喫煙と脳卒中に関する新たな研究結果 | 加藤 豪(Go Kato)

加藤 豪(Go Kato)

1人でも多くの人が救われるように、聖書の福音を述べ伝えています。

 喫煙率の減少という心強い傾向にもかかわらず、タバコの有害な遺産は公衆衛生に影を落とし続けています。実際、最近EClinicalMedicineに掲載された新しい研究で、喫煙に伴うリスクが肺の健康をはるかに超えて広がるという憂慮すべき真実が明らかになりました。

 

 喫煙と脳卒中との関連性については以前から知られていましたが、今回の研究により、さらに憂慮すべき側面が明らかになりました。その危険は受動喫煙にさらされている人にも及ぶということです。

 

●喫煙は脳卒中のリスクを 12.4% 上昇させる

 前述の研究では、世界的に喫煙は脳卒中のリスクを12.4%増加させることが明らかになっています。さらに、副流煙にさらされることも脳卒中リスクを高めるというデータもあります。しかし、これは禁煙が脳卒中のリスクを迅速かつ大幅に減少させる可能性があるということを示唆しているとも言えます。

 

 この研究は、32カ国の142施設の参加者を対象としています。喫煙者の解析は2007年冬から2015年夏の間に行われました。当初は、神経画像によって証明された急性脳卒中を経験した人に焦点を当てて行われ、その後、質問票と身体検査を用いてデータを収集し、タバコの使用や副流煙への曝露の程度を測定しました。データ解析の前に、研究参加者の健康歴と生理学的測定値も記録されました。

 

●喫煙は複数の脳卒中タイプのリスク上昇につながる

 この研究から得られた最も興味深いことは、喫煙は、病因的亜型を含む脳卒中のあらゆるバリエーションにおいて、より大きなリスクと関連しているということです。 しかし、喫煙は虚血性脳卒中と最も強い相関関係がありました。また、弱い相関関係ではありますが、喫煙と脳内出血との関連も発見されました。

 

 タバコの使用状況を細かく分類すると、フィルター付きタバコ、フィルターなしのタバコ、そして「ビディ」と呼ばれるアジアのタバコが、すべて脳卒中リスクと関連していることがわかっています。 ビディはアジアでよく吸われる細いタバコです。 研究結果を深掘りすると、虚血性脳卒中のリスクは1日の喫煙本数が多いほど有意に増加することがわかります。

 

●タバコに代わる健康増進法

 脳卒中は全世界の死因の11.5%を占め、年間550万人が死亡しています。 また、脳卒中は1億1,640万人の障害調整生存年(DALY)の原因にもなっています。すべての脳卒中が喫煙によるものではありませんが、喫煙やタバコの煙にさらされることが、この不幸な健康結果に関与していることは、次第に明らかになってきています。

 

 果物、野菜、ナッツ類、種子類など、栄養価の高いスナックをすぐに食べられるようにしておくと、食欲を抑え、エネルギーレベルを維持することができます。 きれいな水、オーガニックのハーブティー、煎じた水などで水分補給をすることも、喫煙衝動を抑えるのに役立ちます。

 

 ガムも有効です。低糖質で人工甘味料のアスパルテームを使用していないガムを選べば、健康を損なうことなく満足感を得ることができます。

 

 深呼吸法、漸進的筋弛緩法などを実践して、ストレスや欲求に効果的に対処しましょう。これらのテクニックは自己認識と回復力を高め、長期的な禁煙をサポートします。