縦横無尽にすべてを切り裂くミクスチャーロックの嵐の中、TAKUYA∞のハイトーンボイスが鳴り響く。曲調が激しいほどエモーショナルな声が浮き彫りになるのは、彼の内面にある孤独が、言葉を吐き出したときメロディに描写されるからだ。しかし、吐露された歌詞の持つ影の側面が他メンバーのアンサンブルと重なる時、とてつもないポジティブな歌へと変換されていく。「7日目の決意」のように、生と死を蝉の寿命に例えて、人間としての理想の生き様を歌たう精神的な曲。アルバムを覆うセンシティブかつアグレッシブなトーンからは、彼らが向き合ってきたものをリアルに感じることが出来る。
でも、僕はどうしてもTAKUYA∞が
ごく普通のどこにでもいる一人の青年に思えてしまう。なぜなら、全編を通して、歌われていることは、誰もが考えるような、悩みや不安、希望についてだからだ。ただ、そんな誰もが一度は考える絵空事や理想を実際に体現させる姿勢は、彼らのロックバンドとしての正しさを証明していると言えるだろう。これまで、受けてきた賞賛や批判、そのすべてをZEROにすることを可能にした集合体。それが、今のUVERworldだ。