その理由が伝わる歌唱だった。

 人間離れしたパフォーマンスは視聴者を圧倒させる。今後はどのような楽曲を世に届けるのか期待が高まる。

 

 この他にも、西川貴教 with t.komuro「FREEDOM(詞・曲:Tetsuya Komuro)」や三浦祐太朗「さよならの向う側(詞:阿木燿子 曲:宇崎竜童)」なども印象的な楽曲だった。

 

演歌歌謡ベストソング

◆梅谷心愛|人生一路(詞:石本美由紀 曲:かとう哲也)

 この楽曲は言わずもがな、美空ひばり御大の楽曲だ。民放バラエティー番組で「美空ひばり博士ちゃん」としても活躍する梅谷心愛が、5月28日放送「うたコン」にて行われた「美空ひばり特集」で歌唱した。

 デビュー1年に満たない演歌歌手が同番組へ出演することは4月の一之森大湖(演歌歌手?)以来。ともかく珍しいことだ。更に、北島三郎御大のVTR→美空ひばり本人の過去歌唱映像の次に、出演歌手(天童よしみ、田川寿美、福田こうへい、純烈、田村芽実、Little Glee Monster)に囲まれ、勿論生演奏で歌唱した。

 「うたコン」スタッフは第30回の紅白の歌唱を再現したかったのだろう。これに応え、非常に見ごたえのある歌唱だった。

 ステージを広く使い、「美空ひばり愛」を感じる部分も多く、若手感が全くない歌唱は、紅白で初めてYOASOBI、Vaundyの歌唱を見た以上の興奮があった。

 

 余談だが、こんなに才能が詰まった歌手を発掘したとも言えるテレビ朝日はなぜ、Mステに出演させないのだろうか。彼女だけでなく、エレクトーン博士ちゃんや照明博士ちゃんなど音楽関連に富んだ博士ちゃんは多くいる。大人以上にその道を知っており、実力がある子どもたちに活躍の場を与えることも音楽番組の役割の一つかもしれない。高校ダンス部、吹奏楽部とのコラボ以上にやるべきことがあるだろう。

 

 

 この他にも坂本冬美「ほろ酔い満月(詞:田久保真見 曲:杉本眞人 編曲:佐藤和豊)」は振り付けキャッチ―であり、プロモーションも上手かった一曲や、世界デビューを果たしたアヤ・シマヅ(島津亜矢)「Think(詞・曲:Aretha Franklin/Ted White)」なども印象的な楽曲だった。

 

◆新浜レオン|全てあげよう(詞・曲:所ジョージ)

 非常に山内惠介「紅の蝶(詞:松井五郎 曲・編曲:村松崇継)」と迷った。どちらも演歌歌謡曲とはかけ離れており、ジャンルを横断する楽曲であるが、パフォーマンスで勝ったのは新浜レオンだろう。楽曲の終わりに「膝スラ=膝立ちスライディング」をしたことが非常に印象的だった。「窓ふきダンス」の次は「新浜の膝スラ」と話題の作り方は流石第7世代だ。

 それに負けじと歌唱力と蝶を思わせる振り付けというお洒落なパフォーマンスで魅了したことは、シングル25作の積み上げによる貫禄だろう。

 また、両者に言えることは振りがあったり、激しいパフォーマンスだったりするが、しっかりとマイクを持って歌唱していることが最高のパフォーマンスにつながることだろう。ハンドマイクとヘッドセットの違いは個々で感じ方は違うかもしれない。筆者の見解は以前の記事を参照ください。

 

 

 余談であるが、今年リリースされたこの2曲を含めて福田こうへい「庄内しぐれ酒(詞:荒木とよひさ 曲:徳久広司 編曲:南郷達也)」、純烈「夢見た果実(詞・曲:幸耕平 編曲:萩田光雄)」など時代の流れもありテンポが上がった楽曲が多くなっている。悲しくもあるが、Spotifyでシャッフル再生している最中にローテンポの演歌が流れると「遅いなぁ」と思ってしまうところも悲しいことだ。

 

バンドベストソング

◆SARD UNDERGROUND|DAN DAN 心魅かれてく[tribute 2024](詞:坂井泉水 曲:織田哲郎 編曲:葉山たけし)

 あまりメジャーなバンドではないかもしれない。昨年、このブログ記事で取り上げた「ZARD」の楽曲の魅力を若者に発信する今年デビュー5周年の女性3人組のトリビュートバンドだ。トリビュートバンドと言ってもオリジナル楽曲も多くある。

 そんなSARDがリリースしたトリビュートアルバムに収録されている楽曲だ。ZARD・坂井泉水が作詞をしたこの楽曲をリスペクトの思いを込め、令和の現在へ発信している。

 年々歌唱力やパフォーマンスが進化している今後注目なバンドだ。

 

◆岡村和義|サメと人魚(詞・曲・編曲:岡村和義)

 今年、話題となっている岡村靖幸と斉藤和義によるユニット・岡村和義。2020年に岡村靖幸のレギュラーラジオの企画で斉藤和義と楽曲制作したことがキッカケとなり、現在に至る。月1曲ずつ楽曲を配信しており、5曲を発表。その中でも、この「サメと人魚」はロックバラードと言えるほど、斉藤和義のギターが鳴る。異色のユニットを表すかの如くのタイトルにも魅かれる。

 本人たち曰く、この楽曲は思い入れの強い楽曲だそうで、その思いは楽曲から犇々と伝わる。

 

グループベストソング

◆日向坂46|君はハニーデュー(詞:秋元康 曲・編曲:野村陽一郎)

 こちらも櫻坂46「何歳の頃に戻りたいのか?(詞:秋元康 曲:ナスカ 編曲:APAZZI)」と非常に迷った。「結局坂道か」と言われてしまいそうだが、今年に入ってから多くの女性アイドルが音楽番組に出演し、歌唱シーンを多く見た。その中で印象に残った楽曲がこの2曲となった。

 その中でも、日向坂46の楽曲はトラックが完成しているように感じている。出だしのアコギ、Aメロのストリングス調のメロディー、キャッチーな大サビ後のメロディーなどしっかりと組み立てられている。また、「うたコン」のパフォーマンスでメンバー全員がNHKロゴの入ったハンドマイクでの歌唱だったことも好印象だった。

 アイドルには詳しくない音楽ファンではあるが、この楽曲のセンター・正源司陽子はどこのクラスにもいるセンター的存在がアイドルの世界へ飛び込んだようなプロモーションが非常に好印象だ。

 筆者が近年の坂道グループの嫌いな部分である、容姿・身体の売り込みが過激にならず、是非とも”歌唱力”、”ダンス”に力を注いでほしい。

 

◆BE:FIRST|Gifted.-Orchestera ver.(詞:SKY-HI 曲:Ryosuke”Dr.R”Sakai/SKY-HI/Carlo Redl オーケストレーション:Seigen Tokuzawa)

 男性グループは圧倒的にBE:FIRSTだろう。「今年はこう来たか」という思いだ。実際は、昨年11月に「うたコン」に出演してから、持ち歌を生演奏でパフォーマンスして欲しいと思っていただけに、期待を超える完成度だ。

 既存の楽曲でオーケストラとのコラボをするとなると、その楽曲の世界観が確立しており比較されやすい。更に、BE:FIRSTのレベルになれば、ダンスパフォーマンスと楽曲のマッチングが一つの作品となるためより難しい。しかし、原曲を壊さないオーケストレーションで、音楽と非常に融合した圧倒的なダンス、リアル感が伝わるMVは総合芸術と言っても良いだろう。

 BE:FIRSTは正に、自分たちで自分たちの道を切り開き、それが王道なり、老若男女に愛される音楽となっていることが、この楽曲から非常に伝わってきた。

 

 この他にも、上半期はこれまで光が当たりにくかったM!LK「Kiss Plan(詞:SoichiroK 曲:SoichiroK/Nozomu.S 編曲:Soulife)」や驚くべきスピードで世界に駆け上がったNumber_i「GOAT(詞・曲・編曲:Pecori/SHUN/MONJOE)」など多様なグループの活躍が目立った。

 

☆「上半期ベストソング」プレイリスト☆

 紹介しきれなかった楽曲を含めたプレイリストを公開中!

 

 番外編|「#広く楽しめる音楽番組」になった?

 MUSIC LIFEが上半期に力を入れたことも振り返っていく。

 1月から3月にかけて行った「署名活動=#広く楽しめる音楽番組へ」でテレビ局へ多様な音楽を発信することを求めた。

 

↓↓結果はこちら↓↓

 

 要望を送付してから2ヶ月ちょっとが経過した。直近で明確に変わったという放送局はNHK。NHK MUSICのYouTubeチャンネルで「うたコン」のハイライト動画に4月から演歌・歌謡曲も毎週1曲は含まれている。

 また、坂道、K-POP、旧Jが中心だった民放音楽番組に昨年よりSNSで話題となっていた「超ときめき♡宣伝部」や、昨年はNHKしか出演していなかった結成10周年「M!LK」も出演するなど出演の幅が広がっている。

 

 しかし、ワイド番組を見ていると「新浜レオンが所ジョージ・木梨憲武から楽曲提供」や「DAIGOプロデュース、演歌界新人歌手・一之森大湖」ということを取り上げていることは評価するべきことであるが、音楽ランキングはオリコンやビールボードなどランキングが多様になったことをよいことに、自分たちの都合の良いランキングを毎週抽出して放送しているとしか思えない。

 また、「FNS鬼レンチャン歌謡祭(フジテレビ)」や「今夜は大熱唱!昭和の名曲歌うランキングSHOW(テレビ朝日)」などとカバーやカラオケ番組の発展番組が多くなってきており、レギュラー音楽番組以上に多種多様な歌手が歌唱している。しかし、見るに堪えない歌唱シーンが多くて非常に残念だ。特に前者の番組は差別と捉えられるような温度差がある。番組内で自身の持ち歌が歌唱出来たり、本家「FNS歌謡祭」や「MUSIC FAIR」に出演歌手が皆出演出来たりすれば腑に落ちる部分があるが、そうでないため非常に遺憾だ。

 

 現在は「昭和歌謡」が若者を中心に話題となっており、演歌・歌謡曲に目を向けてもらう兆しが見えている。その反面、”昭和”と歌謡の世界を過去の産物のように表現している部分は否めない部分だ。そのため、現在の演歌・歌謡曲は「紅白で聴くもの」となっているように思える。

 さて、どうしたものか。若者に目を向けてもらうべく、多くの工夫を凝らして楽曲を世に送り出しているが、なかなか目を向けてもらえてない。悩ましいことであるが、秘策はやはり「テレビ」なのだ。以前、Xでもポストしてように、当ブログ記事の閲覧状況を見ると、TVに出演した歌手の記事が多く読まれている傾向にあることは明確だ。

 

 だからこそ、テレビへ声を発信し続けることが必要なのだ。民放音楽番組で期待が持てるのは「MUSIC FAER(フジテレビ)」か「with MUSIC(日本テレビ)」だろうか。やはり、頼みの綱は現在進行形で地上波で最新の演歌・歌謡曲を歌唱できているNHKの紅白だろうか。

 

予想調査を行っています

 MUSIC LIFEが提供する話題の中心にもある「NHK紅白歌合戦 出場歌手&曲目予想」を今年も行います。

 

 昨年同様、「NHK紅白予想調査」も行い、予想に反映させます。

 実施方法は昨年同様でありますが、大変わがままなことだと思いますが、回答は以下の凡例に従って頂けるとこちらの集計が行いやすくなります。

 調査フォームは「Google Forms」と「Microsoft Forms」の2種類(内容は同じ)を利用しております。

 皆様の「推しの魅力」などもどうぞお書きください。

 皆様のご協力の程、よろしくお願いいたします。

〇Google Forms

 

〇Microsoft Forms