BUMP OF CHICKEN『You were here』 | MUSIC TREE

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邦ロックを中心に批評していく
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バンプはよくリスナーが聴いてくれるから歌えるんだ。バンプを選んだことを誇りに思ってほしいと言う。ありがちな発言に感じるけど、バンドが大きくなるほどその言葉に真実味が出てきている。彼らのアーティストとしての姿勢が正しいのだろう。

打ち込みのイントロからは現在のバンドのモードが感じられ、サビへ向かう北欧の音楽を彷彿されるメロディは、もう彼らの黄金律といってもいい。スローテンポで、静かに流れるギターのリフレイン。そこで歌われるのは”会いたいよ”というストレートな思い。藤原基央の声がファルセット気味になるほどに、バンプが今、最も伝えたい気持ちがこれなのだ。

「あなたがここにいた」ということは、一度さよならをした、だから”君の昨日と明日に僕もいたい”と歌う。今を歌い続けてきた彼らからすれば、逆説的な表現である。きっと、そこには強い思いが潜んでいるに違いない。僕らはまた会える、君とバンプはもうすでに公転周期上にいるのだから。