ドラゴン桜  ~ 国語教師 芥山 龍三郎のメソッド~ ② | 酒場ピアニストがんちゃんのブログ - 読書とお酒と音楽と-

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昼はジャズ・ラウンジピアノ講師 (江古田Music School 代表)

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コロナ禍ではジャズの独習用eラーニング教材を開発してサバイバル

そんな筆者が綴る、ブックレビューを中心とした徒然日記です。

 

昨日ブログにつづき、龍山高校の国語教師、「芥山 龍三郎(あくたやま りゅうさぶろう)」の名物授業を紹介する。

 

昨日は、下のエピソードを紹介させて頂いた。

 

■第44限目 屋外での授業 (コミックス5巻)

 

■第46限目 型を覚えろ! (コミックス5巻)

 

本日、紹介は、古文に関するエピソードを紹介させて頂く。

 

 

■第100限目 国語は古典から (コミックス11巻)

 

このエピソードは、受験テクニックに関する部分が多いが、言語・語学学習全般に共通するヒントもある。

 

まず、芥山の講義を抜粋引用する。

 

・・・・・・・

 

国語は現代文から始めてはいけない。(試験問題を解く順序として)

国語は古文・漢文から始めよ!

国語を解くとき問題番号順にまず現代文から始める人が多い

しかし東大国語の場合現代文から始めてはいけない

 

東大入試において全教科に通じる一番のキーワードは時間!

時間が不足しないよう調整し工夫しなくてはいけない

 

まず確実に解けそうな問題から始めて、そこでしっかり点数を取る

これは東大入試に限らず全ての試験に共通した鉄則

 

(中略)

 

さあ、古文の攻略です。

問題を見てまず最初にすることは

 

1、問題の本文の前の説明文を必ず読む

 

そしてわざわざつけてくれている出典と注もチェックするのです

こういうものを読んでも大差がないと思って読まない人が意外と多い

しかし落ち着いてしっかりと読んで頭に入れておく

なぜならここはヒントが色々と隠されている

 

これらをしっかり確認できたら次は。。。

 

2、問題文を心の中で声に出して読む

 

そもそも古文が嫌いになってしまう最大の原因は何か

それは熟読するから

 

いいですか。。。

もともと古文は日本語という言語なのです

字面は違っても音にすると現代語と雰囲気が似ていてわかることがあるのです

 

言語であれば声に出して読むことが習得の近道

それも古文の授業のはじめの頃に徹底的にやった

「ウロウロ音読」が最も効果的

 

 

英語でも体でリズムを取って読んでましたね

言語はとにかく机にじっと座って黙読というのがいけないのです

体を使って動いて声に出す・・・

これが一番なのです。

 

もちろんテストでは声を出せないので

心の中で大きな声を出して読む

普段の勉強方法を頭の中で思い浮かべれば

落ち着くきっかけになるでしょう

 

心の中で読み、心の耳で聴く

これで、古文の世界がはっきりと見えてきます

そこから問題に向かいましょう

 

そして3つ目

 

3、主語をいち早く見つける

 

古文の大きな特徴は主語が省かれていること

だから現代人には読みにくいのです

 

だから誰がその動作の主語なのか

これがわかるとほとんどの問題は解けるでしょう

 

主語を意識しながら読んで

わかったら文章に書き足してみる

たったこれだけで

すらすら文章がわかって

目の前がパッと明るくなるはずです

 

(中略)

 

(試験時に、もしわからなくても)

落ち込んでいる暇はありませんよ

時間は刻々と経過しているんです

わからないものは仕方がない

クヨクヨせずに次へ次へと進みましょう

 

・・・・・・・

 

嗚呼、これを高校生の時に読んでいれば。。。と思った。(もっとも私が受験生の時に、「ドラゴン桜」は連載すらされていなかったから、これは反実仮想。今の受験生が羨ましい!)

 

当時名ばかりの理系だった私は、古文、漢文を軽んじてほとんど勉強しなかった。現代文は得意だが(センターレベルなら9割レベル)、古文・漢文がボロボロなので、センターレベルでも140点ぐらいにしかならなかった。大変もったいない話である。

 

古文・漢文は、投資する学習時間に対してのリターン(獲得が期待できる点数)が高いと聞く。

 

まず確実に解けそうな問題から始めて、そこでしっかり点数を取る

これは東大入試に限らず全ての試験に共通した鉄則

 

資格試験にせよ、なんにせよ、これから試験に挑むことがある人は肝に銘じておきたい鉄則である。

 

 

 

言語であれば声に出して読むことが習得の近道

 

これも大変納得のいく話である。

 

私は英語はまあまあ得意で、センター試験なら9割レベル、TOEICスコア825で商社勤務経験もあるので、英語学習については人の受け売りでなく、自らの経験に基づいて意見を言い、判断を下すことができる。

 

当時を振り返るとよく音読していた。この効果は間違いない。芥山は古文にも応用できると言うが、これも納得できる話。東進ハイスクールのカリスマ英語講師、安河内哲也氏も著書「できる人の勉強法」の中で、その効果を説いている。安河内氏によれば、勉強法の合言葉は「おけきもの」で、お「音読」、け「健康」、き「興味」、も「目的」、の「能率」であり、音読はやはり重要。

 

実は、音読は語学・言語だけでなく諸々学習にも応用可能である。難解・複雑な概念が目の前に立ちふさがった時、まず声に出して読んでみることで、問題がつかめ、頭が整理され突破口が開かれることもある。何かで行き詰ったら騙されたと思ってやってみて欲しい。

 

「声に出して読む」、そして「手で書いてまとめる」、必要なら「体も動かす」。

こうして、視覚だけでなく、身体全体を使って色々な五感を動員することで、学習効果は確実に高まります。ぜひお試しください。

 

少々脱線しましたが、今日はここで区切ります。

明日は、芥山の現代文講義のエッセンスを紹介します。

 

 

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江古田 Music Shool 代表 

 

岩倉康浩

 

日芸受験専門の個人指導もやっています。