文学座の、あるいは、邦画のバイプレーヤー、加藤武さんが他界された。
86歳だから天寿全うである。
舞台の加藤さんは、観たことがない。
が、故北村和夫さんとふたりで女王杉村春子を支えていたと映った。
映画俳優としては、当方の好きな映画、つまり、黒澤明、川島雄三、深作の「仁義なき戦い」で愉しませてくれた。
「代理戦争」だか、「頂上作戦」だかで、金子信雄に、
「こんなん(オマエの意)、泣かんのよ」
と、イビられ、悔し涙に掻き暮れていたシーンが抱腹絶倒だった。
モデルの親分は、映画同様、タクシー会社を経営しており、敗戦直後の「広島市民球場創設」に尽力していたはずである。
いかめしい強面だったが、まったくの下戸であり、川島監督の「貸間あり」では、その地を逆手に取ったコミカルなシーンもある。
中学の先生だった時期があり、「キューポラのある街」(監督・浦山桐郎)では、主演の吉永小百合演じる高校生が困窮から修学旅行に行けそうになく、その心情をおもいやるイイ担任役でも印象を残した。
フランキー堺、小沢昭一、加藤武の麻布中学トリオには少なからず影響を受けました。
では、お約束を・・・・
「よし、わかった、首相が犯人だ、絶対!」