小倉 唯 LIVE TOUR 2019 Step Apple@大阪オリックス劇場※ネタバレ含む | MUSIC TREE

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邦ロックを中心に批評していく
音楽ブログです。更新不定期。

―完璧なんかじゃない今のあなたが狂おしいほど好き―

 

もはや小倉唯さんの記事をたまに更新するだけのブログになりつつあります。またツイッターで書いてもいいかと思ったけど、140字×n回では難しいのと、ネタバレを含まないと書けないこと、まだまだ始まったばかりのツアーと言うことで、ブログにひっそりと思いを綴りました。小倉唯さんと俺の気持ちを受け取ってくれ・・・

 

とにかく情報量と予想外の展開が多かった。

 

今回のライブはこういうコンセプトで小倉唯の今は~」と随所随所で決めつけて、見ていくといい意味で裏切られるライブだった。簡単に言えば小倉唯さんをさらに多面的に、ベールを脱がせて(えっち…ではない)映し出していたライブであり、見応えが凄かった。

体で感じるより、まず目で追いたいという気持ちが先行した。

 

僕は割と音楽に乗れるならなんでも良いみたいな考え方の人だけど、今回ばかりは双眼鏡で追いまくった。「ああこの人こんなに魅力的だったんだな」って改めて思わされた。めちゃめちゃ可愛いのは当たり前だけど、もっとなんかこう女性としての線の美しさとか、勿論人としての立ち振る舞いとか・・段々ただ単に音楽を楽しむだけじゃなくて、そっちにシフトしてきたように思う僕自身の見方も。それはきっと彼女の表現力が以前に比べて格段に上がったからだと思う。

 

まさに冒頭、彼女は「アーティストとしてステップアップ出来るライブにしたい」と話していた。自分はアーティストである…とハッキリ断言していた。いや、きっと未だに僕ですら小倉唯さんをアイドルだと認識してる側面は強いし、小倉唯さん自身も歌手活動をする上でアイドルに憧れていた部分もあったと思う。アイドルだろうがアーティストだろうが、その境界は曖昧だし、どっちでもいいとは思う。しかし自分がどちら側に立っているかということはハッキリさせるべきだし、その上できっとやりたいことも決まるだろう。

 

ライブ開始、まさに初っ端から白く咲く花という予想外のストライクを喰らってしまう。これが小倉唯さんのやりたかった一曲目なのではないか?と思うと、胸が熱くなった。「無傷の清らはとっくに少し似合わない場所まで来た」、そう歌う彼女に強い意志を感じた。

きっと小倉唯さんに求められて来たのは一種の処女性とか永遠、変わらないことへの安心感だったと思う。そういったものを徐々に叩き壊そうと、変わろうとしている姿に数年前から注目してきた。

 

声優としての役作りでもそれは見受けられたし、音楽活動からファンとの何気ないコミュニケーションに至るまでそこには細やかな変化が存在した。そんな日々がひとつの実を結んだような、殻を破ったのが今日という日なのではないかと感じた。

 

 

冒頭のMCだった?はず、「今日は喉の調子が悪い」と彼女は告白して来た。そりゃ人間だからたまには体も壊す。でもそれをあんなに明確に序盤から告白して来たのは意外だったこれはハイタッチサマーツアーから感じてきた小倉唯の中の糸が少しずつ緩んでいくような現象の延長にあるものだと思う。僕らを信頼してくれる彼女が少しずつ自身の弱さを曝け出してくれるようになったこと、嬉しく思う。

 

僕は完璧な小倉唯さんを見たいわけではない。以前ならそうだった。だけど今は違う。少しくらい何か足りなくても、それをちゃんと言葉や形にしてくれる小倉唯さんが見たい。その弱さを弱さとして認め、伝えてくれたあなたの強さを抱きしめたい。

 

他にもライブ中盤あたり「楽しいな…」とボソッとつぶやく所があった。嬉しいんだよなそういうの…「みなさん楽しんでますかー?」という決まり文句を言われるより何倍も嬉しい。あなたが楽しいなら楽しいに決まってる。笑顔が輝いてる。僕には見える。三階席でもよく見えるよ。

 

セトリの話に戻る、二曲目がハイタッチメモリー。これもまたライブ終盤のイメージが焼き付いていたので驚いた。続くhopstepjumpで気持ちを加速させる流れは予想通り、曲中に数え切れないほど飛べるってことは楽しいってこと、最高ってことだと証明するシンプルな曲である。今後のライブでもキラーチューンになるだろう。ハニカムを投下、ボルテージは上がっていく。アルバムツアーなのにアルバムの曲が序盤にほとんど来ないのは新鮮とも取れるし、過去の可愛くて盛り上がる曲に頼っているようにも思えた。

 

個人的はもう少しホップステップアップルを根っこにして、枝を広げていくような構成でも十分に勝負できたと思う。しかし、しかしだ…いくら小倉唯さんが成長して大人っぽくなっても結局昔の曲もやっぱ最高なんだよなと思わされる。こっちは大人ゆい?ホップステップの方向性を喜んで受け取ってるのに、いざライブに来たら昔の曲もやっぱり最高なのである。これだからオタクはどうしようもない。今も昔もずっとゆいは最高なのでは??baby baby baby可愛すぎるからな???最高!

 

少し複雑な気持ちでまだ整理はついてない。過去も今も好き。その絶妙なバランスを今後まだ模索していく必要性は感じた。てか今回は七公演もあるし、セトリは結構変わるかも。

 

あといくつか気になった点、今日の滋賀公演のセトリでまた印象は変わってくるがまさかの初日からRaiseをセトリから外してきた点は驚きの一言であった。小倉唯=Raiseと言っても過言ではないデビュー曲を外してきた覚悟は異常である。一部ではFuture strikeと日替わりではないかという予測が立ってるが、その場合でもFuture StrikeがRaiseと肩を並べられる楽曲だと公式が容認しているということ。これも英断と言わざるを得ない。

farawayのダンスはまた小倉唯の世界がネクストレベルに達したような芸術性の高いパフォーマンスで良かった。それとto be aliveは今のFSのキレをさらに磨き上げたようなキラキラ感で最高だった。雨の森はウソつきは僕の想像してたちょっとお嬢様風のえんじ色のワンピースみたいな衣装でスタンドマイク(絶対これだろ)じゃないのが少し残念だったけどほぼ音源通りの再現率。アルバムにおける新曲はどれも大変素晴らしかった。

 

やっぱり小倉唯さんすげぇえええ喉の調子悪いとか嘘じゃん!!と思った所、その瞬間、神は試練を与えてきた。

 

本編ラスト、アップルガールの大サビまであと少しという所で彼女は歌に詰まってしまう。泣いてるからとかではない。喉の調子がやはり良くなかったのだ。あともう少しで終わるのに、神様はなんて残酷なんだろうと思った。

 

 

「がんばれー」みたいな声が少し出始める、僕は何を彼女に言うべきか迷った。無理して頑張ってほしくなかった。あなたの体が第一である。

僕が言葉を無くした数秒後

 

およそ聞いたことがないような、無理矢理振り絞るような、お世辞にも綺麗とは言えない声で

 

ぎゅ!!!…っどぉ!!…この手!!!!!握っでぇぇ!!」

 

と彼女は叫んだ。

 

音源通りなら可愛く歌う所である。もうなりふり構わず、気持ちが前に出たのだろう。ボロボロの状態、何故か初ワンマンの時の泣きじゃくる小倉唯とは対照的にも見えたし、似てるようにも見えた。みんなの為のかわいい小倉唯じゃない小倉唯が本能をむき出しにしてきた。彼女は「私はこんなところで負けないから、最後まできっちりやるから聞いてくれ」と心の底から叫んでいたのか、あるいは助けを求めていたのか…わからない。

 

わからないけど、俺たちに出来るのはたったひとつだった。直後にyeah‼︎というコールが3回ある。これに全力を懸けること。今叫ばずにいつ叫ぶ?ここしかないという全員の気持ちがひとつになった瞬間だった。色んなライブを見てきたが、ここまで一点に熱が集約された瞬間に立ち会えたことはなかった。エモいでは済まされない気持ちが火花を散らしていくのがわかった

 

歌い終わり、話してる声がカスカスだった。でも満足した表情、それは小倉唯さんも僕らもそうだ。ありがとう。全部受け取った。彼女がステージから退場し、アンコールの呼びかけが始まった。僕も思わず、馬鹿でかいだけが特徴の声を張り上げる。

 

間も無く、永遠少年のイントロが聞こえてくる。アンコールを呼ぶ途中、「もう喉やばそうだしアンコールなしでもよくね??」と思ってた自分がいたのも事実である。少し喉は回復した?ようだが、本調子ではない。小倉唯さんはきっと、どんな時も何を言われてもステージから降りないだろうから、何が正しいのかはわからないけど小倉唯さんの意志を尊重したい。

 

以前とは違うから大丈夫だ。きっと多分そこにあるのは自分勝手な気持ちでもなく、ファンのことだけを考えた気持ちでもなく、お互いがお互いをステップアップさせようという気持ちだと思うから、その信頼関係をもっとこれから強固なものにしていきたい。そう思えるライブであった。

幾千幾億の中の特別なたったひとりをずっと探してた。あなたこそがそうだった。あなたと出会えてよかった。

 

ラスト、自身作詞曲のピーナッツが旅立ちを告げるファンファーレのように鳴り響く、音楽活動、声優活動、どちらが欠けても自分じゃないと歌い上げる。この先もその殻を何度もぶち破り、変わり続けるであろう小倉唯さんに大きな期待を抱き、鳴りやまない歓声の中、舞台は幕を閉じた。

 

アクシデントも含めて、全部が全部、小倉唯そのものを表したようなライブだったし、あなたの気持ちをこれまでのどのライブよりも強く受け止めることが出来た。満足。

 

例のタップダンスも天才的だったし、色んなことが出来てしまう小倉唯さんの可能性は改めて無限大であり、そのクオリティや表現力も年々進化し続けている。まあ改善点も実はたくさんあるけど、個人的にはもう少し方向性を絞ってもいいとは思うが、そのあたりはまた改めて考える。今は黙って、このツアーの最後を見届けたい(在宅)… 完璧なんかじゃない今のあなたが狂おしいほど好き。好き

 

 

☆そういえば壁側の席だったけどFS来た瞬間に興奮して反り返ったら頭を壁に強打してしまってまだ痛い。あとミニスカおへそゆいはえっちの化身なので危ないと思うフフッヒ☆

 

以上