sukekiyo『IMMORTALIS』 | MUSIC TREE

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邦ロックを中心に批評していく
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DIR EN GREY 京、初のソロ作。まずわかるのは、彼がDIRでどの要素を担っているかが明確化されていることだ。特にバンドが醸し出していた”和”の部分は、京が主に担っていたのだろう。自身が日本の古都、京都をふるさとに持つこともベースになっていると感じる。ただ今作では、この新たなバンドで何を伝えようとするかが最も重要な点だと思う。少なくともここでしか出来ないことに視点が置かれているようだ。その中の一つは、京の声に重点を置いた音作りであること。日本のヘヴィー・ロック・バンドとして、実力、商業的な面の両方からみても、今のDIRに求められる音楽性は、よりハードで攻撃性のあるものになっていると思う。だからこそ、ソロ作では自身VOICEから生まれる歌そのものを、今一度伝える必要があったのだろう。全体のトーンは、デビューからこれまでの彼の歌唱を総括しているようで、多種多様な歌い方の連打が、日本と異国とを瞬間にトリップするような幻覚を与えてくれる。歌詞の不気味さや、楽曲のもつ力以上に、京の歌うことへの愛着が滲みでてることが一番の特長であり、それが、彼の原点なのだ。sukekiyoはそのために創りだされたのもだろう。